万葉の植物 すみれ を詠んだ歌 2011.4.26 更新 |
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すみれ (万葉表記
須美礼 菫) スミレ (スミレ科)
スミレの語源は「墨入れ」からとされ、大工道具の墨壷↓に見立てたと言われています。
日本には200種あまりのスミレがあり、その見分け方には、 山路来て なにやらゆかし 菫草 芭蕉
菫程な 小さき人に 生まれたし 漱石
しかし、菫の繁殖作戦はしたたか。 閉鎖花を付ける、蟻の好むエライオソームを種に付けて運んでもらう。 |
春の野に すみれ摘みにと来し我れぞ 野をなつかしみ一夜寝にける 山部赤人 巻8-1424 (赤人の菫、家持の桃、人麻呂の浜木綿。自然の中に在る詩人赤人は、「官」に対する「野」を懐かしんだか。 野の息吹に魅せられて、自然の中でやすらったのか。あるいは、この野とは、鄙に在る娘子のことか。)
山吹の 咲きたる野辺のつほすみれ この春の雨に盛りなりけり
高田女王 巻8-1444
茅花抜く 浅茅が原のつほすみれ 今盛りなり我が恋ふらくは
大伴田村家大嬢 巻8-1449 おおきみの 命かしこみあしひきの 山野さはらず....... (長歌) 大伴池主 巻17- 3973 墨壷 |