万葉の植物 いちし を詠んだ歌 2011.10.2 更新 |
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いちし (万葉表記
壱師 ) いったい万葉に歌われた「いちし」は上掲のどの花に当たるのか? クサイチゴ説 イチシとはいちじるしの意味。このクサイチゴの純白の花は5弁で、道端の雑草のなかで一段と目立つ花。いちしこ → いちごか。春の白い花も、5月の赤い実も緑の中に補い合う色で初夏を彩る草本状の木本。
エゴノキ説 ギシギシ説 (スイバ説) ヒガンバナ説
さて、あなたはどの説を支持しますか。 |
道の辺のいちしの花のいちしろく人皆知りぬ我が恋妻は 柿本人麻呂歌集 巻11-2480 或本歌曰 いちしろく 人知りにけり 継ぎてし念へば (寄物陳思の歌。イチシの花に託して恋する気持ちを表現する --- 物に寄せて心を陳べる。詠み人の心を慮ってみるとこの花がどの花に当たるのか分かるかもしれない、というほのかな期待を抱きました 。)
「いちしろく」をどのように考えるか。 「いちしろく」 とは。 明るい、輝く、はっきりと、明白に、明らかに外に出る、目立つ。 いずれかの説を採って、この歌を味わってみるのも一興です。 |