万葉の植物 あをな を詠んだ歌 2012.5.11 更新 |
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あをな(万葉表記 弦菁) カブ (アブラナ科) 緑色をした葉菜類の総称 攝 あをなとは蕪を言うと諸本に記述があります。『万葉集』には「弦菁」と表記があり、これをあをなと読ませています。あをなはアブラナ科の葉菜類の総称と考えられます。 古代、副食としてあをなは大切なものでした。なにしろアブラナ科の植物ですから、発芽し易い生長も早い。こぼれ種で殖える。 ---いいことだらけ。 蕪といえば上の写真のような地下の丸い部分だけを食するのではなく、上部の葉菜の部分も当然食しました。 原種はナタネに似たもの。日本へは中国から渡来し、万葉の時代には重要な野菜でした。その姿から「くくたち・茎立菜」とも呼ばれました。 茎立菜とは茎が立つ菜の総称。アブラナ、カブ、タカナなどを言います。現在品種改良がなされ立派な蕪となっていますが、古代は地上部を食用とする右写真のようなものだったと考えられます。 |
食薦敷き 蔓菁煮待ち来梁に 行騰かけて息むこの君 長意吉麻呂 巻16-3825
(すごもしき あをな煮持ち こうつほりに むかはぎ掛けて 休むこの君) こう読みます。難しいですね。 この方法で詠まれた歌は、巻16に多く見つけられます。 春の七草とは: |