サザンウッド     

  よもぎ ← セイヨウカワラニンジン Southernwood 
                  (Artemisia abrotanum)   キク科ヨモギ属

南ヨーロッパ原産の多年草。強い香りを持ちます。
殺菌作用がありるので、コンパニオンプランツとして他種の植物と一緒に植えると効果的。

* 2014.7.1 テレビ東京「ガイアの夜明け」で放映された内容:
このセイヨウカワラニンジンを絞った液を、柑橘類の表皮に塗ると、その殺菌作用から長期間保存可能できると放映されました。
属名のアルテミシアはギリシャ神話の月の女神の名前にちなみます。
その銀緑色の葉の美しさから、花壇に利用され、殺菌作用があることから、衣類の虫除けとして有用。
おそらくミセス・バリーはハーブとしての役目もさることながら、虫除け剤として利用したのではないでしょうか。染色材料やハーブティーとして利用したかもしれません。婦人病に効果があるともされています。
日本では同属の植物は、草もちの材料になるヨモギなど。
 

 (バリー家の庭に咲いていたのは)バラ色のブリーディング・ハーツ、真紅のすばらしく大輪の牡丹、白くかぐわしい水仙や、棘のある、やさしいスコッチ・ローズ、ピンクや青や白のおだまきや、よもぎ(clumps of southernwood)や、リボン草や、はっかの茂み、きゃしゃな、白い羽根のような葉茎を見せているクローバーの花床、つんとすましかえったじゃこう草prim white musk-flowersの上には、燃えるような緋色の花が真っ赤な槍をふるっている……            
                『赤毛のアン』 第12章  おごそかな誓い

の部分の原文は:
There were rosy bleeding-hearts and great splendid crimson peonies; white, fragrant narcissi and thorny, sweet Scotch roses; pink and blue and white columbines and lilac-tinted Bouncing Bets; clumps of southernwood and ribbon grass and mint; purple Adam-and-Eve, daffodils, and masses of sweet clover white with its delicate, fragrant, feathery sprays; scarlet lightning that shot its fiery lances over prim white musk-flowers; a garden it was where sunshine lingered and bees hummed, and winds, beguiled into loitering, purred and rustled

lilac-tinted Bouncing Bets」と「purple Adam-and-Eve」 が訳出されていません。
他のページで見ることにします。
 

 

  左は日本のヨモギ
    (草餅に使われます)

  右はサザンウッド
     (西洋のハーブ) 

村岡訳では「ヨモギ」と訳出され、松本侑子訳ではそのまま「サザンウッド」と訳されています。
ちなみに、同種のワームウッドは「ニガヨモギ」のこと。
そもそも、当時も今もある植物を日本名で呼ぶことには難しさが伴います。
訳すことが無理。この側面があることを忘れてはいけないのです。
名前と植物が結びつく・・・根底にあるのは、生活の息吹き。それはすぐれて文化そのもの。