白くかぐわしい水仙
![]() アンシリーズに描かれている植物についての探索を始めて5年あまりになります。冬の寒さの厳しい那須の暮らしが長くなるにつれ、春への希望を形にしたもの、明るさを象徴するものを心のうちに描きたくなってきました。私の場合それは水仙の白い花の姿をしていま す。
地中海沿岸を原産地とする房咲き水仙が日本に流れ着き「日本水仙(Narcissus tazetta))と呼ばれているように、北米に到達して性質が変化していったのが、アンシリーズに咲く同じ系統の
園芸種名「Paper
White」の白水仙。 (tazettaとは房咲きの意味)
蝋細工を思わせる花びらが光を反射し、あたりに馥郁とした香りが立ち込めます。ペーパーホワイト種の水仙はアンシリーズの中で一、二を争う香りが強く印象的な花です。
『赤毛のアン』には水仙が出てくる印象的なシーンがいくつかあります。 |
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島に受け入れられたアンの、コミュニティの一員となった喜びがこの白い花に象徴されています。それに理想的な庭とされているダイアナの庭にもこの水仙は当然のように咲き誇るのです。 |
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![]() 『赤毛のアン』 第37章 死のおとずれ |
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![]() では、アンが炉辺荘に植え込んだのは、どの色の水仙か、探ってみることにしました。
こうあるから、炉辺荘にアンは金色の水仙も植えたことが分かります。おそらく白水仙よりひと月開花が早い種類を。寒さ厳しい島の春には、周囲に先駆けて咲く金色の水仙以上の喜びは無いでしょうから。
しかしこの手紙の続きには、 「冬来たりなば春遠からじ」(If Winter comes, can Spring
be far behind?) コロナ禍の中で |