万葉の植物

万葉時代の社会のありかたを学び、人々の暮らしや詠み人の心情に思いを巡らし、その根底にあるものを掴み取り、自分の身に引き付けて考える
   ----  対照とするものがあれば、自分が立っている場所が見えてくるのではないでしょうか。

歴史を遡り、人がどう生きたかを探ることは、「自分がどう生きるか」の思いに繋がります。
現在の日本人の感性や考え方や感情を支えている根本には、何があるのかを知りたいのです。


万葉集全20巻-4516首のなか、1700首あまりの歌に、約150種i以上もの植物が読み込まれています。
言葉は社会の変化と共に動き、その形を変えしていく流動的なもの。

歌に
詠まれた植物が、現代のどの植物に当たるのか判明しないことも多いのですが、探ってみようと思います。
歌を通じて、万葉時代の人々の自然に対する思いを感じ ることが出来たら、この試みは成功したと言えるでしょう。

道の辺に生える草花や里山の小楢や橡は、古くから続いている小さな命なのです。
万葉時代を知ることと、自然科学を学ぶことの共通点は、「何かを発見する」ことかもしれません。   
  
   下線のあるものは説明を付けています。    印の植物は画像もアップしています。
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   やまあゐ    くれなゐ

   栃の実 防人の歌と東歌  
                                   2012.12.29現在  174種類

 あかね あからがしは  あきのか   あさ
   あさがほ   あさざ  あし  あしつき
    あしび  あぢさ  あは  あふち
   あふひ  あへたちばな あやめぐさ  あをな
   いちし  いちひ  いね  いはゐづら
   うけら  うのはな   うはぎ  うまら 茨
   うめ  うも  宇毛  うり  
   おほゐぐさ   おみのき  おもひぐさ  
         
 かきつ はた  かし  かしは  かたかご 
   かづのき  かつら  かには   かはやなぎ
   かへ  かえるで  かほばな  かや
   からあゐ  からたち 枳  きみ  くくたち
   くくみら  くず  くそかずら  くは 桑
    くり  栗   くれなゐ 紅   けい  こけ
   ごどう     こなぎ  こなら 小楢  このてがしは
   こも      
         
  さいかち  さかき  さきくさ さくら 櫻
   ささ   さなかづら  さのかた  さはあららぎ
   さら  しきみ  しだくさ  しば
   しばくさ  しりくさ  すぎ  すげ
   すすき  すみれ  すもも  せり
         
 たく (たへ  たけ  たちばな  たで
    たはみづら  たまはばき  たまかづら  ちさ
   つがのき  つき  つきくさ  つつじ
   つぎね  つげ   つた   つちはり
   つづら  つばき   つばな  つまま
   つみ  つるばみ   ときじきふじ ところ づら
   栃の実      
         
 なし   なぎ  なつめ なでしこ
    なのりそ   なはのり  なよたけ  なら
    にこぐさ   にれ  ぬな  ぬばたま
   ねっこぐさ  ねぶ    
         
 はぎ  はく やう  はじ  はちす
  はながつみ  はなたちばな  はねず  はは
   ははそ  はまゆふ  はり  はるな
      ひえ  ひかげ  ひさぎ 
    ひし  ひる  ふじ ふじばかま
   ほほがしは  ほよ    
         
  まき   まつ  まめ  まゆみ
  みくさ みつながしは  みら  みる
   むぎ  むし  むぐら  むらさき
  むろのき    もも   ももよぐさ
         
やなぎ   やまあゐ  やますげ  やまたちばな
   やまたづ  やまぢさ  やまぶき   ゆづるは 
   ゆふ   ゆり  よもぎ  
         
 らに  わかめ    
         
 ゑぐ  をぎ  をみなえし  わすれぐさ
   わらび      
万葉集のテキストデータについて:
参考文献のうち、主に『万葉集全講』に基づいて表記し、下記掲載の文献も参考にさせていただきました。


詠まれた植物に該当する現在の植物名については、カタカナ表記を採用しています。
内容に間違いがあれば、どうぞお教え下さい。

本ページ内の画像は、発行人Yama が撮影したものです。
 
     参考文献
『万葉集全講』全3巻 武田祐吉著                      明治書院版
『萬葉集注釋』 全20巻 澤瀉 久孝 中央公論社
『万葉集』日本古典集成 全6巻 小島憲之 ほか 小学館
日本古典文学大系』1234 佐竹明広 ほか 岩波書店
『万葉植物事典』 大貫茂                             北隆館
『万葉花しおり』 吉野江美子 共著                   柳原出版
『野草の名前 春・夏・秋冬』 高橋勝雄 著                     山と渓谷社
『万葉風土記』 (1)大和編(2)東日本編(3)西日本編       偕成社
『万葉集ハンドブック』 多田一臣 編                       三省堂
『万葉集事典』 中西進編                         講談社
『万葉を考える』  梅原猛 著                         新潮社
『万葉の大和路』 中西進 著                          ウェッジ選書
『古代語を読む』 古代語誌刊行会編                  桜楓社
『日本のスミレ』 いがりまさし著                      山と渓谷社
『野草』 平野隆久 著                       永岡書店
『花の万葉秀歌』 中西進 山と渓谷社
『万葉集の植物』 吉野正美 偕成社
『万葉の植物』 豊穣編 西川簾行 奈良新聞社
『万葉の植物』 陽春編 西川簾行 奈良新聞社
『柳宗民の雑草ノオト』 柳宗民 毎日新聞社
『万葉植物文化誌』 木下武司 八坂書房
『万葉植物の検索』 高樋 龍一 近代文化社
『野草』見分けのポイント図鑑 畔柳忠三郎他 講談社
『樹木』見分けのポイント図鑑 畔柳忠三郎他 講談社
『気になる木が分る本』 将正之 廣済堂出版
『万葉四季の花』 入江大泰吉 佼成出版社
『万葉の植物に寄せて』 角海武 落合書店
『俳句でつかう季語の植物図鑑』 遠藤若狭男 山川出版社
『天然染料の科学』 青木正明 B&Tブックス 日刊工業新聞社
     
『萬葉の時代』 北山茂夫 著                        岩波書店
『万葉秀歌』上・下 斎藤茂吉 著                      岩波書店
『柿本人麻呂』日本詩人選 中西進 筑摩書房
『高市黒人・山部赤人』日本詩人選 池田弥三郎 筑摩書房
『記紀歌謡』日本詩人選 増田勝美 筑摩書房
『閉ざされた言語・日本語の世界』 鈴木孝夫 著                        岩波書店
『古代日本語の謎』 江上波夫・大野晋 編                  毎日新聞社
『黄泉の王』 梅原猛 著                         新潮社
『万葉の人びと』 犬養孝 著                         新潮文庫
『日本語はどのようにつくられたか』 安本美典 著                     福武書店
『万葉の心』 中西進 著                                            毎日新聞社
『日本語の歴史』 山口仲美著 岩波新書
『古代人の暮らしを探る』 渡辺誠 ほか著 福武書店
『神話から見た古代人の世界』 吉田敦彦 著 福武書店
『日本人の心を探る』 鈴木公男 ほか著 福武書店
『壬申に飛ぶ』 玉城妙子 読売新聞社
『日本の女王時代』 藤原善雄 光風社
『飛鳥王朝と古代豪族』 渡辺栄三郎 新人物往来社
『天平の三姉妹』 遠山美都夫 中公新書
『海人と天皇』 上 下 梅原猛 朝日新聞社
『懐風藻』 その他 日本古典文学体系69 岩波書店
『万葉集』歌のはじまり ちくま新書 古橋信孝
『万葉集入門』 筑摩書房 土屋文明
『會津八一全集』第4・第5巻 會津八一 中央公論社
『万葉の恋愛生活』 恋歌を読む 古橋信孝 NHKブックス
『からくり読み解き古事記』 山田永 小学館
『飛鳥と奈良』 上田正昭他 世界文化社
『古代を考える 飛鳥』 井上光貞 門脇禎二 吉川弘文館
『万葉集』 坂本勝 青春出版社
『持統天皇と藤原不比等』 土橋寛 中公新書
『日本書紀』   中央公論社
『万葉の旅』 清川妙ほか 日本交通公社出版事業部
『采女』 門脇禎二 中公新書
『壬申の乱』 遠山美都男 中公新書
『万葉の世界』 中西進  中公新書
『古事記 日本書紀』 島崎晋 廣済堂出版
『舞い降りた天皇』上・下 加治将一 祥伝社
『人物日本の歴史』 2天平の明暗 上田正昭 他 小学館
『人物日本の歴史』 1飛鳥の悲歌 和歌森太郎他 小学館
『古代日本と朝鮮』 司馬遼太郎他 中央公論社
『陰陽で読み解く日本のしきたり』 大峡儷三 PHP研究所
『古代日本 文字の来た道』 平川南 他 大修館書店
『日本古代食事典』 永山久夫 東洋書林
『古代日本の文字世界』 平川南 他 大修館書店
『岩波講座 日本語 音韻』 大野晋 柴田武  岩波書店
『大伴家持大事典』 小野寛 笠間書院
『私の万葉集』 1 2 3 4 5 大岡信 講談社現代新書
『万葉の秀歌』上・下 中西進  講談社現代新書
『大伴家持』 山本健吉 筑摩書房
『古典の発見』 梅原猛 講談社
『万葉集』の読み方 松尾光編 新人物往来社
日本の美と文化『飛鳥と万葉』 講談社 直木孝次郎 他
日本の美と文化『大仏と正倉院』 講談社  杉山次郎 他
『草木染事典』 東京堂出版  山崎青樹 
『日本人の愛したことば』 東京書籍 中西 進
『精選 折々のうた』 上 中 下 朝日新聞社 大岡信
『台湾万葉集』 孤蓬万里 集英社
『万葉集入門』 神野志隆光 平凡社
『日本語の歴史』 山口仲美  岩波新書
『馬場あき子全集11 エッセイ』 馬場あき子 三一書房
『新潮古典文学アルバム 万葉集』 森淳司 俵万智 新潮社
『新潮古典文学アルバム 古事記・日本書紀』 神野志隆光 大庭みな子 新潮社
『本当は怖い古事記』 古銀剛 学研
『古代の知恵を発掘する』 戸沢充則 福武書店
『遊仙窟』 張文成 岩波文庫
『露伴随筆集』考証編 寺田徹編 岩波文庫
日本詩人選 『柿本人麻呂』 中西進  筑摩書房
『日本の神話1 天地創成』 伊藤清司 松前健 ぎょうせい
『日本の神話2 葦原中国』  〃 ぎょうせい
『日本の神話3 天孫降臨』  〃 ぎょうせい
『日本の神話4 神武東征』  〃  ぎょうせい
『日本の神話5 倭建命』  〃  ぎょうせい
『日本の神話6 風土記』  〃  ぎょうせい
『日本の名随筆 万葉』1.2.3 中西進編 作品社
『私の日本古代史』 上 下 上田正昭 新潮選書
『魂の古代学』 上野誠 新潮選書
『万葉びとの奈良』 上野誠 新潮選書
『悲劇の宰相 長屋王』 辰巳正明 講談社新書
『古代日本の超技術』 志村史夫  講談社ブルーバックス
『法隆寺を支えた木』 西岡常一 小原二郎 NHKブックス
『日本神話の深層心理』 吉田敦彦 大和書房
『天皇たちの和歌』 谷知子 角川選書
『万葉集を旅する』 洋泉社 新谷秀夫
『万葉集読本』 上野正比古 角川学芸出版
『敗者の古代史』 森浩一 中経出版
『大友家持』 鉄野昌弘 創元社
『気候で読み解く日本の歴史』 田家康 日本経済新聞社
『万葉びとの暮らしと生きざま』 渡辺康則 大空出版
『万葉の山旅』 楠目高明 草思社
『古事記』日本文学全集1 池澤夏樹訳 河出書房新社 
『口訳万葉集』 折口信夫 河出書房新社
『皇子たちの悲劇』 倉本一弘 角川選書
『万葉集原論』 中西進 講談社学術文庫
『卒寿の自画像』 中西進 東京書籍
『折口信夫「まれびと」の発見 上野誠 幻冬舎
     

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