万葉の植物  つちはり  を詠んだ歌
                                    2012.11.7更新

 

              

   つちはり (万葉表記  土針 )    メハジキ (シソ科)

全国に自生する多年草。茎はシソ科特有の4角。草丈は50から100センチ。夏から秋にかけ、葉腋に唇形の淡い赤紫色の花を付けます。
別名益母草。漢方では止血、強壮、利尿剤として使われます。
メハジキ・目弾き・めはじき。子供がこの茎を切って目を開かせる遊びに使ったことから、メハジキの名が付いた、とありますが、長い間子供をやってきた私も、いっかなそのような経験がありません。不思議です。

  わが屋前に生ふる土針心ゆも想はぬ人の衣に摺らゆな  作者不詳 巻7-1338
(譬喩歌。土針に寄せて娘への思いを詠んだ歌。自分の心に忠実に、心に染まぬ結婚はするな。衣を染めることは、すなわち結婚すること。堅い契りを表現します。)