万葉の植物 みくさ  を詠んだ歌
                            2012.9.23 更新             

 

       
 チガヤ                    ススキ               アシ


   
みくさ (万葉表記  美草)   ススキなど屋根を葺く草の総称

ここで「み草」は屋根を葺(ふ)く、尾花・菅(すげ)・茅(ちがや)などのことをいいます
みくさとは、美称の「み」を草の上に被せた詞。屋根を葺くのに適当な草を讃えた言い方。

皇極天皇代 額田王の歌 未詳
 
秋の野のみ草刈り葺き宿れりし宇治の宮処の仮廬(かりほ)し思ほゆ     額田王 巻1-7

 (秋の野の 、み草を刈って屋根を葺いて、仮小屋を建てて旅寝した宇治の宮処 ガ思い出される。--- 題詞に未詳とありますが、これは額田王の作と伝わるが確実ではないという意味。
『万葉集』の左注に『類聚歌林』(山上憶良)からの引用があり、「大化四年(648)、近江比良宮行幸の時の皇極上皇(斉明天皇)御製とする 」とあります。従って、時代的にも額田王の作ではなくて、皇極上皇が夫舒明天皇と共に行幸した時の歌と考えられます。ほかにもこのように、記録された歌が額田王の作であるという例があるようです。