すいかずら
すいかずら Honeysuckle
( Lonicera スイカズラ科スイカズラ属)
すいかずらは日本名を忍冬。冬に半分葉を落とす、半常緑のツル性植物。秋に黒い実がなります。 手違いで女の子が送られてきた事実を質すため、マリラは海沿いに馬車を走らせるのでした。 |
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客間の窓にはすいかずらがからんでるし、前の庭にはライラックが植わっていて、門を入ったところにはすずらんが咲いていたに違いないと思うの。(lilies
of the valley) 『赤毛のアン』第5章 アンの身の上 (I think it must have had honeysuckle over the parlor window and lilacs in the front yard and lilies of the valley just inside the gate. ) |
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すいかずら、ライラック、すずらん。 この花々はアンの記憶を飾る花。なかでもすいかずらは、その絡む動作から、アンの何かに、どこかに属したい、自分が不安定な身分ではなく家族の一員でありたい・・・・その思いを具現するものだとの印象を受けるのです。 |
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イギリス・コッツウォルズのハニーストーンに
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日本のスイカズラ 忍冬 |
”Anne
gathered some sprays of pale-yellow honeysuckle and put them in her
hair. She liked the delicious hint of fragrance, as some aerial
benediction, above her every time she moved. ”
(アンは淡い黄色と白い花がまじりあって咲くすいかずらを摘んで髪に飾った。動くたびに、あたかも祝福が降り注ぐように、甘やかな香りが漂うのが好きだった ) (拙訳) |
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心のささえとなっていてアンが大学に進み、自分は一人取り残されるのかと悲観するマリラを力づけるシーンの背景に、甘い香りのスイカズラを選んだモンゴメリのセンスの素晴らしさ! ところが、なぜか。村岡訳にはこの部分が抜け落ちています。不思議なのです。 何らかの意思が働いたていると考えてみました。 ・・・・ 家族の大きな部分を閉めたマシュゥの死を「からむ」スイカズラを取り除くことによって表現したかったのか・・・ 心のうちをさらけ出すことのなかったマリラ。整合性を考え、この部分をを訳すことを逡巡したのか・・・・
この部分の 「pale-yellow honeysuckle 」は日本原産のスイカズラ(忍冬
・Japanese Honeysuckle
(Lonicera Japonica)。
幸福な忍冬もあるのです。 |
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( "The last Wednesday in August. They are to be married in the garden under the honeysuckle trellis. . .the very spot where Mr. Irving proposed to her twenty-five years ago. |
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スイカズラにはほかにも花が細い筒状で、花先が裂けてラッパ状になる代表的な品種があり、「Trumpet Honeysuckle 」と呼ばれます。(Trumpet honeysuckle(Lonicera sempervirens)) 原産地は北米。野生化したものが北米東部のあちこちで見られ、やはりツル性で日本原産のスイカズラと違い、常緑。熟した実は赤。写真のように花の色は外側が赤、内側が黄色味を帯びたピンク。 和名をツキヌキニンドウ(突抜忍冬)とも言います。葉が対生し、一番花に近い頂上の葉は連続していて、その葉の間から花茎が突き抜けているように見えることから。 下の写真はその花。わが家のトレリスに絡み付き初夏を謳歌中。 暑さ寒さに強く、生育旺盛、まことに強靭。 実は、あまり生長しないようにコントロールするのが大変。 |
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庭のトレリスに咲き上るスイカズラ (ツキヌキニンドウ・突抜忍冬) ○ 蜜色のひかりをまとふ夕まぐれたましひ括る黄のすいかずら (Ka) |
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