万葉の植物  おおゐぐさ  を詠んだ歌
                               2011.9.22 更新          

 

          写真は沼原湿原(1230m)


   
おお ゐぐさ (万葉表記   於保為具左)      フトイ  太藺   ( カヤツリグサ科)

フトイという名前は茎が太い藺草(いぐさ)から。水辺や池・沼に群生する多年草です。写真は標高がある沼で撮影した個体なので1メートルくらいの高さでしたが、時に2メートルにもなることがあります。
横に這った地下茎から茎を直立させ広がります。葉は退化し、鞘だけになっていて花とも言えないような花を咲かせます。
庭の植え込みに使われているのを見かけることがあるように、水の浄化に役立つようです。
 
集中1首

  上つ毛野 伊奈良の沼の大藺草 外に見しよは今こそ勝れ      柿本人麻呂歌集   14- 3417 

(上つ毛野は現在の群馬県。東歌の1首。遠くで見ていた時よりも、こうやって身近に会うあなたはもっと素晴らしい。この地味な花と比較するのですから、作者は堅実な人柄なのでしょう。)