万葉の植物 あへたちばな  を詠んだ歌
                                                                                                                                                     2012.12.14 更新

 

      
      ユズ                             クネンボ (於ネパール)


   あへたちばな
 (万葉表記 阿部橘 )   クネンボ、ダイダイ、タチバナ、ユズなどのミカン科の植物の総称  

あへたちばなとは何か。「あべたちばな」という植物。
「あべ+たちばな」とする考え方。この2つの考え方があります。
どの植物にあたるのかを突き止めてみたいとも思いますが、ミカン科の常緑小高木で、日本では秋に黄橙色の実が稔る、と考えて歌を鑑賞することにしましょう。

ただし、クネンボが日本に伝来したのは、室町時代という説もあります。

 我妹子に逢はず久しもうましもの安倍橘の生すまでに  作者不詳 巻17-2750

  (恋しい彼女に長いこと会っていない・・・。 あのおいしいあへ橘に苔が生えるくらい長い間。寄物陳思の歌。集中あへたちばなを詠んだ歌はこの1首のみ。)