ぼたんか しゃくやく か
シャクヤク
Peony (Paeonia lactiflora) (ボタン科ボタン属) 草本
多年草で、高さ60センチ程度。日当たりと肥えた土地を好み、春一番に花芽を付けた紅色の花茎を伸ばすさまは、春を待ちかねる心と重なって嬉しいもの。花色もさまざま。
ボタン (Paeonia
suffruticosa)は、落葉低木。木本。 |
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ばら色のブリーディング・ハーツ、真紅の素晴らしく大輪の牡丹(splendid crimson peonies)、白くかぐわしい水仙や、棘のある、やさしいスコッチ・ローズ、ピンクや青や白のおだまき草や、よもぎや、リボン草や、はっかの茂み、きゃしゃな、白い羽根のような葉茎を見せているクローバーの花床、つんとすましかえったじゃこう草の上には、燃えるような緋色の花が真っ赤な槍をふるっている、といったぐあいで・・・ 『赤毛のアン』第12章 おごそかな誓い
((There
were rosy bleeding-hearts and great splendid crimson peonies; white,
fragrant narcissi and thorny, sweet Scotch roses; pink and blue and
white columbines and lilac-tinted Bouncing Bets; clumps of
southernwood and ribbon grass and mint; purple Adam-and-Eve,
daffodils, and masses of sweet clover white with its delicate,
fragrant, feathery sprays; scarlet lightning that shot its fiery
lances over prim white musk-flowers; a garden it was where sunshine
lingered and bees hummed, and winds, beguiled into loitering, purred
and rustled.) |
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真紅の牡丹 (庭で) |
芍薬 (庭で) |
けれどなんだか---どうしてかわからないけれど、アンがあの子たちといっしょにいると、アンのほうが半分も美人じゃないのに、あの二人がありふれて、見劣りがするのはどういうものかねえ。いわば、赤いしゃくやく(red
peonies)とならんだ白水仙といったかんじですよね、まったくのところ」 (リンド夫人曰く) 『赤毛のアン』 第30章 クィーン学院の受験 (But somehow--I don't know how it is but when Anne and them are together, though she ain't half as handsome, she makes them look kind of common and overdone-- something like them white June lilies she calls narcissus alongside of the big, red peonies, that's what." ) |
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ところが、ここに疑問が一つ残ります。 |
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・・・・ただ、なんとなく、どうしてか知らないけれど、アンとあの二人が一緒にいると、アンのほうは半分も美人じゃないのに、あの二人がありふれた、つまんない娘に見えてくるのね。ふたりが白ズイセンなら、アンはさしずめ大輪の赤いシャクヤクといったところだね」。 第23章 |
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ああ、おお。と言うしかありません。感受性の違いでは済まないような気がします。 |
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