リボン草     

リボン草   Ribbon grass (Phalaris arundinacea var. picta)  イネ科クサヨシ属

その名の通り、リボンのような草。庭に植えて観賞される多年草。ヨシ・葦に姿かたちが似ていますが、背丈はずっと低く1メートルくらい。
写真のように緑の葉に白い縁取りが美しく、庭のあしらいにとても便利な草で、新芽から秋の終わりに上部が枯れるまで、葉の緑と白い縞が相まって、独特の風情をかもしだします。
風に揺れると、いかにも爽やかな印象。秋に茎の先にすらっとした細い花穂を付けます。
和名はシマヨシ、クサヨシ、オオカニツリ(大蟹吊り!)。

図鑑には、「葉を切ると、切り口に血のような赤い色が見られる」ことから「血草・ちぐさ」と呼ばれる、とありますが、そういう目で観察したことがありません。
見ても観ていないのが植物観察。
私の田舎では、「縞萱・しまがや・シマガヤ」と呼びならわし、子供のころ、この葉をうっかり触って指に切り傷を作ったものでした。
 


 
バリー家の庭に咲いていたのは)バラ色のブリーディング・ハーツ、真紅のすばらしく大輪の牡丹、白くかぐわしい水仙や、棘のある、やさしいスコッチ・ローズ、ピンクや青や白のおだまきや、よもぎや、リボン草(ribbon grass)や、はっかの茂み、きゃしゃな、白い羽根のような葉茎を見せているクローバーの花床、つんとすましかえったじゃこう草の上には、燃えるような緋色の花が真っ赤な槍をふるっている……                               『赤毛のアン』 第12章  おごそかな誓い

  ((There were rosy bleeding-hearts and great splendid crimson peonies; white, fragrant narcissi and thorny, sweet Scotch roses; pink and blue and white columbines and lilac-tinted Bouncing Bets; clumps of southernwood and ribbon grass and mint; purple Adam-and-Eve, daffodils, and masses of sweet clover white with its delicate, fragrant, feathery sprays; scarlet lightning that shot its fiery lances over prim white musk-flowers; a garden it was where sunshine lingered and bees hummed, and winds, beguiled into loitering, purred and rustled.)
 

    
    カナダ、バンクーバー スタンレー公園で 
  後ろは樅の木。                  

  
                
  
  
   私の庭で (しつこく増えます)
   抜いても抜いても抜いても・
・・ ∞
  
               

                

               

 背が高くなるので、 おそらくバリー家の庭では、花壇の後ろに植えられ、前面の花の色を引き立てる役目を果たしていたことでしょう。
一度植えると、地下茎を伸ばしどこまでもどこまでも増えていく草、そうして絶やすのが難しい草。

気に入った花がこのくらい元気なら---と嘆息する草。