万葉の植物 みつながしは を詠んだ歌 2012.11.18 更新 |
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みつながしは(万葉表記 御綱葉 ) カクレミノ (ウコギ科)、オオタニワタリ (チャセンシダ科) ミツナガシワはミツノカシハから。三角葉(ミツノカシワ)。 豊明、神供などで酒肴を盛る葉」のこと。豊明(とよのあかり)とは、宮中で催される宴会、酒宴。 ミツナガシワが現在のどの植物にあたるか、二説あります。
カクレミノ説(これが有力です) カシワという表現について; |
まず、巻2-85に磐姫皇后の歌として、次の歌が載せられています。磐姫は大和朝廷を支えた大豪族葛城氏の出身。 君が行き日長くなりぬ山尋ね迎へか行かむ待ちにか待たむ (山上憶良の類従歌林に載せられた歌。夫である仁徳天皇を慕う心を詠みました。)
同じく巻2-90に (あなたがお出かけになってから日も長く経った。山たづのように迎えに行こうか。待つにはもう待つまい。 )
題辞として
柏は聖木で、葉は天皇の祭祀に使われます。磐姫皇后が柏の葉
熊野まで取りに行ったのは、天皇の祭祀を助けるためで、『礼記』では天子の祭祀に皇后が菜を取るのは、天子を助けること。夫唱婦随を人々に示す
ためだと伝わります。
最後に皇后が那羅山を越えて、葛城を望んだ時、作った歌。 ミツナガシワを詠んだ歌は、山上憶良の『類従歌林』では磐姫皇后作として、『古事記』では衣通王作と伝わります。 |