万葉の植物  はくやう    を詠んだ歌
                                2012.7.8 更新

 

       


   
はくやう (万葉表記  白楊 )   ヤマナラシ(ヤナギ科) ハコヤナギ属 属名はPopulus 

日本全国に分布する落葉の高木。写真で分かるように「日本のポプラ」です。対して校庭などに植えられているのは、「西洋ポプラ」。ヤマナラシはヤナギの仲間で、雄花はまるでネコヤナギの花のよう に垂れ下がります。
初夏5月、この綿毛が風に吹かれる様子はまるで「柳絮(りゅうじょ)飛ぶ」。
裏庭に小さい芽が発芽したのはつい5年ほど前のことでした。それが今や日当たりを求めて見上げるほどの高さにまで生長しています。
ポプラの仲間は長い葉柄と広い葉を持ち、風に吹かれると葉全体をしならせてなびきます。その様子から「ヤマナラシ・山鳴らし」という和名が付きました。

別名は箱楊(ハコヤナギ)。この木で扇の箱を作ったことに由来します。雌雄別株。生長の早さから街路樹に利用され、材は柔らかく加工しやすいので経木やマッチの軸木に使われます。

 ---隴上の 青松は 空しく信剣を懸け 野中の白楊は但に悲風に吹かる ---  (長歌) 
                    山上憶良  巻5 俗道仮合詩序

  (山上憶良の漢籍の知識が存分に発揮された文章。漢詩を日本語に訳した長歌を詠むと、精神統一して正座し、墨をたっぷりつけおもむろに筆を動かす憶良の姿が目に浮かびます。憶良は渡来人だとの説があります。諾えます)