万葉の植物 つきくさ を詠んだ歌 2011.7.19 更新 |
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![]() ツユクサ科の一年草。花期は夏至のころから8月。道端などどこでも群れて咲く花ですね。 日の出とともに青い花を咲かせる様子は夏の朝にふさわしいもの。 朝早く咲いてその日の午後にはしぼんでしまう半日花です。 露のようにはかない命だから、それとも夏の朝の露と共に咲くからツユクサの名前が付けられた? 写真では見えませんが、2枚の苞葉にはまされるように花を付けます。花びらは3枚。 苞葉につぼみが2〜3個包まれているので、次々に花を咲かせているように見えます。 万葉の時代から、花汁を染色に利用されました。着き草、搗き草の名前はこれからきています。 ツユクサの青い色は、アントシアン系の色素で、すぐに脱色します。 月草で摺り染めにした着物は、水で色が落ち易いことから、人の心変わりにたとえたり、この世のはかない命に喩えたりされました。 友禅染めの下絵を描くのに現在も使われているようです。 ツユクサの不思議な受粉方法 ----- 子孫を残すために3段階の受粉の仕組みを持ちます。 ・ つぼみの時点で自家受粉する。 ・ 開花した後、他家受粉(受粉を媒介する昆虫など)する。 ・ さらに、念を入れてその後自家受粉し、早々と花びらを閉じてしまう。 万葉集には9首に登場。 |
![]() (作者は大伴家持の従妹。大伴坂上郎女の長女、後に家持の妻になります。この歌は母・大伴坂上郎女の代作。いずれの世も歌作の得意でない人も存在したようですね。歌で築く交友関係が大切なこの時代でした。不調法な私には、母の才能を受け継がなかった長女の哀しさがよく理解できます。) ![]() ![]() (「草に寄す」という小題がついています。心変わりしやすい人だとのうわさを聞く女性の心の重さはいずれの時代も同じ) ![]() ![]() ![]() (「朝咲き夕は消ぬる月草の」は、「消ぬべき」の序詞。移ろい易い人の心の哀しさよ。歌のリズムは軽やかなのに。) ![]() ![]() ![]() |