万葉の植物 けい を詠んだ歌 2012.6.28更新 |
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けい (万葉表記
葸 ) シラン (ラン科) シランは本州、四国、九州の日当たりの良い、湿った野や湿原に自生する 多年草。花期は初夏。那須では6月中旬にその紅紫色の花が各家の庭先で見られます。別名紅蘭。稀に白花のものもある --- その白花種を裏庭に植えてみましたが、残念、全滅の憂き目に。紫蘭が白い、これをシロバナシランと呼びます。春早く咲くシュンラン、エビネ類の5月が過ぎ、このシランが咲き乱れる6月は、夏到来の喜びが満ちる月です。 元来は球根植物で、移植のため掘り上げると、生姜の球塊を小ぶりにしたような扁球状の球根があり、球根は白及根(はくきゅうこん)と呼ばれる薬用 植物。またすり下ろして澱粉を糊としても用いられました。 |
天平19年(747年)、越中国守時代の大伴家持は、前年からの風邪をこじらせて肺炎に罹り、死をも覚悟しました。ようやく回復の途についた2月、かねての親友で歌友でもある同族の大伴池主に手紙と歌を送ります。 春の花 今は盛りに にほふらむ 折りてかざさむ 手力もがも 大伴家持 巻17−3965 大伴池主は、直ちに返事を送ります。 忽に 芳音を辱くし ----- 蘭尅pを隔て 琴雛pゐるところなし--- 以下略 |