ヒイラギ    

  ヒイラギ    モチノキ科モチノキ属  別名セイヨウヒイラギモチ   Holly 

ヨーロッパ西部から南部にかけてや、アフリカ北西部、アジア南西部原産の常緑樹。
雌雄異株。従って雌木を植えないとあの赤い実は見られません。
赤い実が冬枯れの景色のなか美しく、今やクリスマスのシンボル。英語名のホーリー(Holly)はモチノキ属の総称でもあるので、普通は「European holly」、または「English holly」と呼ばれます。

和名の「ヒイラギ・柊・ひいらぎ」は、葉の先に付いている棘に触ると「ひりひり」と痛いことから。
樹齢が少ない時期は棘があり、老樹になるとともに、葉は丸くなってきます。
老成したのか?人間もかくあれかし、でしょう。
 

  「一年は本のようなものね。マリラ。春のページはさんざしとすみれに書かれているし、夏はばらに、秋はのもみじ葉に、冬はひいらぎと常緑樹にね」
              『アンの愛情』 第22章  アン、グリーン・ゲイブルスへ帰る

"The year is a book, isn't it, Marilla? Spring's pages are written in Mayflowers and violets, summer's in roses, autumn's in red maple leaves, and winter in holly and evergreen." )
 


 

幸いにして我が家のヒイラギは雌木なので、どっさり実を付けています。添付した写真を撮るのにうっかり近づくと、鋭い棘に刺されました。いったい誰に対して敵意を持っているのか?
葉は互生するので、良く似ているモクセイ科の日本のヒイラギと区別がつきます。
物の本には、「実はとても苦いので、鳥害に合わない」とありますが、庭のヒイラギは赤くなり次第鳥の餌になっているのですが・・・。
犯人は悪食のムクドリさんたち。
 
 
常緑樹で赤い実を付ける・・・ これは生命力の象徴でしょう。

キリスト教では、キリストの足元から初めて生えた、棘のある葉や赤い実はキリストの流した血と苦悩を表す、花はイエスの生誕を、にがい樹皮はキリストの受難を表す、といったことから別名の「聖なる木」とも呼ばれるようです。

 
ヨーロッパで も古くから聖木とされ、古代ローマでは、大騒ぎと社会的な逆転を楽しむサートゥルナーリア祭(農神祭)で、このセイヨウヒイラギの枝を添えて贈り物をしました。

また、常磐木で生命力が強いことからセイヨウヒイラギには魔力があるとされ、同じように魔除けの力があると信じられているアイビーとともに、クリスマスの飾り付けに用いられます。
花言葉は用心深さ、剛直。