万葉の植物  しりくさ  を詠んだ歌
                              2012.12.20 更新           

 

   
          サンカクイ              これは カヤツリグサ


   しりくさ
 (万葉表記  知草 三角藺 )   サンカクイ (カヤツリグサ科)

池や沼の淡水の湿地に生える多年草。地下茎の節から茎を伸ばし群落を作ります。条件によって生育する高さは違いがありますが、50センチから1メートル。断面が三角なのでサンカクイ。花の時期は夏から秋にかけて。花は小穂。その姿から恋の悲しい思いを象徴するか?
藺」とありますが、カヤツリグサ科の植物 。知り=尻という説も。サギ類の尻を刺すことから。

  湖葦に交じれる草のしり草の人皆知りぬ我が下思ひは   柿本人麻呂歌集 巻11-2468

(湖とは、近江の湖(琵琶湖)を指します。葦が枯れて横たわっている、その葦の間からサンカクイがひっそりと芽を伸ばす。シリクサの「知り」が「知られる」に通じ、ひっそりとした恋の思いがこの芽吹きに重なります。ああ、この恋する思いを人に知られてしまった---。)