卯の花のともにし鳴けば霍公鳥いやめづらしも名告り鳴くなへ 大伴家持 巻18-4091
卯の花の咲き散る岡ゆ霍公鳥鳴きてさ渡る君は聞きつや 作者不詳 巻10-1976
春されば卯の花ぐたし我が越えし妹が垣間は荒れにけるかも
作者不詳 巻10-1899
卯の花を腐す長雨の始水に寄る木屑なす寄らむ子もがも
大伴家持 巻19-4217
鴬の通ふ垣根の卯の花の憂きことあれや君が来まさぬ
作者不詳 巻10-1988
霍公鳥鳴く峰の上の卯の花の憂きことあれや君が来まさぬ
小治田広耳 巻8-1501
五月山卯の花月夜霍公鳥聞けども飽かずまた鳴かぬかも
作者不詳 巻10-1953(
卯の花が咲き、月が美しい夜。ほととぎすの声はいくら聞いても飽きないものだ。また鳴かないものか。)
卯の花の散らまく惜しみ霍公鳥野に出で山に入り来鳴き響もす 作者不詳 巻10-1957
時ならず玉をぞ貫ける卯の花の五月を待たば久しくあるべみ
作者不詳 巻10-1975
(卯の花が枝に繋がって咲くのを「玉に貫く」と見立てた表現。)
佐伯山卯の花持ちし愛しきが手をし取りてば花は散るとも
作者不詳 巻10-1259
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