万葉の植物  ももよぐさ   を詠んだ歌
                            2012.5.10 更新             

 

         
            ヨモギ (キク科)                   ツユクサ (ツユクサ科)          

     
     ノジグク  (キク科)                 リュウノウギク (キク科)      


   
ももよぐさ  (万葉表記  母母餘具左)     ヨモギ ツユクサ ノジギク リュウノウギクなど。

ももよぐさが現在のどの植物にあたるか、諸説あります。ここでは主なものを挙げてみました。
ノジギクとリュウノウギクのみかけは良く似ていますが。、ノジギクの葉の基部は水平、で、 リュウノウギクはくさび型 という違いがあります。
個人的には、おそらく貧しかったであろう作者の生家の裏に生えるモモヨグサは、薬草としても有用なヨモギだと思いたいのですが、どうでしょう?

  父母が 殿の後方のももよ草 百代いでませ我が来るまで   生玉部足国  巻20-4326

     ( 防人として九州へ向かう作者が父母を思い長寿を願う心を詠んでいます。深い思いが伝わります。
     野原に咲くモモヨグサの生命力を、両親への愛情に重ねたこの作者の、素朴な心に打たれます。

     今回、この「ももよぐさ」について調べていたら、次のような中国での伝説があることを知りました。
     ”菊の花から滴る露を飲み、700歳あまりまで生きたといわれ「菊滋童(きくじどう)という人物がいた。”

     現在の菊は、万葉の時代からずっと下った時代に中国から伝わったものです。