万葉の植物  まめ   を詠んだ歌
                               2011.10.6 更新

 

    
    ヤブマメ                     ヤブツルアズキ
 


ツルマメ
 


   
まめ (万葉表記  麻米)     野生のマメ類 (マメ科)  ヤブマメ ヤブツルアズキ ツルマメ など。

豆は円実(まるみ)から。
「豆」と言えば代表的なのは「大豆」でしょうか。豆腐、味噌、醤油などの原料だなど、言わずもがなですね。
大豆の原種は蔓性の野豆。大豆は古くから人間の大切な食糧で、弥生時代に中国から日本に渡来したと考えられます。
万葉集に詠まれた豆は野生のもの で、種類を特定できませんが、現在野原で見かける野豆をご紹介します。どれも豆らしい蝶花を咲かせ野原を彩ります。ありふれていますが、きれいで可愛らしい花でしょう。
特にヤブマメは食用豆として古代から利用されてきました。
ヤブマメは、地下に閉鎖花を咲かせ、実った豆は大豆より大きく、そのまま茹でたり炒ったりして食べられます。

  道の辺の 茨のうれに延ほ豆の からまる君をはかれか行かむ    (上総国天羽郡) 丈部鳥  巻 20-4352
 
 (天平勝宝7年(755年)2月9日に、上総國の役人・茨田連沙弥麻呂が進上したとされる歌の一つ。
 上総國の防人(さきもり)に選ばれた丈部鳥が、妻との別れを詠んだ歌。
防人の任期は3年。しかしこれを守られることは少なく、旅程の厳しさからこの世の別れとなることもありました。手を絡め、すがりつき
「行かないで」と叫ぶ妻の痛々しい姿が見えるようです。)