ジューンベル
ジューンベル Junebell →
Twinflower Linnaea borealis スイカズラ科リンネソウ属
1本の花茎の上に2花を付けることから英名はTwinflower。 和名はリンネソウ、メオトバナ。背が低く、見たところ草本のようにも見えますが常緑の背の低い木で、スプルースなどの針葉樹の下に群生し、茎は地面を這い、細かく枝分かれして繁殖します。 |
「・・・それで言ってやったのよ。『ああ、かわいそうにね。もし、お前たちが大きな大きな森にいて
、まわりにはぐるっとほかの木が立っていて、お前たちの根もとには、小さな苔や花(Junebells)がはえていたり、
枝では小鳥がうたっていたりしたら、お前たちも大きくなれるのにね・・・ 」 『赤毛のアン』 第2章 マシュゥ・クスバートの驚き
(I
used to say to them, `Oh, you poor little things! If you were
out in a great big woods with other trees all around you and little
mosses and Junebells growing over your roots and a brook not far
away and birds singing in you branches, you could grow, couldn't
you? ) |
アンは馬車に乗りながら孤児院の様子をマシューに語ります。 「小さな木が狭い場所に生えていて、大きな木になれそうにもない。その悲しさは私と同じよ」。 小さいころから樹木やJunebellsに心惹かれていたのです。 |
そのあたりに咲いていた花は、やさしくしおらしい無数の釣鐘草(June
bell )と去年の花の精にも似た青白いスターフラワーだけだった。 『赤毛のアン』 第9章 レイチェル・リンド夫人あきれかえる
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the only flowers there were myriads of delicate "June bells," those
shyest and sweetest of woodland blooms, and a few pale, aerial
starflowers, like the spirits of last year's blossoms.
) |
ジューンベルは、モンゴメリが名付けた名前。
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『果樹園のセレナーデ』のなかで、主人公エリックは、恋しく思うキルメニイにこう言っています。 |
カナダ ロッキーの山の中 マリーン湖畔 |
上の写真の、地を這う葉を見てください。スイカズラ科 だけあって、葉がスイカズラのそれにそっくり。 |
彼女は薄緑のセーターを着ており、髪の毛をリンネソウの細いつるで縛っていた。 『青い城』 谷口由美子訳 角川書店 (She wore a pale green sweater and had bound a fillet of linnaea vine about her hair. The feathery fountain of trailing spruce overflower her arms and fell around her. .) |
○ 行き合ひし かの夏の日のかがやきにリンネソウもてこの島包め (Ka) |