ささ (万葉表記 小竹 佐左 左左 )
ササ類 (イネ科)
「ささ」は小さいという意味。竹の仲間で小さいものの総称。
ミヤコザサ、アズマザサ、クマザサ、クスタケ、ヤダケ、メダケなど種類が多くて、特徴を見分けないと素人には弁別が難しい---。(頭をかかえています)
「ささ」は、ささめく、ささやくの「ささ」から来た---葉ずれてかすかな音を立てる草、という意見もありますが、私はこの見解に与したいですね。
林床に繁り、かすかな風に揺れてさわさわと音を立てている様子や、雉や野鳥が潜んでいる姿を思う時、「ささめく」という言葉がより身近になるのです。
笹の葉は、神の降臨するよりどころ。
古来、神前で神の心を慰め降臨を願う舞を巫女が舞いました。その手にあるのは笹。『古事記』に「天宇受売命(あめのうずめのみこと)が天の香具山の小竹葉を束ねて」とあるように、神が憑依した印に、笹を手に持ちます。
神前に奉納する歌舞を神楽(かぐら)と言い、神にこちらに降りていただくために、楽人が持つのが笹であり篠でした。ササを神楽と表記することがあるのもこのことからでしょう。では、タケとササの違いは?
筍が生長し、皮を落とすのがタケ。枯れるまで皮を付けているのがササ。
富山の鱒寿司に使われているように(クマザサ)防腐作用もあります。今日、1月23日は奈良南都7寺のうち、大安寺で笹酒祭りが行われているはずです。
竹の杯で酒をいただき、健康長寿とガン封じを願う祭り「光仁会(こうにんえ)」は、初春の行事とはいえこの寒さのなか、大勢の人を集めていることでしょう。
奈良時代、大安寺で後の光仁天皇(天智天皇の孫の白壁王・志貴皇子の息子)が、竹に酒をいれ温めて飲み、健康を願ったという故事にちなみます。白壁王は62歳で開運し皇位に付きました。 (林間煖酒焼紅葉をそのまま実行したのですね。お酒を飲むのは人生の楽しみのひとつ。それ知らない私はただ羨ましいばかり)
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