万葉の植物 ささ を詠んだ歌 2011.1.23 更新 |
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ささ (万葉表記 小竹 佐左 左左 ) ササ類 (イネ科)
「ささ」は小さいという意味。竹の仲間で小さいものの総称。 |
笹の葉は み山もさやにさやげども 我れは妹思ふ別れ来ぬれば 柿本人麻呂 巻2-0133 (笹の葉のさやぎには神の霊が宿ります。神の世界に属している石見の山を越え来て、妻への思慕の思いが募ります。このサ行音の繰り返しに爽やかさを感じますね) はなはだも 夜更けてな行き道の辺の 斎笹の上に霜の降る夜を 作者不詳 巻10-2336 (聖なる葉=斎笹・ゆざさ) 笹の葉に はだれ降り覆ひ消なばかも 忘れむと言へばまして思ほゆ 作者不詳 巻10-2337 馬来田の 嶺ろの笹葉の露霜の濡れて 我来なば汝は恋ふばぞも 東歌 巻14-3382 笹が葉の さやぐ霜夜に七重着る 衣に増せる子ろが肌はも 防人の歌 巻20-4431 (妻の肌の素晴らしさを、霜に濡れた笹の葉になぞらえる。この発想の素朴さ) ああ、今ひとつ悩んでいることがあります。 |