『わが小園』を読んで  友人から第五歌集を謹呈された   著者室:室井忠雄氏 表紙絵:松原賢氏

『わが小園』を拝読して
怒涛の行事が続き秋をむやみに消費してしまいました。雑念に惑わされないように神棚に上げていた『わが小園』を手に取ったのは、ようやく師走に入ってからでした。

15 年ほど昔になりますか、新そばを打つ会が柏林公民館でありました。そのおりに室井さんに出会い、お詠みになった歌との印象の違いに驚き、 第一巻の『天使の分け前』の中の歌のなかで、その場で暗誦した歌が、
 ・父さんの財布とその仲間たち乾されてありぬものほしざおに
 ・りんごをただでもらってくるには三十分の講釈を聞かねばならぬ
 ・トイレの黄なる消臭ボールに尿かけて小さくしようとがんばるこころ
           第一歌集『天使のわけまえ』より。  この歌の選択には笑えますね。

あの日に室井さんに出会っていなければ、今はありませんでした。不思議なご縁です。
謹呈本としていただいた『わが小園』。「こぞの」と読むのか「しょうえん」なのか、それとも茂吉に倣って読みくだし「ちさきその」と呼べばいいのか。迷いました。はたして?読者をけむに巻く手練れの室井さんです。


 左が『わが小園』

いままで御本を頂戴するたび、まず「1」を、そして「1+2」を、「1+2+3」、「1+2+3+4」、そして「1+2+3+4+5」とさかのぼって順に読んできました。(まるでフィボナッチ数列もど き)歌の流れが見えてきます。
まずテキストだけでない、本の存在感を味わいましょう。掌の大きさに作られた小型本がすんなりと左手になじみます。
表紙絵がさらに盛り立ててくれます。『わが小園』の表紙絵は?素直に観れば「滝」、「水の流れ」、「時の移ろい」、「流転するいのち」。突飛なところでは「インドのカーリー女神の長い舌」。凝縮された形、ひっそりと差し出された紺青、あるいは濃紺の筆の流れが眼を惹きます。

だれにでも分かる言葉で書き、誰も詠めない歌が室井さんの歌。難解で奇矯な歌がはびこるなかに柏林の歌があり、読んでいると懐かしい音が聞こえてくる----ズシンと響く米搗き水車の音が聞こえてくるような歌の連なりでした。
土地には物語をつくる力があるようです。造られたものがたりの反歌が室井さんの歌。ひと、もの、時間が切り結んで現れた土着のものの不思議さ面白さを感じます。
柏林に生まれ暮らし、そして老いて行くふるさとの守り人。太い心に住む魂の持つ熱量が、輻射熱を放ちます。じんわり、骨の芯まで伝わる暖かさです。

室井さんの歌からは「故郷喪失者」の悲しみめいた感情を読み取ることはできません。歌と自然の一部である自分との距離が密着していて、自分を書く→自分たちを書く→飛翔能力を手に入れたようです。
歌は分かち合うもの。詠む人と読む人が共振するもの。『わが小園』を読み、固有の振動数を持つ歌と、ひそかに響きあう自分のこころを愛おしく感じます。誰もが持つ感情を引き出して見せる室井さんの表現に押され、歌の中に自分を見ることができました----相手のな
かに断片として存在するワタシを見つける。この嬉しさよ。

  【世界は美しい。切り取った絵葉書のような美しさではなく、混然とした 暮らしの中にある美しさを尊重したい】(巴水)

自然と人間に向き合った時の自分の心の動きを、平明な言葉で詠まれた歌のかずかずに、さまざまな感情が底に沈んでいるのを感じます。
暮らしの細部を捕えて離さず、人間の幼児性をも掬い取っていて、通奏低音のように流れるものは他者への思い。人生の深刻さを薄めるためのたくまざるユーモアとほがらかさがにじみ出ています。民の暮らしの中の風雅を描こうと努力なさっているのでしょう。
人間をおおらかに捉える----自省させられます。 普通がいい、心の襞に目を凝らす力を身に付けたい。
魂を慰めるのはあるいは沈黙。その沈黙を言葉で塗りつぶす必要などありません。歌は静かであたたかく、ひそかな悲しみさえ帯びていて、無駄がなくひたむきで、醸し出すのはしみじみとしたおかしみ。これは上質なユーモア。

みな、悲しみはある。でもそれは自分の一部。
   ・悲しさもかへりみすれば或宵の蛍のごとき光とぞおもふ 茂吉の歌集『小園』より。
茂吉の『小園』を読み返しこの歌に出会って心が穏やかになりました。言葉の力が伝わります。短歌の持つ力のおおきさを感じます。

民俗学に通じる描写がそこここに見られますね。室井さんは性善説信奉者。自分の住んでいる人間社会が好きで、そこに流れる面白さを十分ご存じのようです。さらに芯に自分は生きものの一種という感覚をお持ちなのが読み取れます。
歌の中に過去を見ます。歌の中に未来も見えそうです。
 
・金子さんをねこさんと呼んでおりねこさんは熊を鉄砲で撃つ ----第一巻歌。これが
   ・ねこさんが生きていたころ鮎焼いて熊鍋、鹿鍋かこんで酔いぬ   第5巻の歌に繋がる。


歌は詠まれたその一瞬から、詠み人を離れて独り歩きします。事実からそれを基にした想像力へと飛翔する瞬間が味わえるのは何よりの楽しみ。
・咲きおえた蓮の地面に秋の雨しずかに降れば九月朔日
   五感が満たされます。雨の音は聞こえるのでしょうか。

・アカゲラが朝から飛び来て木を穿つ音の響きで晴れわたりたり
 
    左は夫の木彫り のアカゲラ 右はアオゲラ

・白き山から運ばれてきた大石は雪を積みつつよろこぶごとし
  ・落葉焚きしたるところに白々と縁なき石も焼かれておりぬ
  ・石は石ころがしてもふんづけてもあぶっても石以外になることはない
  ・そのむらの若い衆らの優劣をきめし力石はくさむらにあり


・じゃが芋の「インカのめざめ」伏せたれど目覚めぬ種のいくつかのあり
(自慢しますがと前置きをして----歌より)若い頃、インカ文明の地アンデスの山の中に住んでいたことがありました。かの地は土着の文化がキリスト教に押し流され侵略され、先住民は母語を含めて自分のIDを失いつつある。段階を経て経済発展していないから、社会格差が大きい。この40年間は、恵まれない子供への教育支援を続けてきました。

・山鳩の鳴き方聞きわけ向こう半日の天気を母は教えてくれた
  ・子供たちがやたらとはしゃぎまわるから明日はきっと雨なのだろう
・どう聞いても向こう半日が雨という鳴き方である今朝の山鳩
・納豆を手づくりするわざ どぶろくを手づくりするわざ 持っていた母
・山羊の乳飲みて育ちしおとうとは白毛混じりの山羊髭伸ばす

ヤギひげの弟さんは「村一番のネギづくり」のわざを受け継いだのでしょうか。 足でうどんを捏ねるわざも伝わったでしょうか。
・野良仕事から帰りきてわが母は足の裏もてうどん粉を踏む

・注入の七トンの水を蒸気に変えD51走る昭和の鉄路
D51 で通学しました。SLは乗るものではなくて見るもの。最近のSL体験は大井川鐡
道。トンネルに入るとき、窓を降ろさない人がいて車内はススだらけ。

・東北本線に豊原という駅のあり樺太の地にもありたるその名
北海道へ続けて旅をしました。刺激されて三浦綾子の『天北原野』を読んだばかりです。
日本統治時代の樺太(サハリン)と豊原(ユジノサハリンスク)が舞台。 「豊原」。入植して収穫を待つ心----豊作を祈ることだま。

 ・「昨日」のことをきにょうと発音する人は正当な日本語を知る人ならん
関西や四国での方言のようですが。父が「きにょう」と発語していました。方言調査にやってくる言語学専攻の大学生に、まっとうな標準語で受け答えをし、せっかく遠出して来た相手を落胆させるのを面白がっていたようです。

・たっぷりの蜜を用意しキンカジューを夜に誘いたるバルサの花は
ヘイエルダールの『コンチキ号漂流記』をお読みになったことがありますね、少年のころ。私も少年!のころ風呂の焚口で読んで心を膨らませた記憶があります。
ヘイエルダールはポリネシア人のルーツが南米にある仮説を証明したくて、チリから船出しています。この時の筏に使われたのが「バルサ」の木。この木を調達したのはEcuadorの低地Quevedo。私が訪問した時には、まだ裸族が生活していました。
軽く工作に向いている、というより小池光氏の『バルサの翼』のほうが身近でしょうか。

・日本地図広げて行ったことのある地名をチェックし時を消しゆく
上の句と下の句のバランス、調和、分担が面白く、結句「時を消しゆく」が全体を支えています。私も「網羅の人室井さん」に倣って地図を広げ、やってみましょう。

・許されず別れた人は一人もなくわが人生に波乱はあらず
  ・罫線をはみ出ぬ字を書きはじめきみは体制に組み込まれていく   第一巻より

・花の名は覚えぬこととしていますおりおり妻に尋ねるために
  ・はじめからやり直すのがめんどうでひとりのおんなと別れずにいる   第一巻より
  ・名の大小は付き合い程度の深浅による 妻の名大きく中心に書き     第五巻です。

・ヤマガラとシジュウカラとは似ているが配色が違う茶色がヤマガラ
 
  ヤマガラ

・栗の実が地上に落ちて大根の種まくわれの農ごよみかな
 ・旅人のわれは味わうあしひきの会津のやまのコクワひとつぶ   

        
   こくわを焼酎に漬けました。
     「晴れたらいいね」吉田美和作詞作曲 中村正人編曲
      ♪ 山へ行こう 次の日曜日 昔みたいに----略---
       一緒に行こうよ こくわの実 また採ってね----後略 ♪

・高林1920番地の蓮池を飛び立ちゆけり白鷺ひとつ
近く---やや遠く----遠い空と視線が動き、視線の端に白い鷺が舞っている。これはまるで能の舞台のようではありませんか。遠くに鴫内山や三石山が見える。観山聴雨、晴れもまた良きかな。白い鷺はアネハヅルのように高林の山やまを越えて会津の国まで飛んでいくか
もしれません。

  終わりに。
思わぬ雪に見舞われたり、小春日和にしては遅い季節の日差しを身に受けたり。変わらぬようでも小さい驚きに満ちた12月の日々でした。 家族を抱え子供とのかかわりを大切にし、日々変わること変わらぬことに驚き、過ぎし日を思い、帰らぬ人を懐かしむ室井さんの歌のかずかずに、時に驚き、笑い、頷き。『わが小園』の中の小宇宙と、さらにその小さい宇宙の部分拡大をなぞりながら、12 月の一週間が流れました。
『わが小園』は四巻までの歌集に比較して、他人への共感力がさらに増し、そのぶん表現がやや鎮静した印象を受けました。他者を理解しようとする柔軟さが際立ちます。たった二年の季節の巡りを歌ってあるのに、なんだかずっと長い時間が経ったような印象を受けま
した。
ゆっくり下りつつある坂をつま先に力を込めて歩く歩調が愛おしく、なぜか懐かしい。室井さんと同じ時代を生きていく、これは喜びでもあるのです。そんなに急がないでください。
「読んで元気になる」と読者が反応するならば、これは歌としての成功を意味します。 歌が力を持つということは、室井さんの自伝文学としての歌集が読者に力を及ぼした証拠でしょう。その読者の一人に加えていただいて光栄です。
ありがとうございます。
                                                     202512.8

 

         
    茂吉の歌集『小園』より。
       ・小園のをだまきのはな野のうへの白翁草の花ともにひほいて

           里山の暮らし 917    2025.12.19
                                                 

 

 

    歳末の準備はそこそこでいい

12月15日 
サンタさんが乗るそりを引くトナカイたちは、全部メス。シカ科のトナカイは雌雄両方に角がある。オスはメスを争って他のオスと闘うために。メスは餌が乏しい冬の間に雪を掘って子供のためのエサを探すために。
だから、オスは春に角が生え秋から冬にかけて抜け落ち、メスは冬に角が生え春から夏にかけて角が抜け落ちる。
----トナカイのオスは雪を掘って、自分の子供のために餌を探さないのかという疑問が残る----。
  ライオンを初めとする他の動物みたいに、メスが子育ての全責任を負っているのだろう。
                 
      
12月14日
クリスマス用にリーズを作り始めた相棒。
「いつものように大きくは作りたいないんだ」とのこと。おやおや彼も気力が衰えてきてのかな?
材料は、サルトリイバラ、ヒノキの緑の葉、ヒイラギの赤い実。ブルーベリーの紅葉した葉など。
クリスマスが過ぎると、お正月用に飾りなおす。レサイクル、リユース。
    

12月13日
遊びに来てくれる地域猫が4匹(いつもねこ系住民と呼んでいる)が、入れ代わり立ち代わりやってきて、ご飯をを食べデッキに寝そべってひと時を過ごしてくれる。
ミーコちゃん、ヨーコちゃん、正宗、にぎやかさん、と多彩な猫たちがフラっと現われる瞬間は、一日のうちピカッと光る瞬間。
猫たちは、ためしに5cmほど窓を開けておき、その場を離れるとフラっと家に入ってくる。なにしろ「ねこは液体」ですからね。
私に見つかると慌てふためき、5cmの隙間から逃げていく。逃げなくてもいいのに。

       里山の暮らし 916  2025.12.15
                                                 

 

    早稲田大学エクステンションセンター主催の講座を受講して
     講 師:ノートルダム清心女子大学文学部名誉教授。赤松佳子先生
        テーマ:L・M・モンゴメリと『赤毛のアン』 全六回  ←講座の感想はこちらへ

10 月1日(水) 第一回 L・M・モンゴメリと『赤毛のアン』翻訳による日本での受容
10 月15日(水) 第二回 L・M・モンゴメリと『赤毛のアン』想像力と表現力
10月29日(水)L・M・モンゴメリと『赤毛のアン』 第三回 
          赤毛というコンプレックスがもたらすもの ――少女が繰り返す失敗とユーモア 
11月12日(水) L・M・モンゴメリと『赤毛のアン』 第四回アンを見守り、育てる大人たち 
           ―<同類>と呼ばれる人々との絆   
11月19日(水)第五回 L・M・モンゴメリと『赤毛のアン』
            主人公と同世代の友人たち ――同性の〈心の友〉と異性の〈ライバル〉を中心に
11月26日(水)第六回L・M・モンゴメリと『赤毛のアン』 世界一美しい島と温かい家庭――四季と自然描写を巡って

この秋は上記の講座を受けてそのたびに感想を書き連ねていたので、気分が忙しかった。感想のページはこちらです。

秋仕事がほとんど終わった。あぁぁ。なんだか身体の芯が潤びたような気がする。
 あとは薔薇に寒肥を施すだけ。いやいやいやいや、家の中の掃除が残っている。

12月8日 開戦記念日 ニイタカヤマを見てみたい。

   里山の暮らし 915  2025.12.8
                                                 

 

  甘い香りが 一面の葉っぱ

 

朝、窓を開ける。う〜んと深呼吸すると香りが漂ってくる。
黄金色の世界が広がっていて季節を満喫したのもつかの間、夜来の風が落葉樹の葉っぱを全て落としてしまった。

露が降りたようだ。甘い香りが漂って、鼻をくすぐってくれる。
夏中光合成をして、葉っぱに蓄えた「糖質」が、地面に落ち湿気を纏うと甘い香りがする物質に変化する。あれは砂糖を熱すると出るマルトールのかおり。カラメルの匂い と同じ。

  遠くに見えるのは「シイタケ栽培」の榾木。原木シイタケが季節を待って目覚めてくる。

花壇に堆肥、鶏糞、灰などを鋤きこみ、大きいスコップで天地返しをした。これで来春のポピーの植え場所ができた。あとは冬にかけて熟成させるだけ。
堆肥の名前は「もぐら3号」。その名前の通り、前回鋤きこんだ後、庭中にモグラが穴を掘ってトンネルをつくっている。しっかりやって、わが家の猫たち!モグラに遅れを取るな!
 

  里山の暮らし 914  2025.11.29
                                                 

 

市内の熊マップ

   今年に入って76回も目撃されている。

オレンジ色と赤い〇印が、市内で熊が目撃された地点。じっと見ると気付くことがある。那須の山から扇状地の間を縫って南へ流れる川が、熊の通り道になっていることに。
わが家の近くには「熊川・くまがわ」さえ流れていて、何年か前には、母熊と子熊が二頭ともに、堰でおぼれ死んでしまうという事件も起きた。
熊は泳げるのに? おそらく溺れた小熊を助けようとして脚を取られたのだろう。胸が詰まる話だ。
地元の人に取っては、熊が現れるのはよくあることで、地元の人は「いるよ〜」と見ても知らん顔している。
「観光客と別荘の住人がビックリして警察に連絡している」と話して、マチの人はシロート?だねぇと面白がる(油断したら駄目だけどね)
実際、私の住む住宅地には「外れに熊の巣がある」「夜はあそこで寝ているらしい」「大きな黒い犬かと思ったら、熊だった」という話しには事欠かない。----で、今年は住宅地には出没回数が少ないのです。

 秋の仕事が一段落。 勤労感謝の日にふさわしい。
紅葉狩り、夏花壇の整理、来春へ向けて花苗を植え付ける、家の中掃除。こんな仕事がようやく終わった。相棒はデッキのペンキ塗りが済んだらしい。 干し柿もいい調子に乾いている。
二人同時に「終わったよ!」と叫んだ。
よく遊びよく働いた秋だった。

    里山の暮らし 913   2025.11.23
                                                 

 

  初雪の朝  今朝の気温は3℃。

    今年は豊作のようだ

柚子の香りが大好き。出盛りのこの季節にジャムにして一年分を冷凍している。
・皮の半分を残して剥く。
・皮の重さをはかる。 重さの20%の砂糖を加える。私は果糖を使っている。
・剥いた皮を水からゆっくり茹でて苦みやクセを取る。だいたい2回くらい繰り返す。
・皮を細かく刻む----去年までは包丁を使っていたけど、今年は「ぶんぶんカッター」という味方がいる。
・残りの柚子本体を半切りにし、レモン搾りを使って「種と果汁」に分ける。
・種は小鍋に入れて水を加え、少し火を通しながらペクチンを取り出す。
・刻んだ柚子と果汁とペクチンをいれて煮込む。途中で砂糖を加えてジャムテストに合格するまで、ぐるぐる。
・ジップロックに入れて(300gくらいか)平たくし、冷凍する。
     できあがり。嬉しい。

はじめてツグミがやって来た。アオハダの実を食べている。ほかの鳥たちはアオハダの実は好みでないのに、このツグミだけは大好きなようだ。嬉しくて舞い踊っている。
他に、シジュウカラ、ヤマガラ、ヒヨドリ、ガビチョウが挨拶に来て餌をねだるのが可愛い。モズが高鳴きして縄張りを宣言している。

 

   里山の暮らし 912   2025.11.19
                                                 

 

     黄金色の林のなかで

  くるみの時そば   クルミの実を4000個! 野鳥観察仲間に分けてあげよう。

   クルミの実 乾燥中

「〇〇子さぁぁん、そんなところでなくて、こっちへおいでよ、沢山あるよー」。
  「295,300,305,310---うるさいうるさい。(数えているんだから、邪魔しないで)」。
「〇〇さぁぁん、こっちへ来てー」。
  「ああぁあ〜、ほら間違えた、いくつまできたのか分からなくなったじゃない」。

 電動ドリルが壊れた
「壊れたよ〜。」と悲しい顔でやって来た。「修理する楽しみがあっていいんじゃない?」と私。
      「そうだな」----「ごそごそ」----「やはり直らないよ」。
「なら楽天で買えば。ポイントを全部使っていいから。14ボルトから上の方が使いやすくない?」。
      「そうする」とやけに素直。新しいおもちゃを買ってもらえるので嬉しいのよね。

 那須歴史探訪館25周年特別展「那須と戦争 日清戦争から戦後開拓まで」
  < https://www.town.nasu.lg.jp/0302/info-0000000578-1.html >

8月31日には「中国残留邦人と戦後開拓を考える」の講座を受けたので、上記の展示を見に行った。ここ10年は、明治の開拓の歴史、戦後の入植と開拓の実際などを学んできたので、興味深い。先人のご苦労を偲ぶばかり。

  左が遊行柳
謡曲「遊行柳」で知られるのがここ。歌枕としても有名だが、普通の田舎の景色が広がりポツンと柳が立っている。

 金色のちひさき鳥

   芭蕉の花の苞はこんなに大きい。
ちゃっかり、銀杏の実を拾ってきた。その数は300個
 芭蕉の花の苞に銀杏の葉を載せてみたら、「ガガイモの実に乗ってやってきた、スクナヒコナノミコト(少彦名命)を思い出した。

  何やら音がすると思ったら、相棒が 「毛玉取り器」でパジャマの毛玉を取っていた。
  「毛玉を取ったら、その分寒くなるよ」と無駄口を叩く私。

      里山の暮らし 911   2025.11.15
                                                 

 

      忙しさの元凶はこれ



生存確認のため写真だけアップ。
  このところ忙しいのは干し柿のせい。
    今日はクルミを1000個、銀杏を300個拾ってきた。

(向かって右の、上の三段目と四段目は「西条柿」。西の「西条柿」、東の「蜂屋柿」と言われるくらい美味しい。
あ、左のどっさりは蜂屋柿。長靴を履き、得物(高枝切り)を使って柿の木に取りついた成果です。    

  これが西条柿、香りが高い。実家の庭にあったせいか、懐かしい。

    里山の暮らし 910   2025.11.12

                                                 

 

 

     柘榴酒、夏ハゼ酒をこしらえて----お酒は飲まないのに。

  大口開けて柘榴

紅一点の柘榴が手に入ったので、今日は柘榴酒作り。ルビーのような色が瓶のなかで踊っている。
夏花壇の整理、来春への花苗の定植、干し柿つくり、会津の赤かぶを甘酢に漬ける。こんなことをして大忙し。
林のなかから(熊に気をつけながら)なめことヒラタケ、椎茸を採ってきて今夜はすき焼き風のお鍋。 塩原大根を使って柚子大根を漬けてある。柚子は今年豊作のようだ。
林は秋真っ盛りで、夕陽を浴びてオレンジ色に染まっている。

  
 ヒエンソウ ビオラ、ナデシコなど。

    里山の暮らし 909    2025.11.6

                                                 

 

 

     北海道から「さつまいも」が。ジャガイモではないのです。

    丸ありデブありスラっとした美人あり。

北海道の知床の南の町からサツマイモが届いたのです。 不思議ではない?北海道からですよ。
届け主は「たまちゃん」。ネットのなかの植物コミュニティで出会って20年余りになるのに、一度も会ったことがない友人。たまちゃんとは感性が合い、メールの交換をして植物関係の話しに盛り上がったり、たまに地元の特産品を届けていただいたりしている。
自分の畑で穫れたサツマイモ。嬉しいなぁ。
早速豚汁に入れてみた。今日のお昼は「サツマイモのガレット」めいたもの。スイスのロシティに似ているというと相棒はよく分かったようだ。「楽しみだなぁ」
土付きのまま新聞紙に包んであった。その新聞の日付は2017年6月になっている。ワープしない?あのころ----としばらく昔を思い出していた。
これって----実家から荷物が届いた気分だ。実家はとうにないけれど。
たまちゃんありがとう。そのうち那須の美味しいものを送りますね。
天気予報を見て「たまちゃんの所はもう雪かな」、「今日の嵐はどうだっただろう」と相棒と話すことがしばしばだ。
 

   ---- 「完全なものは、自然にしか作れないんだからね。人間の手で完全を目指そうなんて図々しいにもほどがある。じたばたしたって仕様がない」
           『サイレントシンガー』 小川洋子著 文藝春秋社刊

 

                   里山の暮らし 908    2025.11.1

                                                 

 

 

      「晴れたらいいね」 晴れた日に見つけた「こくわ」

 
       こくわの実 まだ硬い                                                      こくわ酒に

「晴れたらいいね」 DREAMS COME TRUEのシングルより  吉田美和作詞作曲 中村正人編曲

    ♪ 山へ行こう 次の日曜日 昔みたいに----略---
         一緒に行こうよ こくわの実 また採ってね----後略 ♪  この「こくわ」は画像の「さるなし」のこと。

途中で転調したり、リズムをずらしたり。この歌を聞いていると元気が湧いてくる。

珍しく手に入ったので、「焼酎25度+ウォッカ」に漬けこんだ。抽出を進めるために少しだけ果糖を加えてある。
さぁて、半年後にどんなお酒にできあがるか、楽しみだ。
しかし、私はまったくお酒を飲まないのに、ただこんなことをするのが好きなだけ。飲めたらどんなにいいだろうか。

 バケツや如雨露に水を入れて運ぶと、途中で「ばちゃばちゃ」して、こぼれそうになるるわけ

昨日読んだ本でようやく理解できた。それは物体ごとに異なる振動の周期が影響し合う「スロッシング現象」によるようだ。外から揺さぶられて起きる特定の振動(固有振動)の周期と、人間が歩く時の周期が同期してより振動が大きくなる----こぼれる、コーヒーがこぼれる、バケツの水が揺れてこぼれる----ことが起きる。なるほど、解決するには水が持つ周期から、歩行によって起きる周期をずらせばいいということらしい。ゆっくり歩く、後ろ向きに歩く、リズムを崩して歩く。
毎日の暮らしの中でなかなか気にしていられないけど。試してみよう。
            
        参考 『面白くて眠れなくなる流体力学」PHP刊 石本健太著(京都大学理学部研究科教授)

    里山の暮らし 907    2025.10.26

                                                 

 

  長けゆく秋に

     
          那須連山のうち朝日岳(1896m)とナナカマド

秋を追っかけて忙しい。
那須連山のうち、茶臼岳にはロープウェイが通じているので名前が知られているが、その東側に位置する「朝日岳」(1896m)は登山道が急峻なのとガレ場をやり過ごして 頂上に達することから、あまり知られていない。
晴天の昨日、頂上付近までドライブ。
ナナカマドの赤い実が歓迎してくれた。紅葉は七合目まで降りてきている。

          里山の暮らし 906    2025.10.22

                                                 

 

       長い夏の終わりに  日本は二季化している?

     クレマチス 藤娘

  10月17日 熊が近くに
同じ住宅地にツキノワグマが出たのとお知らせがあった。距離にして約1キロメートルの近さだ。
でもね熊が出るのは今年だけではないのです。ほんの100mほどの所に巣をつくっている、朝の散歩で出遭った、後姿を見たので、恐る恐るあとすざりして逃げた。こんな話を毎年聞いている。
住宅地の外れに流れる小川の名前は「熊川」。その名の通り、川に沿って山かr熊が降りてくる。何年か前には親子の熊が堰に足を取られて水死した。
友人から「気を付けて」とのお見舞いがあった。どうもありがとうございます。まさか熊と格闘しないけどね。

相棒と話しあったことはこれ。熊は夜行性なので朝早くに庭に出ない。暗くなってから外に出ない、デッキからすぐ家に入れるように窓にロックしない。こんなことに気を付けているけど。熊が出たらガレージに逃げ込むのもいいね。

約束したことがもうひとつ。
  私が
熊〜と叫んだら、カメラをすぐに持ってきて。走りながら電源スイッチを押しておいてね 、すぐ撮れるように。
 

 10月16日 相棒の高齢者免許更新の日   無事合格した、「百点取ったよ」と子供みたい。
何回も受けているので、大丈夫とは思うけど、人間いつどんなパニック状態に陥るかも分からない。まるで大試験を受けに行く受験生を送り出す気分だ。
いつだったか、初対面の人と一緒に食事した時のこと、「奥さんはまるで弟のようにご主人を見ていますね」と言われたことがあった。
私の返事は、「理系の男なので、目を光らせていないと何をするか分からないので」。
普通の人の常識が彼の非常識----彼の常識は普通人の常識。こんな経験を、それこそ半世紀以上も積んできた。ちっとはワタシ学ぶよね。
 

10月5日から今日まで。
夏庭の整理と来年の春の花壇の植え込みの準備にかけずりまわっている。夏草や夏花を抜き、天地返しをし、石灰を鋤きこみ中和する。
1週間そのまま置いて、堆肥や肥料などを混ぜてひっくり返す。
ビオラの定植は11月5−8日。締め切りから逆算して作業を進めているけど、ああ、しんど。
頭の中は「今日は、山はどんな様子だろう。終わってから紅葉狩りに間に合うかな」でいっぱい。


 10月11日 結婚記念日
一体何年一緒にいるのだろう?分からなくなってきた。
一応「モーゼルワインの白」を冷やし、夕食にはステーキなどを用意した。
お揃いのワイングラスをやはり冷やしておいて、さて。
おどろいた。縁に欠けが入ってすこしヒビがあるではないか。ぶつけた記憶はないけど。
これって我われの関係性を象徴しているかのようだけど、そんなことでヘコタレルほどやわな二人でない。「わっはは」でおしまい。
ドイツワインの白はいつものようにフルーティでさわやか。

   里山の暮らし 905    2025.10.17
                                                 

 

    朝ドラを見始めて----続き物は後を引く

アイルランドに友人が住んでいることから、なんとまぁ、この秋ははアイルランド人小泉八雲とその妻セツをモデルにした「朝ドラ・ばけばけ」を見始めてしまった。
朝ドラを観るのは----思い出してみると----『おはなはん』(1966年4月4日からの一年間放送)以来のことだ。『おはなはん』のあまりの面白さに、ついつい遅刻しそうなことも何回かある。放送期間の平均視聴率は45.8%と今では考えられない高さだった らしい。

もちろん朝の8時からテレビの前に座るわけでなく、録画しておいたものをまとめて観る。 今は明治の御代になって社会の変動に付いていけない「武士の貧乏物語」の段階だが、これからどう展開していくのか、続きものは後を引く、どうしても気になる。

小泉八雲の代表作は『怪談』(日本の伝説や幽霊話を再話・翻訳した作品集で、「耳なし芳一」「雪女」「むじな」などを収録。
紀行文としては『知られぬ日本の面影』が傑出している。明治期の日本を海外に紹介した紀行文。
そして『骨董』や『心』。西洋人から見た日本の姿を描写している。
『怪談』が知られているが、私は『知られぬ日本の面影』に惹かれる。翻訳文のすばらしさと相まって、底知れぬ魅力をたたえた作品群だ。

今日は『小泉八雲の怪談』を読んでいた。中に短編「ひまわり」が収録されている。八雲の少年時代の想い出を綴ったものだが、いくつかのエピソードが描かれている。それも少年 ハーンが語るのではなく、「ハープ弾き」が歌う歌詞の中に その思いを盛り込んである。 ちょうど螺旋状に生と死を対比させ、まじりあっている、不思議な短編だ。
「ひまわり」のなかでハープ弾きが歌う歌は、日本では以下の訳で知られている。

   『春の日の花と輝く』 堀内敬三 訳詞 アイルランド民謡

   春の日の花と輝く
   麗しき姿のいつしかにあせて
   移ろう世の冬は来るとも
   わが心は変わる日なく
   御身をば慕いて
   愛はなおみどり色濃く
   わが胸に生くべし

   若き日のほおは清らに
   患いの影なく御身いまあでに
   麗しされど面あせても
   わが心は変わる日なく
   御身おば慕いて
   ひまわりの日をば乞うごと
   永遠に思わん 

  https://youtu.be/aLQ6m6L6POw?t=4    由紀さおり+安田祥子の歌唱。天国からの歌声

  英語の原文  Believe Me 

  Believe me, if all those endearing young charms,
  Which I gaze on so fondly today,
  Were to change by tomorrow and fleet in my arms,
  Like fairy gifts fading away,
  Thou wouldst still be ador'd as this moment thou art,
  Let thy loveliness fade as it will;
  And around the dear ruin each wish of my heart
  Would entwine itself verdantly still.

  It is not while beauty and youth are thine own,
  And thy cheek unprofaned by a tear,
  That the fervor and faith of a soul can be known,
  To which time will but make thee more dear!
  Oh! the heart that has truly loved never forgets,
  But as truly loves on to the close;
  As the sunflower turns on her god when he sets,
  The same look that she turn'd when he rose.

原文の「(Believe me, if all those endearing young charms)」は、アイルランドの国民的詩人トマス・ムーア(Thomas Moore/1779-1852)による愛の賛歌。
アイルランドの古い民謡、『My Lodging It Is on the Cold Ground(我が家は冷たき土の上)』が元歌らしい。そのメロディーにトマス・ムーアが歌詞をつけた。ほかに色々な詩がつけられて歌われいて、知られたところでは、讃美歌467番「思えば昔 イェスきみ」。
アメリカ・ハーヴァード大学の校歌「Fair Harvard」にもなっているようだ。
  詩と言いメロディといい、精神が立っている一本の棒を、地際から揺すぶられるような連なりだ。

堀内敬三さんには、『遠き山に日が落ちて』、『モーツアルトの子守歌』などの訳詞がある。『庭の千草』もアイルランド民謡。
アミニズムの感性が息づいているアイルランド人と日本人。どこか共通する心の響きがあるのだろう。

 

 

この秋に91歳になる友人が、若い頃集めた切手を持ってきて「あげるよ」。
まさか頂くわけにはいかず、額面で引き取らせてもらった。

それからは、気の置けない友人たちに送る荷物には、画像のように切手をペタペタ貼っている。

この封筒には450円分の切手が並んでいる。10円、20円、50円とあり、総額を計算するのに手間取った。

手動で仕分けするので郵便屋さんも困ったようだ。投函から5日後にやっと着いた。
先方は大喜び。開封前から一枚一枚を確認しながら---面白かった!との連絡が入った。

真ん中に「序の舞」が2枚ある。貴重品だ。女流画家・上村松園の絵。

 

       里山の暮らし 904     2025.10.12
                                                 

          

 

    遺産分割協議書なるもの

始まりはこうだった。江戸時代の終わりごろ、中国地方の山の中に住む、「牧造氏」(天保11年(1840年)生まれ)と「ふささん」(弘化2年(1845年)生まれ)が結婚し、4男2女をもうけた。
この二人の間に生まれたきかん気の次女の「リョウさん(明治11年1878年生まれ)。年頃になり、その地域の測量技師として村をめぐって来た「彦一氏」にすっかりほれ込んでしまい、無理やり結婚を申し入れた。
やり手の「彦一氏」は、家督を継ぐことを条件にして養子に入った。
「リョウ」さんの目に狂いはなく、「彦一氏」は八面六臂の活躍を見せ、財を築き、山林、田畑を買い集め、6男1女には医者、海外航路の船長にと教育を授け、めいめいの子供に財産を残すという働きを見せた。私の父親はこの「彦一氏」の4男に当たる。
  (ちなみにこの「彦一氏」の活躍は、近隣の未亡人や友人・知人の奥さんにまで及んだと伝わっている)

今回この遺産分割協議書が届いたのは、こういうわけだ。祖母の「リョウさん」の名義になっている山林2筆を、曾孫の「Sさん」に相続させたい。そのために筋をたどって探し当てた相続人20人の了解と実印の押印が欲しいということらしい。 父親は既に亡いので、子供の私に書類が回って来た。

はいはい、そんなどこにあるか知らないような山林などいりません。もちろん相続放棄しますよと早速押印して担当の弁護士に書類を送り返したのが、昨日。 印鑑登録証明書は、いまどきマイナンバーカードを使えばコンビニで簡単に手に入る。これが市役所まで、と考えると億劫になるところだった。

さて弁護士から届いた書類に面白いものがあった。親族の家系図に近い一覧表だ。父親が生きていたときに、是非自分のルーツの聞き書きをしておきたかったと後悔しているので、こんなタイミングで手に入って驚いた。
じっと見ていると、血がつながった人間群の背景が浮かんでくる。
祖父「彦一氏」は88歳と当時にしては長命だったが、亡くなった翌年に長男も亡くなっている。こういう不幸もあるようだ。
あの人は再婚したのか----。父親のいない子供を生んだ従姉妹もいて、生まれた子供を自分の父親の養子にしている。なんと阪神淡路大震災の犠牲になった従兄弟もいる。

人類のひとりひとりの先祖をたどっていけば、アフリカまで行きつくのではないかとも言われるが、ほんの少し血のつながりがある人たちの名前が 目の前に並ぶと、その個人が生き生きと立ち上ってくるのを感じる。

さて、今日も働くか。

   2025.10.6 名月
月を見て自分まで命を繋げてくれた人を思い、そして自分から発っていった命の行く先を思う夜だった。

             里山の暮らし 903   2025.10.8
                                                 

 

     新米をいただく
毎秋、自分の田んぼで穫れた新米を届けてくれる友人がいる。市の中心地から少し外れた場所に2Haあまりの土地を持ち、さらに郊外には4Haの田んぼを持つ彼女。数年前から田んぼの管理を他人に任せ、自分の楽しみに生きる日々を送っている。しかし悠々自適とは行かない。土地はあっても開発してなんぼのもの。固定資産税が掛かるし現金収入があるわけでもない。
でも生来の性格からか「なるようになるさ」と言い放ち、死別したご主人のことも「居ない人をいつまでも追っていても仕方ない」と 語り、身体の不調に関する愚痴は一切こぼさない。

貴重な新米のお礼にと、夏ごろからあれこれ思案して喜んでもらえそうな物を探すのも楽しみ。去年は探して探してSサイズのパジャマを見つけた。
今年は「大き目のぶんぶんカッター、北海道のお土産の富良野メロンン饅頭、一人暮らしなので梨・林檎・みかん・キィウイなどの果物を一つずつ」。そろそろだなぁと思っているとある朝LINEがある。今朝行きますね〜。

とても元気な顔をしていた。「なにかいいことあった?」。「米寿のお祝いをしてもらった、子供、孫、曾孫が集まってくれてね---。」
心豊かな人には、優しい人たちが集まるようだ。

「お米の値段が高いけど、農家はこの値段でやっと採算が採れるのだよ。人件費、油代、肥料代、農薬代などで5s5000円前後でないと、とてもやっていけない。今までは補助金たよりだったけど、ほんとうに食糧を自給しようとしたら、この採算ラインを考えてもらわないといけないんだ。ところが、大事なお米を食べる側は、贅沢な食事に何千円から 何万円も出すし、旅行にも出かけるし、お洒落もする。生きていくのに一番大事なものはなにか、考えて欲しいんだ」。

帰り道、車をスラスラとバックさせて、じゃあね。
元気で〜、そのうち一緒にお昼にしましょう。

 この友人に頂いた野菜を持って 近くの「91歳になる友人」におすそ分けに走った。
美味しいものはみんなで、これが私のモットー。
つい「この野菜を作った88歳の友人は頭脳明晰、運転が上手くて、さらさらとバックをして帰ったの。ビックリするわぁ」と言うと、91歳の友人もやはり運転するので向こうを張ったのかこう言った。
「88歳なら運転できるよ、私は91歳だよ〜」。
わっはは。大笑い。

   スズメバチの巣 模様が奇抜だ
シルバー人材センターにお願いした庭木の剪定で、おっそろくしも見つかった物----スズメバチの巣。スズメバチジェットでやっつけたが、中には幼虫が何匹も入っていた。茶色でおどろおどろしい模様だが、紙のように薄い。しかし雨風に強いようだ。

  2キロのサツマイモ
 干しシイタケを始めた                     今年の暑さと乾燥で、成長点が融合し7本の芋がくっついてしまった。
 青しぞの実をしごいて醤油漬けに。佃煮もいいな。    相棒がふらっと回って栗を拾ってきた。中身をほじくり出して冷凍する。

                           里山の暮らし 902   2025.10.2
                                                      

 

 

     こども食堂
 

旅の帰り、いままでどこにあるのかよく知らなかった「こども食堂」に出合ってしまった。新幹線駅のガード下という便利な場所にある。遊んだ後の出会いは辛い。錐で心を刺されるようだ。

いまの日本で、シングルマザーの平均年収は272万。母子家庭の約半数が、年間就労収入200万円未満という貧困状態にある。働くシングルマザーのうち正規雇用の人の割合は5割近く。パート・アルバイト・派遣社員の割合は4割あまり。
養育費を受け取ったことがないシングルマザーは約57%(2020年調査)。

事故や病気で片親を亡くすケースもあるが、一人親になる要因の多くは「離婚」。離婚後に元夫が養育費を払わないケースが多く、シングルマザーの半数以上が養育費無しで子供を育てている。養育費の支払いが義務化されていないので、元夫を 資金的に拘束することもできない。
相対貧困にあるシングルマザーに、この物価高はこたえるだろう。円安の傾向がさらに加速をする。

 
                             <   NPO法人エクアドルの子どものための友人の会(SANE) >


加わっている「SANE」活動と比較してみても、構造的な違いがあるようだ 。国全体が貧しいのに一部の人間が権力を持ち、社会の格差が広がっていく。どこに、何が、どうしてと考えてみる.

                      里山の暮らし 901   2025.9.27
                                                      

 

 

   花野が広がる里で

 
 秋の七種
撫子----桔梗---藤袴----薄----女郎花----葛----萩 この順で咲く。

「里山の暮らし」が900番まで来た。800代言も過ぎた。

  ( 明日からちょっと留守をします。)

     里山の暮らし 900   2025.9.21
                                                      

    

 

     藍染めの藍の花   インディゴが取れるタデアイ

 

蓼藍の白い花が咲いてきた。藍の収穫時だ。土地の性質からか、私の庭の蓼藍は薄いピンクではなくて白に近い花が咲く。
       (後の黄色い花は「メランポジューム(キク科)」。キク科なのでほったらかしでもどんどん増える困りもの。)

この葉を使って染められるのが「藍染め」。あの絣などを染める藍染めだ。葉を発酵させて「すくも」を作りさらにそれを藍液にいれ、微生物の助けを借りて水に溶けるようにする「藍立て」の工程ののち、綿布に染められる。
 「ジャパン・ブルー」。この緑の葉からあの藍色が生まれる----人間の知恵の重なりがあんなに美しい色として現れてくる。

せっかく沢山生えてきたので藍の生葉染めをやってみようか。生葉を揉み抽出した染色液に何度か漬けて空気にさらすと爽やかな緑の色に染まる。さらに回数を増やすたびに明るい青にと変化するののを観ているのは夏の終わりの楽しみ。
但し、この方法が使えるのは動物繊維のシルクやウールだけ。草木染めの色はタンパク質に付着するからだ。麻や木綿などの植物繊維に染める時は豆乳などにつけてたんぱく質を表面にまとわらせる手順を必要とする。

    シルクのスカーフに さわやか

トマト本体から出てきた「脇芽」を挿し芽した。

脇芽を挿し芽できるとは知っていたが、こんなに沢山実が付くとは思いもよらなかった。だって、あの小さい脇芽からですよ。
今年の植物が茂るい勢いには驚くばかり。かつて庭に生えたことのない植物(雑草ね)が茂りに茂り放題で戻りの暑さのなか、頭を抱えている。
山栗の口が開いてきて、ぽろぽろ。こちらも拾い放題なんだけど、暑い。

 秋そばの花
  白つながりで「秋そば」の白い花。あと40日で「那須秋そば」として出回る。たのしみだな〜。

             里山の暮らし 899    2025.9.17
                                                      

 

     心はすでにマヤの地に マヤ鉄道に乗りたい

        

「日本経済新聞」に、ユカタン半島を南北に走るマヤ鉄道の記事が載せられた。鉄道オタクとして、こんな嬉しいニュースはない。
15年前にはおんぼろバスしか通じていなかったこのコースに、2023年暮れから新幹線が運行されている。
密林を走る新幹線!心が踊って身体から飛び出してしまいそうだ。
あれは相棒を置いての一人旅だった。あらゆるものから解放されて解放感に浸った旅ほど、独特の記憶として残る旅はない。

地図にあるように、マヤ鉄道は往路も復路も11便だけ運行していて、左下のパレンケ(チアパス州)から途中、 海のリゾートとして知られるカンクン(キンタナロー州)を経由して、北東のトゥルム(キンタナロー州)まで延びている。

まずパレンケとは、メキシコにかつて栄えたマヤ文明の古代都市遺跡。世界遺産の一つ。メキシコ南東部のチアパス州に位置し、7世紀に最盛期を迎えた都市の遺構。宮殿を中心としてマヤ遺跡の典型的な建物群が密林のなかに残っている。

  手風琴

地図左上、メリダ近郊の「ウシュマルの遺跡」。魔法使いのピラミッド全景----小人がたった一晩で作り上げたピラミッドとの言い伝えから「魔法使い のピラミッド」と呼ばれている。正面の建物の上に息を切らしながら登った(よくやった!ワタシ)。
チェチェンイッツアの遺跡巡りに汗したあとはカンクン。石灰大地から海に流れ込む川はない。 セノーテと呼ばれる石灰岩が陥没してできた泉が点在し、海辺は白い砂で覆われている。

夏の終わりの蒸し暑い日に、15年前の記憶に浸るこの幸せをなんと表現しようか。若さはある程度、好奇心は十分持ち合わせていたあの時代が今や貴重な想い出として残る。

マヤ遺跡を鉄道でめぐる。----これはすでに無理なのかもしれないが、夢だけは見ておこう。
  マヤ鉄道
 < https://reservas.ventaboletostrenmaya.com.mx/ > ご予約はこちらへどうぞ---と言われても 。

 マヤ鉄道HPからお借りしました。
  ジャガーのように走る列車。うわぁ。
                 

しかし、現地ではこういう意見が聞かれる。
・縦断することで自然破壊につながる。
対して、
・この半島全体の経済発展が望める。
この二つの相反する意見は、丁度JR東海のリニア新幹線敷設に対しての内容と同じだ。
難しい。自分たちは経済、文化の発展を享受しつつも、旧態依然とした状況のまま暮らしなさいと現地人に押し付けているのと同じだから。

                                 里山の暮らし 898     2025.9.11
                                                      

 

   北原白秋の歌  ----からたちの花はもう咲いた 「からたちの花」 北原白秋詩

近くに住む友人との会話で「出身地は柳川よ」。
「あら、白秋の?掘割が流れる水の都の出身なの? 九州のベニスって言われている---いい所でしょうね」。

白秋と聞けば『歌集桐の花』、『詩集邪宗門』が思い浮かぶが、思いのほか記憶に残っていないのが、童謡や新民謡を作詞したこと。
代表的なのが、『雨』、『雨降り』、『砂山』、『からたちの花』、『この道』、『ペチカ』、『あわて床屋』、『待ちぼうけ』、
『城ヶ島の雨』、『皇太子さまお生まれになった』、「愛国行進曲』など。ほかに市町村歌を多く作詞している。
新民謡の『♪ちゃっきり節♪』もそうだ。

『雨』と『雨降り』の印象の違いが面白い。「しとしと」と「ちゃっぷちゃっぷ」の差は子供にとって大きい。
『あわて床屋』を口ずさんでみたら小学生のころを思い出した。休日の午後、50円を握りしめて床屋に入るとそこは天国だった----親戚のおじさんのお店なので、散髪(カットでなくて)が終わってもいつまでもお店にいても良かったから。天国に置いてあるのは『マーガレット』、『少女フレンド』、『りぼん」、『なかよし』、子供向けの絵本や小説が並んでいた。書店などない田舎だったので、店主のおじさんの丸い顔がよけい福々しく見えた。
「ペチカ」って何だろう?あ、西洋こたつか----。
待ちぼうけ?待つことが楽しい時と、身体がだらりとなるくらい苦痛な時とあるなぁ。楽しい時間は早く過ぎ去り、苦しい時間はそれなりに長い----中学生になって国語の時間で「株を守る」の意味を知って---ああ、これだったのか。
  (宋人有耕田者。田中有株。兔走触株、折頸而死。因釈其耒而守株、冀復得兔。兔不可復得、而身為宋国笑。)

歌った。学校帰りにランドセルを鳴らしながら友だちと一緒に歌った。『この道』を台所の隣の小さい部屋で一人で歌った夕暮れに、はめ殺しのガラス窓から見えていたのは、あれは山吹の黄色い花だったか、それともまだ苦い茱萸の実だったか。

昭和だ。身体に浸みこんでいる歌だ。真っすぐこちらに向かってくる言葉が、子供をこども扱いしていない。言葉の達人が省略を重ねて生み出した言葉の連なりが、リズムのある歌曲と相まって、掘り起こしても尽きない思い出と重なっている。

 
  まろいまろい金のたまだよ (からたちの花が咲いたよ)      白い白い花が咲いたよ  (からたちの花が咲いたよ)

   里山の暮らし 897     2025.9.7
                                                      

 

 

 

  9月に入っても、いつまでも暑いですね、という挨拶は聞き飽きた

 9月3日やはり暑い日。友人が朝早く(7時半)にブルーベリーを取りに来てくれた。助かる。あと5キロぶら下がっている。

 日曜日、8月31日に開かれた講座「那須と戦争」ミニシンポジウムの内容は。今回は「那須の戦後開拓」がテーマだった。

戦後開拓の目的は
・食糧増産、復員軍人や海外引揚者、戦災者の就業確保のため、国策として行なわれた。
・昭和20年11月、「緊急開拓実施要領」が策定された。(終戦後3か月だ。優秀な官僚がいたのだろう)
・飛行場農耕計画----戦争用に存在していた全飛行場を開拓する。そこで働いていた人の就農を促進する。
・政府のパイロット事業の一環として。

 栃木県全域の戦後開拓、特に北那須への入植者
・開拓の歴史とその苦労。特に満州からの引揚者を中心としての「千振開拓団」と、飛行場を農地として開拓する「鉾田教育飛行団の入植」が話しの中心だった。
・開拓者の生活について----住宅建設、電気の導入、畑作から酪農へ、学校教育、保育所の建設など。

開拓地への入植の方法は、開拓団、引き揚げ軍人、地元民の入植、他地域からの入植というように異なる。従って営農形態も住環境も異なる。
開拓史が残っていない。というより、一次資料を残す必要性が無くなった。開拓農業組合は昭和40-50年代に解散している。

この5年間、那須の地勢、歴史、文学、明治時代の政府主導の開拓事業などについて勉強してきた。個人的に聞き書きを行ない、個別の状況について知る機会があったが、今回の講座で全体を俯瞰して見ることができたことが一番の収穫だった。

  9月2日 暑い日が続く 
トンボだって暑いのだ。しかしのっぴきならない理由がある。

「那須高原の」名前は市の観光課の陰謀のようだ。 那須だって暑い!気温33℃の灼熱の日差しが照り付ける青息吐息の午後。

しかし、秋は確実に近づいているようで、山からトンボが降りてきはじめた。まだ「赤とんぼ」にはほど遠いが、群れでやってきて庭を飛び回り、口を開けていると中に飛び込んできそうだ。

トンボたちは洗濯ロープに一定の距離を置きいて止まっている。なぜ逆立ちしているような姿勢を取るのか?
腹部を上げて止まるのは、体温が 上がらないように、身体に当たる日光の量をできるだけ少なくするため。
なら、日陰に移動しないのはどうして?
トンボにも理由がありました、縄張りを張っているから、その場所を移動するのは釈然としない。雄の僕、いつ雌がくるか分からないので 身体を張るしかない。寅さんみたい?

  9月1日 防災の日
9月8日未明(午前2時半から4時くらいまで)皆既月食が起きるらしい。
月が地球の影に入る現象で、おまけに土星が月に近づくタイミングに重なるので赤い月のそばに土星が見られるかもしれない。
寝過ごさないようにしよう。

                里山の暮らし 896  2025.9.4
                                                      

 

     すこしずつ秋の気配が

 さくらもみじ


郵便局から貰った種から育てたアサガオが、茂りに茂って、ガゼボの壁一面を覆ってしまった。

一つ、二つと花数を数えた数日後には、無限とも思える数の花を付けるようになってきている。

 
  覆輪タイプ

 アサガオは朝が来たから咲くのか?
アサガオは朝が来たから咲くのではないようだ。決めているのは「日没」の時間。日没後9-10時間後に花を開くらしい。
名前に似合わず、明るさを感知するのではなくて、「暗さ」を感知する機能を持っている。だから街灯や玄関灯の光りに晒されていると、時間が経っても咲かない、あるいはつぼみが少し開いたまま、という現象が起きることもある。

  秋の虫が集く声がしきりに聞こえ、野原にはススキが揺れている。心なしか、空が高くなったような気がする、
  フシグロセンノウがサーモンピンクの花を咲かせ、ユーパトリウムの青い花が盛り。

「那須と戦争」那須町文化センター開館25周年記念特別展が開かれている。
全体を通してのテーマは「那須と戦争 ---- 日清戦争から戦後開拓まで」。

明日の午後は、文化センターへ出かけて、ミニシンポジウム「中国残留孤児と戦後開拓を考える」という講座を受ける予定。
この5年ほどは、那須地方の地勢、歴史、植生などを学んできたが、今回はいよいよ戦後開拓の歴史を知ることができる。
----
大阪に住んでいた時の話。
「すぐ近くに住んでいた高齢のご夫婦が、満州で畳などの日本家屋の内装を手掛ける店を開いていた。
終戦の知らせを受けて、命からがら帰国するに当たり、男児3人のうち、一番下の男の子を現地の中国人に託してきた。
以後、そのご夫婦はテレビで「中国残留孤児」に関しての放映があると、画面を食い入るように見つめていた。」

三人の男児のうちの一番上の方は、
「ほのかに母親の背に負ぶわれて逃げていた記憶があり、いまだにその記憶は薄れることは無い。」
こう話しておられた。(その人も60歳になるかならないかで亡くなられた。)
こんな身近に歴史に翻弄された人がいる。感慨深い。一つひとつの事件の記憶を、次世代に繋げていかないといけない。

大噓でした。今日、8月30日の全国の最高気温は
 1位 桑名市40.5℃ 2位鳩山町40.3℃  3位熊谷市39.8℃  3位浜松市中央区  5位浜松3市天竜区39.8℃ ----
 那須も35℃に上がり、青息吐息。

    里山の暮らし 895   2025.830
                                                      

 

 

  これは何でしょう?   丸くて赤いもので暑魔退散を

 

 
 
カーリングストーンはありません。 
  UFO
でもありません。

これはかぼちゃ。会津名産のかぼちゃ。
地域振興の手助けをと、イメージキャラクターになっているかぼちゃ
   ----名前は かぼまる。

     新リンゴ津軽 450円。

こんなに鮮やかなオレンジ色のかぼちゃを見たことがない。味は超美味----うっとりするほどおいしい。弦とつながっている茎を切り取るのにとんでもない力がいるくらい中身が充実している。画像にあるまんなかの部分は「ヘソ」。直径15センチの大きなデベソ! 

金山町は福島県の奥会津地方大沼郡にあり、会津地方の西に位置し、新潟県と県境を接する自然豊かな町。   
  観光情報サイト    https://www.town.kaneyama.fukushima.jp/site/kanko/
 
 金山町観光物産協会  http://kaneyama-kankou.ne.jp/  

  
高齢の友人(88歳)が種を蒔き育て、そして8月。わざわざ家まで届けてくれた。こんなにデベソが大きくなった。食べごろ。
子供の頃のかぼちゃは、冬至まで縁側に転がして置き、保存食糧にしていたが、このカボチャはそうもいかない。足が早いので2.3週間のうちに食べつくさないといけないようだ。
「冷暗所に保管」と言われてても、外は外はもちろん暑明所。とりあえず「冷暗所」としてエアコンの効いた居間に置いているが、いつまでもこうはいかない。(右は光るキーボード。相棒がお気に入りの歌をさみだれ式に弾くおもちゃ)

さて、一番大きい包丁を取り出して切り、これからちょこっと「おすそ分け----かぼちゃ外交」に出かけよう。どうせ話し込 んで、ちょっとで済まないところがミソだけど。
これを大阪弁で「食べ助け」と呼ぶのでした。
 
  早起きしてブル−ベリ−の夏剪定
まだまだ収穫する実がどっさり残っているが、剪定の時期をずらせない。ぱらぱら落ちる完熟ブルーベリーを目の端に捉えながら、剪定ばさみで「どさどさ」伐っていく。
来年もまた成ってと願いながら、夏の追肥として糠や野菜の肥料を撒いてやる。
このあと夕立ちが来ますように。肥料が土に沁み込むから。

           里山の暮らし 894   2025.823
                                                      

 

 

     今年の夏の庭

    

えのぐ箱をひっくり返したような、夏の庭。うっそり。緑がしげって周囲を見渡せなくなった。
アスター、はなすべりひゆ、サルビア、アゲラータム、あさがお、高砂百合、ぎぼうし、マリーゴールド。

そろそろコスモスが咲き始めた。
山から赤とんぼが降りてきて、庭中を飛び回っている。胴体はまだまだ赤くなれないようだ。もうすこし涼しくなると色が乗ってくる。

         里山の暮らし 893   2025.817
                                                      

 

    エミリー三部作におけるメンタルヘルスとレジリエンス ---- ガーデニング療法について

【Mental Health and Resilience in the Emily Trilogy: Emily Byrd Starr and Cousin Jimmy through the Lens of Garden Therapy】

 ノートルダム清心女子大学名誉教授赤松佳子先生の論文が The Journal of L.M. Montgomery Studies に掲載された。
         赤松先生は日本におけるモンゴメリ研究の第一人者。

( The Journal of L.M. Montgomery Studies <  Landing Page | Journal of L.M. Montgomery Studies >で検索し、
     上の article へ。 さらに論文の題名で探してください。)
 

 ようやく読み終えて、著者のノートルダム清心女子大学名誉教授赤松佳子先生に読後感をお送りした。
 長い読後感なので、別ページにアップしました。

     「エミリー三部作におけるメンタルヘルスとレジリエンス ---- ガーデニング療法について 」を拝読して。

          

    ----ディーンは行ってしまった。
    庭は急に寂しくなった。薄い水色の薄暮の中に白い草夾竹桃の花(whitephlox)が そちらこちらに幽霊のように咲いている。----
                   エミリーはのぼる』 第6章シュールーズベリーの生活 村岡花子訳  

        里山の暮らし 892  2025.810
                                                                  

 

    ザンビアでの活動 友人のレポートより 

下の日記(2025.8.5)の友人から、現地の写真が届いた。
雰囲気を味わってください。

     
     子供たちに英語を教える。                象の群れ  毎朝川を渡って食事に。 
                                                                                                        群れ全体で子育てをしている。

        
  鰐 ワニ  こわ!                           村の市場 色とりどり

 キリンの子供がじゃれて遊んでいる。  < https://youtube.com/shorts/Rn2WkoyuFy4?feature=share >
 うしろのキリンが、前のキリンの首に前脚をかけているのが面白い。

             里山の暮らし 891  2025.8.7
                                                               

 

       ザンビア共和国 (Republic of Zambia)  どこ?  

  
                                                                                アフリカ希望基金  

一昨年の春、50年ぶりにわが家を尋ねてくれた女性(当時83歳)がいた。
相棒がほんのヒヨコの20代の終わりに、イギリスと日本のJV(ジョイントベンチャー)の日本における製造工場を3年近く与っていたことがあった。 彼女はその時代の秘書さんだった女性だ。
   (いちおう外資企業なので、ヒヨコのクセに秘書さんが付いただけのはなし。相棒が偉かったわけではない)

    そのJVの内容は;北海油田で産出する油を、海底に敷設した大径鋼鉄管を通して輸送する
    ---水圧に耐えられるように表面にコンクリートを厚さ5cmくらいになるよう吹き付ける。前代未聞?の技術だったはず。

彼女は30代でアメリカ人の建築家と結婚し、西海岸に住むこと50年。地域のコミュニティに参加し、趣味に、運動に、ボランティア活動に活躍し、未亡人となった現在も精神、身体とも活動的で魅力的な女性だ。
この5月、メールが届いて
「6月から7月にかけてザンビアへボランティアで出かけてくる。活動の内容は子供たちへの英語教育」。

 ザンビアってどこだろう。急いで世界地図を出してきて探す。かつては北ローデシアと呼ばれたイギリスの植民地だった国。公用語は英語。滞在するルサカは緯度15度、標高1300m。熱帯サバンナ気候だが、6月7月は乾期にあたり、温暖で快適な気候のようだ。
南に足を伸ばすとジンバブエの国境で、そのままビクトリアの滝まで道が伸びている。あらまぁ。

8月に入りメールが届いて:
「昨日ザンビアからアメリカに帰国。現地は気候が良くて気持ち良く滞在できた。Africa hope fundというボランティア活動に参加し、学校に図書館をつくり、本を送り、本を読む楽しみを教えていた。
ザンビアは環境教育が進んでいる。子供たちに本を読み、週末にはサファリに出かけて自然の中で動物をみてきた」(要約)

日本を離れて50年も経つと、漢字を思い出すのに苦労するようだ。後半分はすべて「ひらがな」で書かれている。

 彼女が参加したアフリカ希望基金とは:
アフリカの人びとが生産的で健康的な生活を送れるよう支援し、野生動物を保護することの価値について教育することに専念する非営利団体。   アフリカ希望基金

敬愛する犬養道子さんの言葉にこうある。
「両手を伸ばし、指の先に触れた人を助けなさい」、「身近な人と理解しあいなさい」。
彼女は両手を伸ばしてザンビアの子供に力を授け、授けられたようだ。

いま、喝を入れられた気分でいる。
私もSANEの活動にもっと目を向けなければ。
 SANE エクアドルの子どものための友人の会  特定非営利法人  https://sanejapon.org/  

  
  2年前の春の彼女。相棒と一緒に。まるでやんちゃな姉と弟みたいだ。

    里山の暮らし 890  2025.8.5
                                                       

 

 

   おじさん。食べるつもり? ヒグラシの抜け殻をフロントガラスに並べて

   オジサンの趣味?

空蝉の大きさと透明感から、この抜け殻は「ヒグラシ」のもの。助手席には仕事道具と思えるさまざまが積んであるので、車の持ち主は大人の男性のようだ。
並べて楽しんでいるのなら、少年の心を持った大人の男の人かもしれない(と断定していいのか)。

日本では『源氏物語・空蝉の巻』で知られているが、古語としては現身(うつしみ)との対照で語られることが多い。不思議なことに日本では蝉の抜け殻は「儚い、衰えた」の象徴的な意味を持つが、外国では「生命力」の象徴とされているらしい。なぜだろうか。
・長い期間、土の下で過ごして羽化した後、元気よく飛び立つ姿から「生まれ変わり」の意味を持たせているらしい。
・もう一つ、抜け殻は何年も木にくっついていたり、ふと庭の隅で見つかることがあり、腐ることがない。抜け殻にはどうやら抗菌作用があるらしい。生命力の強さを想像させよう。

あなたはエビフライのエビの尻尾を食べるタイプ?私はよほどひどい揚げ方をされていない限り、食べます。かりかり美味しい。それにカルシウム補給にもなる。

そうなのです。蝉の抜け殻にはカルシウムが豊富でアミノ酸を含み、おまけにキトサンもある。
漢方で使われているのもむべなるかな。さて、どう食べましょうか。
摺り下ろしてふりかけにするのが一番でしょうか。(冗談ですよ)食習慣は一種の文化。

 陽ざしが強くて庭がパリパリに乾燥してきたので、一日中水撒きをしている。5m×5mの広さを自動散水装置(ホースに散水道具をつないだだけ)で3時間。夜中は庭の一番標高の高い場所にセットして朝まで自然に地面を伝って水が流れ落ちるように。
水は今のところ那須地方は潤沢で、わが家の水源は集団で使う井戸水。余った水を捨てているくらいだから、あまり罪悪感は無い。

      ブルーベリー。こんなに大きさが違う デブルーベリー。

     里山の暮らし 889  2025.8.1
                                                       

 

   アブラムシは女系家族  単為生殖するエゴノネコアシアブラムシ

  エゴノキにぶら下がるエゴノネコアシ(エゴのねこ足)

アブラムシといっても、あのGではなくて、ぽつぽつと気味悪く並び、透明な身体で植物の枝先などで樹液を吸っているヤツ。
あのアブラムシはみんなメスの集まり。このエゴノネコアシは、エゴの木に取り付いた
エゴノネコアシアブラムシが作った「ちゅうえい・虫こぶ」。

春、卵から孵化したアブラムシの幼虫はぜ〜んぶメスばかり。
成長すると交尾しない のに卵を体内で生み、そのままメスの幼虫を産み続ける。まるでアマゾネスの国の住人みたい。 想像してみて!あたりいちめんメスばかりの世界を。
メスは10日くらいで成虫になり、寿命は短いもののその間に100近い卵を産み、その卵が10日で幼虫から成虫へと大きくなり、そのメスばかりの幼虫が-----繁殖スピードは半端ないはやさ。
お母さんと娘と、その娘とそのまた娘が、クローンの形でどんどん世代交代していく。
春から秋にかけてはメスだけで繁殖し、秋になるとオスが現われて交尾して卵の状態で冬を越す。おお、やっとオスの登場か!
これを単為生殖と呼ぶらしい。こんな身近に不思議が生まれている。

* 冬の初めにふわふわ飛んでいる「わたむし」は、アブラムシ科の動物。
    風情があるなどと浮かれていると、思わぬしっぺ返しがある。最後の防除にかからねば。

  
   これはマタタビアブラムシの虫こぶ。  生薬の(木天蓼 もくてんりょう)として利用される。効き目は抜群。

 全国の気温 ランキング (2025.7.26日)気象庁のHPより
      福島県伊達市39.9℃ 福島市39.2℃ 群馬県桐生市39.2℃ 埼玉県比企郡38.9℃ 京都府宮津市38.7℃----

   ゆうちょあさがお杯開催中   あれから2週間
 
    
すくすく。音を立てて成長しているゆうちょあさがお。
予想通り4番がトップだったが、ダークホースが1番と9番。10番を追い越し天井に届いた。

       里山の暮らし 888  2025.7.27
                                                       

 

 

    はやく緑になりなさい、見つかってしまうよ。  日本アマガエル  無尾目アマガエル科

 
             茶色の日本アマガエル                  百合の葉っぱの中でかくれんぼ

あさがおの葉っぱの上で、まったりしている日本アマガエル。茶色だけど、いままでどこにいたの、枯れ葉のなか?
早く緑にならないと、敵に襲われるよ。
  敵は(イタチ、タヌキ、鳥、爬虫類、両生類、水生昆虫、蜘蛛など)
  捕食するものは(昆虫、蜘蛛など。自分の身体に合わせて、見つけたものを捕食する)

食べられて、食べて。この循環が日本アマガエルの一生。指に吸盤が付いているので、段差があっても直立する壁でも、どこでも上り下り、移動できる。

緑になりなさい?
真皮と表皮の間に、黒、青、黄色の色素細胞を持っているので、ホルモンの分泌によってその量を調節し、周囲の色に溶け込むように体色を変化させることができる。すごい。
ケロケロ鳴いて雨の予想だってできるなんて、すばらしいことだね。

   天敵は----てるてる坊主らしい。

    里山の暮らし 887   2025.7.23
                                                       

 

 

  線状降水帯の犠牲に ---- せっかくの山百合が


今、庭に咲いているのは、
山百合が50本、そのあとカサブランカが30本咲く予定。
左の山百合は一本の茎から16個もの花を付けた。
庭中がいい香りにつつまれて、夢見ごごちだった。

ところが。線状降水帯がどこからともなく近づいてきて、真っすぐ立っていた百合の群れを襲った。
  乱暴狼藉の景色が広がる今日の庭。

 
 アメリカンショートヘアーのみーこちゃん。
 時どき遊びに来てくれる。チュールが大好き。

 この子のお姉ちゃんがいて、名前は「よーこ」ちゃん。
 よーこちゃん

  平成10年8月末 北関東・南東北豪雨災害(那須水害)  まだ大阪に住んでいた頃の出来事

平成10年(1998)年8月26日から31日にかけて、北日本や東日本各地では8月の月平均降水量を上回る大雨に見舞われた。栃木県北部や福島県などでは記録的な大雨で、隣町の那須町では600ミリメートルを超える日降水量を観測(27日)。
那須町の一週間の雨の総降水量は、1,254ミリメートル。この住宅地も道路を川のように水が下って行った(そうです)。
大きな被害があって死者22名、行方不明者2名、負傷者55名ほか。那須町の余笹川の上流や中流には、慰霊碑が立っている。
ずんずん那珂川を下って、黒羽城址を見上げるあたりにはやはり慰霊碑が。そこに立つと信じられないほどの水流が流れ去ったことが身をもって理解でき る。酪農農家の牛さんたちが、水戸まで流れていった、という悲劇も伝わっている。
 

         里山の暮らし 886   2025.7.18
                                                       

 

     ゆうちょあさがお杯開催中

 向かって右からカウント

第4のレーン「ハナコさん」、第10のレーン「たろうくん」。
ガゼボが良く見える花壇にあさがおを並べて植えて10日後。「競争しようね」と私が言い出し、めいめい一本の苗を選んだ。どちらが早く天井まで登るかの競争、名付けて「ゆうちょあさがお杯」。

今のところは僅差。私の4レーンの苗のほうが、ほんの3cmほど背高のっぽで、残りの苗たちを見下ろしている。どうだ!
(と言っても、はじめに一番背が伸びている苗を選んだのは私。相棒はあてがいぶち。なに先んずれば人を制すだよーー。)

 で? なぜゆうちょ杯なの?
それはね、去年の秋の終わりに、近くの郵便局の入り口でのびのび大きくなって青い花をたっぷり付け、どっさり種を結んでいるのを見て、「あの種を下さいね。」「どうぞどうぞ、沢山持って行って」。
  これがゆうちょあさがお杯の名前の由来。

春になって気温が上がった5月中旬に種を蒔いて----あたりまえのように発芽してきた。短日植物のあさがお、夏至が過ぎたらがぜん背を伸ばし始めた。

さて、競争に勝ったからと言って取り立ててご褒美はないが、ちょとしたお遊びの夏の日々が続く。

                 里山の暮らし 885  2025.7.14
                                                       

 

 

  菩提樹の花が ---- 見られなかった。あまりの暑さにはやばやと咲いて散った

明治時代、ドイツ公使や外務大臣を務めた青木周藏の別邸前に、見上げるほどの高さで茂っているのが日本の菩提樹(シナの木)。
別邸の庭はハナ夫人になぞらえてドイツ風に仕上げてある。植えこまれているのも、この日本菩提樹をはじめとしたヨーロッパ風の樹木。そのなかでもこの菩提樹がひときわ目を引く。
花どきは枝えだから垂れ下がった花が、香りを撒き散らす。この時期、うすくひわ色とも緑黄色とも付かない花が那須の風に揺れている
----はずだったのに、今年は気温34℃の暑さにへこたれてしまったようだ。でもしっかり結実している。

   日本の菩提樹 (シナの木)

シューべルト歌曲集「冬の旅」第5曲、原題「Der Lindenbaum」に歌われている菩提樹(西洋菩提樹)。
メロディの美しさ、和音の奥行の豊かさ。ふっと変化する構成が歌曲の王・シューベルトらしさだろう。
この木を見るたび思い出す。母親が病み、家族がまとまりを無くしていった悲しい時期に、この歌を聞いて涙していた。冬の旅だった。

泉にそいて茂る菩提樹
したいゆきてはうまし夢見つ
幹には彫りぬゆかし言葉
うれし悲しにといしその陰
 
今日もよぎりぬ暗き小夜中
真闇に立ちてまなこ閉ずれば
枝はそよぎて語るごとし
来よいとし友ここに幸あり

はるかさかりてたたうずまえば
なおもきこゆるここに幸あり
はるかさかりてたたずまえば
なおもきこゆるここに幸あり
ここに幸あり
     1827年 ドイツ歌曲 作詞:ヴィルヘルム・ミュラー 作曲:フランツ・シューベルト 訳詞:近藤朔風

     感情に添うやわらかな歌詞だ。古語を使っているのが心の揺らぎとぴったり合う。
     ここに幸あり、ここに幸あれと。
 

     里山の暮らし 884  2025.7.12
                                            

 

 

   私は安全なひとなのか

思いがけないところで、まったく知らない人から声をかけられることがしばしばある。
たとえば。

・JR駅へ切符を受け取りに行った。入口のドアを開けると、向こうからやってきた中年の女性(こういう場合はオバサンだよね)が、私の顔を見ながら足早に向かってきてこんなことを訊いてきた。
「私、東京から葬儀に来たのですが、この土地の香典の額について教えてください。」
驚く。知りません!と突っぱねてもいいのだけど、もともと好奇心の旺盛なワタシ。ついつい応じてしまう。
「どなたの葬儀でしょう。あなたとの関係性は。予算は決めていらっしゃるのですか」。
「妹の夫(義弟)です。お札2枚は良くないと聞いているので、1万円一枚とと5千円二枚にしようかと----」。
こちらから口を出すことは無いのだけど、
「妹さんのお連れ合いなら、のちのちのお付き合いを考えてなさったらいかが?」。
 

・夏の服、と言っても襟付きのポロシャツを探しに、大手スーパーの洋服売り場に入ったら、すかさず高齢の女性(やはりオバサンだよね)が、手にブラウスを持ちながら近づいてきて、
「このブラウス、どうでしょう?姉に頼まれたのですが」。
またまた。つい応じてしまう。
「年齢は、サイズはMですか。どこに着ていかれますか」。
「病院に、診察を受ける時のために」。
「なら、化繊だけだと冷房で冷えますし、綿混紡のほうが対応できますね。張りがあって脱ぎ着できるように完全な前開きがいいかもしれません。病院ですから、どんな菌が付いてくるか分かりません。家へ帰ってすぐに着替えられるような服がいいかもしれませんね」。
オバサン納得。
その後も、「これはどう?」、「これは?」、「次のこの色は?」----と尋ねられてそのたびお相手をすることになった。
オバサン、帰りがけに「おかげでいい買い物ができました。お尋ねしてみて良かった」とおっしゃる。
自分の買い物は「白の衿付きポロシャツ」一枚、2000円なり。

よほど、ワタシ安全なヒトに見えるのか。人畜無害か?

  七夕さまのお飾りに  笹を切ってきた
やはりお飾りをしないと、なにか悪いことが起きるかもしれない、なんてことは無いけれど。
短冊に相棒が書いた言葉は「一病息災」「一日が穏やかに終わりますように」「車は魔物、あちらから向かってきませんように」。
私は「刺激のある毎日を」「健康第一」「根気をください」。

ここら辺に違いがあるなぁ。

   ネパール館、いよいよ公開に。

大阪万博の「ネパール館」。予算の折り合いがつかず、工期が遅れていて開館を危ぶまれていたようだが、ようやく先週オープンした。
良かった。応援していたけど、個人では何もできない。発展途上の国なので、さまざまな問題を抱えているが、これを機会に日本の皆さんにネパールの良さを分かっていただきたいと考えている。

  コックピットからみたエベレスト

      里山の暮らし 883  2025.7.6
                                            

 

 

   いよいよやってきてくれた シジュウカラの雛たち 

 全部で6羽。手前はまだ孵っていない。

シジュウカラの雛たち。。頭や背中の毛がまだ生えていないので孵化後一日くらいか。あまりにいとけなくて----だってまだ目が開いていない----慌てて巣箱を閉めて私の顔を見られないようにした。じつは この巣箱、「ノゾキ」ができるように作ってある。
雛たちは目が開いたときに見たものを「親認定」する。つまり刷り込み、imprinting。もし私を親鳥と思われてしまったら、毎日何十匹もの青虫を捕まえてこないといけない。はらぺこあおむしならぬはらぺこ雛たち。ちょっとそれは難しい。

シジュウカラは言葉を持つ。鳴き声で雛に命令したり、危険を知らせたりカラ類の仲間と交信したり。
言葉を組み合わせて意思を表現する----文法だって持っているのです、シジュウカラは。

 

カナダの映画『グース』に 刷り込みの話しが。

トロント近郊の湿地が開発された。
そこで巣づくりしていたカナダがんの親鳥が犠牲になった。残された卵を温めた少女エイミーは、孵った雛たちに母鳥認定され慕われ、雛たちはどこへ行くにもエイミーに付いていく。

カナダがんたちは、冬を迎えて南のフロリダへ「わたり」をしないといけないが、飛び方を教える母鳥がいない。

そこで少女とその父親は手製の超軽量飛行機を作って、カナダがんの群れを先導してフロリダまで空を飛ぶ。
こういったお話し。何度見ても面白い映画。

エンジニアの相棒、この飛行機を作るには----とウンチクを傾けてくれる。
少女エイミーの心の中をおもんぱかる、なんてことはしない。
なにかを作り出すのは刺激のあること。

しかし、食事を作るのだって「作る」ことの仲間だけどな。

  アンズをお願いしたら桃が付いてきた

     

朝7時40分、杏の生産者さんと待ち合わせ。ジャムにするのに丁度いい頃合いの杏が手に入った。

無骨な大きな手に代金を渡したら「なんぼでも持っていっていいよ」。いかにも気の良さそうなおじさん。大きなコンテナ一杯の小ぶりの早生桃を見せてくれる。
「全部でもいいから持って行って」、「選別から漏れた桃だから売り物にならないんだ」。
おじさんは、ひたいに滴る汗を拭くこともせず、顔いっぱいに笑っている。
うむ。
こういう時って難しい。欲しいよ、でも欲深かに思われてもなんだかな。でもおいしそうだよね。----と心の中で葛藤することしばし。
バッグに潜ませている「もしか袋(もしかなにかいいものがあったら貰ってくる袋)」を広げてどしどし入れていく。友人たちの分も含めて全部で35個。「そんなんでいいの?」とおじさん。「まだあるよ」。
今年の夏も暑いようだ。気のいいおじさん。体に気を付けて果樹園の仕事に精出してくださいね

あまりに大量なので、皮をむいてコンポートに仕上げ、一回ずつの袋に小分けして冷凍した。「桃の缶詰風、シャーベット」がいくつもいくつも。これで当分の相棒のおやつができた。

           里山の暮らし 882  2025.630
                                            

 

   赤フサスグリのジャム   アンのいちご水事件

----棚の瓶を一目見るとマリラはそれが手製の三年たった葡萄酒(three-year-old homemade currant wine)であることを知った。    
              『赤毛のアン』 第16章 ティー・パーティの悲劇  村岡花子訳より

 赤フサスグリ 600g 貴重品
生食するほか、ジャムやゼリー、ジュースにする、干してケーキに入れるという使い道があり、その赤い色はさながら宝石。

 
いちご水事件の顛末はこう。
アンは「
raspberry cordialCordialは砂糖を加えて煮詰めた果汁を漉したもの)をダイアナに飲ませるつもりで、間違えてマリラが作った「currant wine」を飲ませたというわけ。村岡訳では原作の「currant wine」を葡萄酒と訳してあるので誤解しがちだ。ワインは発酵させた果実酒。レッドカランツの実には、自然の発酵菌が付いていたのか、マリラは発酵菌を足したのか。

一度この「red currant」をスピリットに漬けてみたが、果実の皮が固いからかあまり果汁が浸み出してこず、美味しい果実酒にならなかったので、今年はジャムにしてみた。
半分煮込んだ後、皮と種を濾して更に煮込んでできあがったジャムは、鮮やかな赤ワイン色。

一年分のジャムを作る時期なので、
 ・いちごジャムを作って冷凍し、
 ・梅のペーストもジップロックに入れて冷凍庫へ
 ・アンズを農家さんに予約して到着待ち。
なんだか気持ちだけが忙しい梅雨のいちにち。

 友人から届いた枇杷 
 毛むくじゃら。甘い。小さいのに種がそのほとんど。

        里山の暮らし 881   2025.6.25
                                            


 
 
懸案事項が終わった----なぜ気温35℃の日に?

    AURO  ドイツ製の自然塗料

天然ワックスAURO。匂いもなく使いやすい。
それはそうだけど、なぜ気温35℃の日に「ワックスがけ」を思いつく?
絨毯をはがし日に当て、掃除機をかけて湯に溶いたAUROで床を掃除していく----それがどれほど暑い仕事なのか。分かっていても「思いついたときが働き時」の相棒には、私の言葉など左から右へと通り過ぎるだけ。
でも途中でこんなことを言っていた。「手伝ってくれないのだから」と。あれ、甘えているのかな。手伝っているじゃない。

「ああ、懸案事項が一つ終わった!」と大きな声で言った。
ということはほかにもまだ「二つ目、三つ目、四つ目---」と予定の仕事があるのか。
 

    里山の暮らし 880   2025.6.19
                                            

 

 

    ハスカップの小さな実 (スイカズラ科  ウグイスカグラ(右)と同じ科に属 する。両方食べられる。)

 
   ハスカップ (スイカズラ科)                   ウグイスカグラ (スイカズラ科)

うれしいうれしい。やっと手に入った。去年も見つけたのだが、ジャムにする量を買い求めると随分な金額になるので、つい迷ってしまっていた。もう迷うことない。なにしろこれから後の人生は短い。
  今朝、ジャムにした。濃い紫色のジャムがほんの少し。尊いほどの少なさだ。
青函トンネルが完成したのは1988年。この頃北海道へ旅した人からお土産にと頂いたのが、「トンネルパイケーキ」だった。バターの効いたサクサクパイ生地にたっぷりの「ハスカップジャム」が入っている----虜になった。あれ以来ハスカップ愛は衰えないまま。
生産者は予想通り北海道出身の方。わざわざ那須まで持ってきて栽培してくださっている。ありがたいこと。

 午後は「那須と歴史」中近世における那須地域の様相 特に那須地域の城館 このテーマの講座に出席する予定。
わざわざ書いたのは前回、前々回の講座を連続して欠席したから。ちゃんと言い聞かせておかないとサボり癖がでてしまう。草取りで忙しかったのだけどね。

 いよいよ梅雨入り。小ぬか雨が降るというより漂っている。 泥棒を捕まえて縄を綯うの通り、背が高くなったヒマワリやタチアオイに支えをしてやった、雨の中なのに。分かっていても前もって準備できないオロカモノ。濡れてしまったじゃないか。
気になっている友人(英語の先生)へ送る荷物の準備をしよう。目を酷使するお仕事なので、韃靼そば茶や身体にいいと言われる食べ物を詰め合わせて送る予定。

     里山の暮らし 879   2025.6.14
                                        

 

    朋は遠方へ旅する

 
6月4日に横浜を出港したのだから、今日は青森に停泊 しているかな、小樽のレンガ倉庫を巡っているのかな、それとも日本海を南下しているのかもしれないな。
海の上でご夫婦でゆっくり旅をする----来し方を思い出す。これからを考える。
いい日になりますように。

今日、海の上を行く友人には、一度会っただけ。それも10年前のこと。
カナリア諸島を大型船で巡っていた時、偶然デッキで声をかけられ、一緒に食事をしたことがあった。
話した時間を全部足しても3時間ほどか。
その時からネットを介して会話したり、珍しい物を送っていただいたり。不思議なご縁だ。

その友人と私と。共通するのは「好奇心が強い」「反抗心が強い」「文句を言ってみたい」「どこかへ出かけるのが大好き」など。だから今まで関係が続いている。
今日の日本海は荒れているかな。
凪もいいけど荒れる海を観ているのも楽しい----そう考える友人のはず。


梅雨が近いのか、芝生に蛙が現れた。丸くて可愛いよね。
ちょっと鳴いてみてくれない?

 トウキョウダルマガエルか
 ヤマアカガエルか
 ニホンアカガエルか

どの蛙か分からない。
あっという間に草むらに隠れてしまったから。

実は上に書いた友人は、蛙などもろもろの物が大嫌い。
おそらくこの画像を見て ぎゃー と叫ぶはず。
それを見てみたくて、わざわざ貼り付けてみた。 
 

    

          里山の暮らし 878   2025.6.8
                                        

 

       頭の上に子葱をかぶって  
  向こうはニラ(香りが高い)

葱畑ではそろそろ、ネギ坊主が目立つ季節にはいったようだ。
ところが庭のネギは、坊主にならずに頭でっかちになってきた。頭から子葱を生やし、分株しようとしている。

階段ネギの別名は「三段ねぎ、二階ねぎ、灯台ねぎ、軽業(かるわざ)ねぎ、親子ネギ、三階ネギ、やぐら葱、楼葱など。多彩ですね。
日本古来のネギ。今や絶滅危惧種に近い希少種らしい。名前----かるわざねぎがお気に入りかな。

次の雨の日の前に、子葱たちをばらして地植えにしよう。
北海道のたまちゃん、この子葱を送りましょうか。そちらの畑で増やしてみますか?

             野茨  ノイバラ

      ノイバラ (バラ科)  古語では「うまら」  (『万葉集』での表記は、宇萬良、棘原)

高さ2mくらいまで生長する落葉低木の野薔薇。 うまらは「うばら」の東国方言。5月末、良い香りのする白い花房(円錐花序)を枝一杯に付ける。草原の中に輝く白い花房に惹きつけられるように近づくと、あたりにはむせるような香りが。
実は秋に赤く熟し、果実酒にしたりリースの材料に使ったり。
この花が咲くと春が終わって夏が来たのを感じる。そろそろ卯の花が花盛り。

      里山の暮らし 877    2025.6.5
                                             

 

    春と夏のあわいには



芍薬と西洋石楠花が花ざかり。デルフィニュームが花穂を高く伸ばし今や私の背よりも高くなった、。ビオラはそろそろ抜かないといけない。小町草(赤)が勝手に生えて好きに咲いている。

芍薬の花の群れが庭に5か所あり、毎日誰かがやってきて、腕一杯に切って帰っている。昨日もそうだった。
  あなたもどうぞ。おいでになれば花の玉をプレゼントしましょう。

左手の空いた場所にはアスターの苗を植えてみた。明日から雨なので、午後はアゲラータムを短く切り地面にじかに差すつもり。

   白い柵のところには、ルーラさんの有名なひえんそうが青い松明のように咲いている。
   マリゴールドはちょっと立ち止まって花に見とれた。----ひえんそうの茎の間から----
               『マリゴールドの魔法』 第16章 ランプの灯 田中とき子訳

         里山の暮らし 876    2025.5.30
                                        

 

     古くても使っていない切手がどっさりと

一週間の九州一周鉄道旅行から帰ってきて、当然のように待っていたものは。勢いづいた庭の雑草たち。
二日間はしゃにむにがんばる。腰を落としてがんばった。草取りはいつも配色が濃くてうんざり。



そこへ90歳を越えた友人が、若い頃集めた切手をどっさり持ってきてくれた。
「全部上げます。」
そう言われても切手だから今でも通用する。ただそれが5円、10円、20円という少額切手なのでことは面倒だ。全部で500枚近くの古切手をを額面で仕分けし総額を出すと8千円近くになった。

麗子像、源氏物語絵巻、国立公園シリーズ、1970年の万博記念、見返り美人、ビードロを吹く女、歌舞伎シリーズとさまざまで、これがシートとして保存してあったら価値があったのかもしれない。
今朝は近所のスーパーへ出かけ、総額と同額の商品券を買ってきた。彼女に渡すつもりだが、きっと「要らない」などと口走るに決まっている。私も困るけど、極めつけのせりふで口を封じることにしよう。「商品券を受け取って貰えないなら、切手はお返しします」とね。

そのなかに「一銭五厘」の切手が何枚かあったのに驚いた。
戦時中この一銭五厘の切手を貼って召集令状が届いたと言われている。(正確には各家に直接届けられたらしいが)
   
だから、私からこまごまと少額切手を貼った手紙などが届いたら、あああの古切手を並べたのだなと思ってください。

今日はさすがに、いまだに5月だったことを思い知らされる日。
冷たい雨が降りしきる一日になった。

         里山の暮らし 875   2025.5.25
                                        

 

    だれか探花に来てくれないか  探花----科挙で三番目の成績を得た人、その才能。牡丹の花を探す役目も。

 このところ天候不順だけど季節の歩みは着実なようだ。石楠花がつぎつぎに咲き、レモンイエローの桜草が花壇を縁取り、牡丹が咲き始め た----ももいろ、あか、そして黄金色と。
本来、今日は那須町のシニアカレッジカメラ講座を主宰なさっている方が、生徒さんをお連れになって撮影実習にいらっしゃる予定だったので、丁度いい 。皆さんに切って差し上げようと考えていたのだけど、雨。牡丹泣かせの雨。実習は中止になった。仕方ないからご近所の友人に配って歩くことにする。
 

 「那須と歴史 中近世における那須地域の様相」のテーマで4回に亘って開催される講座のうち、初回の
「中世の那須野が原と塩原」の題の講座を受けてきた。
「那須野が原」がどこを差すのか。中世と現代ではその示す地域に差がある。
『吾妻鏡』にはじめて登場。
巻狩とは。鎌倉幕府を開いた皆友野頼朝が、自らの精力を誇示するため那須野が原で狩りを催したことに始まる。
那須野が原は坂東の境界のひとつ。陸奥に至る玄関口。下野と南会津を結んだ重要な交通路だった。
塩原と峠を越えた三依は、鎌倉時代以後、政治や経済において強い結びつきがあった。
中世塩原の支配者はだれ?
塩原の湯は献上湯とされていた。リューマチに効用がある。

講師は 宇都宮短期大学人間福祉学科教授 江田郁夫氏
歴史愛、郷土愛、塩原愛に満ち最後まで学究の徒としてのおのれを自覚なさっていて、その熱意に圧倒さる。謙虚に自分の知らないことに対し教えを請う態度に打たれた。こんな先生に教えられていた高校生が羨ましい。


 さて、牡丹をなぜ切ってしまうのかと言うと。
明後日から二人で九州一周の鉄道旅に出かける予定。乗り鉄の面目躍如!昨年夏は北海道へ、今年は相棒の知らない九州を一周しようと思いついたから。いつまでも元気ではいられ るとは限らない。
大分に学生時代の友人が住んでいるので連絡を取ってみたら、いまだに返事がない。良くないことが起きたのかもしれないと心配している。

乗る電車は「36ぷらす3」 JR九州が企画し、JR九州および肥薩おれんじ鉄道が運行する特別急行列車。
最後に長崎へ行き、グラバー邸を見学し軍艦島へ渡る予定。
しかし相棒に前もって話しているところ。長旅なのでくれぐれも「食べ物+お酒の量」に気を付けて羽目を外さないようにと。
         

    アマガエルがけろけろ


     里山の暮らし 874   2025.5.12
                                        

 

 

      オオデマリの大枝が、花の重みで折れた



窓から見たオオデマリの枝。高さ2メートルもある。夜来の雨で丸い花が水を含み、重みで折れてしまった。
とりあえず窓に持たせかけて、二人の反省材料としている。
こうなることは予想が【十分】ついていたのに、ついつい後回しにしてしまった----結果がこれ。情けない。
この大枝をどうしよう?



門柱から見た南庭。中央奥にあるのが ↑折れる前のオオデマリ。赤いのはヤマツツジ。
野鳥が少なくなってきている、その数も種類も。去年は庭の5個所に掛けた巣箱は満員御礼で、合計30羽近くのシジュウカラが巣立っていったのに、その後の灼熱と冬の寒さが堪えたのかもしれない。わが子とも思えた雛たちがこの春、成長した姿を見せてくれない。なんとも寂しい思いだ。
ミツバチも少ない。ブルーベリーの花が受粉する手伝いをしてくれているのか----これは何とか大丈夫なようだ。

午後は、図書館へ。次に那須野が原博物館主宰の講座「那須と歴史」の初回テーマの
 「中世の那須野が原と塩原----陸奥へと通じる二つの玄関口」を受講する。
 

       里山の暮らし 873   2025.5.10
                                        

 

    春が長けゆく

     5月5日 レンゲツツジが咲いてきた。    レンゲツツジ
菖蒲を軒下に飾って悪疫退治をする日、お風呂に入れて香りを楽しみ子供の健やかな成長を祈る日。
 菖蒲は精が強いので普通に花壇に植えこむと、あたりの植物を乗っ取ってしまう。

  


南庭から入口を見るとこんな感じ。トレリスもレンガの門柱もすべて相棒が(若いころ)造ったもの。
手前から百合(カサブランカ)、芝桜、デージー各色(ハイジシリーズのうち、ハイジ、クララ、ヨーゼフ)、どっさりの忘れなぐさ、デルフィニューム、 トレリスに絡むのは挿し芽したクレマチス・モンタナ・ルーベンス。 長いのは南米インカの兵士の木彫り。(ちなみに、百合を植えるならカサブランカ。ウィルスにも暑さ寒さにもめっぽう強い)

    5月3日   住宅地のゴミ掃除の日。
あれほどお知らせにあったのに、午前8時45分に集まってきたのは相棒を含めて「たったの5人!」
それもそうだ。10年前に比べて落ちているゴミが絶対的に少ない。やる気も起きないというもの。形だけゴミ袋をぶら下げて歩き、もっぱら住民の身辺に 関する話題で終わったようだ。
「入院した」、「手術した」、「施設に入った」、「子供の所に移った」云々。
ここの住宅地には老後問題が無い。?
この土地で人生の終わりまで過ごす人は少なく、みなそれぞれの解決方法で乗り切ろうとしているからだ。 認定を受けて介護保険を使っている人の話を聞いたことがない。土地に愛着が持てないのなら、ゴミ掃除の奉仕活動へ参加しないのも
むべなるかな。
 

   5月1日 初ホトトギス  晴れた日は空を見上げて。
いつもの年に比べて4.5日早い。「てっぺん欠けたか。 テッペンカケタカ、欠けたか---」と、高い空の上で賑やかに鳴き叫び、隣の林に渡っていく。他人を(他の鳥を)脅すためにか、身体のわりに大きな羽をぶざまに羽ばたかせながら飛ぶさまは、何度見ても笑えてくる。今年の托卵は上手くいくかな?  托卵相手も次第に利口になってきているよ。

           里山の暮らし 872   2025.5.6
                                        

 

    春はますます早足に

  5月1日 緑の中で緑が揺れて、花穂も揺れる   メーデーでシュプレヒコールを上げた若い頃を思い出して。

 

この長い花穂を持つのは、バラ科ウワミズザクラ属の落葉高木。日本名は上溝桜 別名ハハカ(波波迦)。
    <https://youtu.be/JveiVp7sa-M>

この樹の幹は古代の占いに用いられていたらしい。溝を彫った板(波波迦)が作られたことから「ハハカ(波波迦)」と呼ばれるようになり、葉がサクラに似ていることから「上溝桜」と転訛していったようだ。

プリンスエドワード島に咲いている「チョークチェリー」によく似ている。チョーク=白墨かと思っていたら、まったく違っていた。ピリピリする、発火する、刺激的な----のチョークだった。
揺れるのを見上げていると、身体が揺れて酔いそうになる。ふら〜りふらりと枝が八の字を描いている。

この花の果実が熟すと「あんにんご」と呼ばれ、日本料理に使われると教えてくださったのは、アンのお仲間の〇〇ナムさん。お料理の先生です。
このあんにんご(杏仁子)は、かの三蔵法師が、仏教の経典とともにこの「あんにんご」を求めて旅したとの説があるくらい効用あらたからしい。

実はこの数年と言うもの、秋になると木の下に陣取って手を伸ばし、茶色く熟した実を食べてみている。
味は?   杏のようにやや酸味のある味に加えて、柑橘類の爽やかな香りがほのかにする。コクがある。いかにもこの味は料理と料理の間を橋渡ししてくれそう。 エノキ・榎の茶色く熟した実の味にも似ている。


 
 4月28日 アケビの新芽でお茶を作る ---- ぶらっと歩くとアケビにあたる 

   アケビのツルを蒸したもの
ぴょんぴょん伸びているミツバアケビのツルを集めてきた。蒸して短く切り乾燥させてお茶にする。
子供のころ、5月の連休には、すぐ上の姉と連れ立って野原に出かけて「アケビのツル」を集めてきたものだった。
厚手の鍋でゆっくり炒ってほうじ茶風に仕上げようか。

  4月28日
      山菜がつぎつぎに ---- タケノコ  ぶらっと歩かなくてもやってきた

  
 タケノコ  大きい!

↓シラキが大好きな友人に届けたら、庭先のタケノコが届いた。嬉しいって、春の日にこれ以上嬉しいことはない。
糠であく抜きをしてあり、このまま料理できる。
先っぽが無いのは、新わかめと合わせてお味噌汁にしてしまったから。
うっかり全身像を撮るのを忘れた。迂闊だった。ごめんねタケノコ。

  4月27日
    山菜がつぎつぎに ---- コゴミ
  ぶらっと歩くとコゴミにあたる

あまりいい天気なので、思いついて那須の山すその園地へお弁当を持って出かけてきた。人っ子一人いない。見えるのは新芽をのぞかせた雑木林の中に、ポツンぽつんと咲く山桜が春の日差しを押し返し輝いている風景。
静か過ぎて怖い。「もうすこしひと気のある場所に移動しようか」「そうだね」「お弁当を熊に盗られるかも」---。
  足元に「コゴミ」が茂っている。もちろん折り取ってきた。
  天ぷら----これは昨夜食べた。なら胡麻和え酢味噌和えか。どっちにしようか? 

    こごみ
 

     4月26日 
   山菜がつぎつぎに ---- 白木・シラキ  ぶらっと歩くとシラキにあたる。

    
細い、幹とも言えない細い木の先っぽに出てくる新芽を折り取り、天ぷらにする。これは春の季節の醍醐味。山菜の王様と呼ばれる「タラの芽」もやはりウコギ科の仲間だが、我われはどちらかと言うと「シラキ」のほうが好き。
軽やかな味、口の中に広がる香りに「一年待った甲斐があったね」と口走りながら、競争で食べる。いえいえ、私は正義の味方です。弱い者イジメはしません。ゆっくり食べる相棒のペースに合わせます。

           里山の暮らし 871   2025.5.2
                                        

 

 

     春真っ盛りの日々は

  4月25日 庭が輝く日

 
 白い花は林檎。花を観る林檎の木。

朝、近くの道の駅へ野菜を買いに。観光客が一杯。花苗を選んでいる女性がいたので、あれやこれや忠告ともつかない話をしてきた。まったく適性のない植物を買っても枯らすだけなので、ついついお節介をしてしまう。でも喜んでもらえたようだ。

  4月25日 イスラエルからの観光客

外国からのお客さんが、キャンピングカーでやってきていた。「どこから?「イスラエルから」「おお、私は一度だけ訪問しましたよ」「それはそれは、好きですか?」「もちろん」「日本を楽しんで!」で会話は終わった。
もっと会話力があればいいのに----いろいろ聞けたらと興味深い。
しかし、ガザとの関係が戦闘状態にあるというのに、日本に家族5人で観光にやってくるとは、あの国でどういう立場にある人なのだろう。兵隊として召集されても不思議ではない年齢 だろう。

考え込んでしまった。戦争状態にある国から、観光旅行にやってくる。このことから「一億火の玉だ」「欲しがりません勝つまでは」というスローガンで戦争を鼓舞した過去の日本人の、その精神が私にも眠っていたことに。

  4月24日
那須野が原博物館主宰の講座「那須と歴史」に二人分申し込んだ。
テーマは:
 中世の那須野が原と塩原----陸奥へと通じる二つの玄関口
 大田原氏と大田原藩
 大関氏と黒羽藩
 那須地域の城砦
 江戸時代における庶民生活

う〜ん。目の前になにかぶら下げておかないと、精神がはっきりしない。
いつも二人一緒にいるのに、またまた一緒の午後を過ごすことになる。あ〜やれやれ、なのか、嬉しい、なのか。

  4月23日  
相棒が、帯状疱疹ワクチンを受けた。
やいのやいの。いつものように相棒をせっつく。帯状疱疹の痛みは、痛がりの彼にとっては致命的。まして神経痛が残った日には、痛みに耐えかねて橋から飛び降りるかもしれない。(知人に精神錯乱した人、社会復帰できなくなった人 がいる)
朝9時。クリニックに電話して予約をし、1時45分に家を出て、帰宅が3時と普通なら考えられないほどの速さでことは終わった。
 

  4月22日 
晴れ。輝くような春の日。山桜がそぉっと咲いてきた。つぼみが見えてきたと思うと、ふっと咲き始める。高い空に白い花びらが風に揺れて光る。

   

  4月22日 午後歯医者へ定期健診 に。
先生に「どこも何も感じませんが、最近「歯力・はじから」が落ちてきたように思うのです」「どこか悪い所がありますか?」と聞いてみた。なに、気のせいで単なる加齢に拠るものだとは自分でも分かっているが。

先生は、「歯茎も下がっていませんし、どこも悪くはありませんが、歯ぎしりというか、食いしばりをしているようですね」「今はどうっていうことはありませんけどね」。
「寝る前にこう自分に言い聞かせてください。私は食いしばりなどしない、今夜もぐっすり眠れるはずだ」。つまり自分に暗示をかけなさいということらしい。
広島から月に一度、わざわざ栃木県まで出張診療してくださっている先生は、こちらが質問するととことん説明してくださる。信頼できる先生だ。おまけに歯科衛生士さんは、「女の人は暮らしのあれこれに目配りし、明日の段取りを考えながら寝ることが多いから、食いしばりをする人が多いのです。のんびりいきましょう」
こんなことを話してくださる。ありがたいことだ。

   里山の暮らし 870   2025.4.26
                                        

 

     山菜三昧 さんさいざんまい

 

  4月21日 タラの芽をどっさり
友人の家におしゃべりに出かけてきた。手土産は、去年の秋に挿し芽して冬中家の中で養生したゼラニュームを持ちやすい鉢に移植したもの。それに猫ちゃんへの魔法の食べもの「チュール」などなど。
「おはようございます!おー〜い」と呼んでも返事がない。おかしいな、と2000坪ある敷地を探して歩くと、いたいた!
タラの木に小柄な彼女が取り付いている。
しめた。あれはきっと私へのお土産だな----。
その通り。
今夜はタラの芽の天ぷら。いそいそと帰宅する。
相棒は「お〜。お〜。」と大喜び。

         里山の暮らし 869   2025.4.22
                                          

                   

  桜に迷っておりました。

今日はここ、明日はどこへ? 一年に一度の楽しみに右往左往しています。

 

    < https://youtu.be/5Sk_pQAM4H0?t=2 >

人通りがない川沿いの土手でお弁当。なぜここが知られていないのか、不思議だ

    

歩いて5分の桜。20年前から大きくなるのを見守ってきたからほとんど自分の子供と同じ。

               里山の暮らし 868    2025.4.18
                                                     

  
  
スミレの沼にどっぷりと

   4 月9日 
近くの道の駅で珍しいことに「水芭蕉」の苗が売られていた。3本の花(正確には苞)付きで1000円。春の聖なる花をこんな値段で売ってくれるなよな〜と悪態をつきながらじっと眺める。欲しい。でも私の庭では咲かないだろうな、と思い直してすごすご。
気を取りなおして、(10日)今朝はヒノキの花粉が盛大に飛んでいるが、これからその水芭蕉が咲いている「黒羽城址」へお花見に出かけてくる。もちろんお茶とお菓子とお弁当を持って。 

  
     これが見つけた水芭蕉。実際は春の花です。   

  4月8日    仕事をやっつけてからお花見に。
すこし早いけれど冬物衣料の洗濯を始めた。洗面所の大きなシンクに湯を溜め、一枚一枚ウールのセーター洗っていく。
最後は相棒の冬コート。何枚も洗っているうちに、湯気を吸ったのか「湯あたり」のようになり、フラフラ。
形を整えて干し、途中でアイロンをかける。仕上げは毛玉取り。
大阪に住んでいた時は、シンクが小さくて困っていた。ある晴れた日、風呂を沸かしてバケツで湯を汲み上げ、一枚いちまい洗っていったものだった。あの頃は「湯あたり」などしなかってけど。
今の倍の量あったのに、若かったと言えばそれまでかな。

  これからひと月の間、スミレの名前で悩むことになるのは目に見えている。楽しくも苦しい春の日々が続く。
今まで見たスミレで一番心に残るのは「あけぼのすみれ」。たおやかな花姿のあけぼのすみれ、----はるはあけぼの。
那珂川町の川沿いの、切り立った崖を登ったところで偶然出会った。花茎は短く葉はほとんど出ていない。まっすぐ、春の日に背を伸ばしていた。

                           あけぼのすみれ

  アカネスミレ

  アケボノスミレ

  アオイスミレ

  アリアケスミレ

  フモトスミレ

  ヒナスミレ

  エイザンスミレ

  ヒカゲスミレ

 

  マルバスミレ

  コスミレ

    スミレ

  ナガハシスミレ

 ニオイタチツボスミレ

  ノジスミレ

    スミレ

  サクラスミレ

  タチツボスミレ

  スミレ

  ツボスミレ

  ウスバスミレ

         里山の暮らし 867 2025.4.10
                                          

 

     かたくりの花が咲いた

 

    
 もののふの八十娘子らが汲みまがふ寺井の上の堅香子の花   大伴家持  巻19-4143

ユリ科の多年草。播種から7年後に花をつける。この花の色をなんと呼ぶか----篝火の色?反り返った花びらが陽を受けて輝く日は、まだ春の季節の入口。春妖精植物の(Sprig Ephemeral)のひとつ。

 今日は京都に住む二番目の姉の誕生日。
傘寿を迎えたはずだ。賑やかな孫たちに囲まれて祝われている嬉しい日だろう。親孝行の息子に恵まれて幸せな老後を過ごしている姉を思うと、過去姉に降りかかった苦労が夢のように思える。

      里山の暮らし 866 2025.4.6
                                                      

 

  桜が咲いた 毛ガニが届いた。キッチンにさくらがさいた。

  オホーツク産ですよ!

なんとまあ。エイプリルフールネタかと思ったけど、箱を開けたら毛ガニが出てきた!
これはオホーツクの海の近くに住む「たまちゃん」からのプレゼント!
毛ガニなんて25年前の北海道ツアーに乗ったとき夕食に出てきた「小文字の ヶ くらいの毛ガニ」を食べた(舐めた?)。あれ以来だ。お久しぶりです。
ユーチューブで「毛ガニのさばき方」を勉強して、ビールを冷やし準備おさおさ怠りない。
こいつは春から縁起がいい。
        たまちゃんありがとうございます。

   たまちゃんにお礼のメールを送ったら、返事に「今朝の気温はマイナス10℃」とあった。
  北海道はまだまだ冬のようだ。
  たまちゃん、寒さに負けず元気でね!

       里山の暮らし 865 2025.3.30
                                               

 

    春一番のスミレ

   コスミレ
 コスミレ  春の陽気な尖兵。にっこり、笑っているように見えない?
これから「スミレ沼」が始まる。次々に咲くスミレの種類を弁別する苦労は----分かってもらえないかもしれない。

 3月29日 なんと!名残りの 更に名残りの雪が降っている。気温5℃。寒い。

 桜の開花予想は当たったか。
休眠打破ののち開花予想基準日を2月1日に設定して、日最高気温の累計が600度になった日に、桜(この場合はソメイヨシノ。クローン木)が開花すると予測されている。
もちろん気象庁はこの数字のほかにさまざまなデータを利用して予想しているが、素人が楽しむにはこれが単純で分かりやすい。
参照したのは、黒磯アメダスの数字 北緯36度58.9分 東経140度1.1分 海面上の高さ343m
(う〜む、海面上の高さと標高の違いがもう一つ良く分からないが、とりあえずここは同じと考えておこうか)

3月28日(金) 2月1日からの日最高気温の累計が605度になった。計算上はソメイヨシノが咲き始めるはず。
だけど周囲のソメイヨシノのつぼみは硬いまま。
・わが家のある場所と、黒磯アメダスの設置された場所の標高差は約80メートル。
・山沿いの土地と平野にあるアメダスでは、南風が吹く状況に違いがある。
こんなことが影響しているのか?
ともあれ、雪の朝に始まった桜週間はゆっくり時間を消費していくようで、これは楽しみ。

屋根と壁の塗装工事も終わったことだし、お花見に精出そう。

     里山の暮らし 864 2025.3.29
                                               

 

  屋根と壁の塗装工事が始まった。

 
こうやって足場を組む。まず高圧洗浄機で水洗いし、乾燥するのを待ってペンキ塗り。それも下地として2回、最後に仕上げ塗りをする。結局3回塗ることになる。
(お花見に行きたいから)桜の時期ではなく、工事をしやすい季節で、冷えこむとペンキに良くない。こんな条件をもとに、この3月下旬に工事を予定し四社から見積りを取った。結局10年前にお願いした業者さんに今回も決めたが、四社見積もりの金額の最高値と最低値の差は、およそ2倍。この差は大きい。 ペンキの種類、作業員を外注するか、マージンをどの位取るか。こんなことが値段の差につながる。

今日は一番塗り。作業してくれる若者は、ひらりひらり。まるで [ましら] のごとくの動きをしている。最後に濃い緑のペンキを塗り、我が陋屋が「グリーンゲイブルス」に変身する予定だ。
すべての窓やシャッターをフィルムで覆い養生テープで目張りして工事が始まったが、締め切られて閉塞感があるのと、いつもは他人が敷地内にいること がないので、なんとなく落ち着かない。


足場を組む作業員のうち、3人がベトナム人。
真面目、段取りが良い、働き者と三拍子そろっている。
言葉はあまり通じないが、そこはアジア人同士、何となく意思疎通ができる。

おやつにと「ベトナムお菓子」をメルカリで購入し、彼らを驚かそうと画策しているところ。

喜んでくれるかな。ヌガーキャンディみたいなお菓子だ。

 

         里山の暮らし 863 2025.3.24
                                               

 

    早春の那須連山 この季節が大好き

人が
  早春の那須連山。 手前は杉の林。ずっと手前は牛の飼料用の麦畑。 左側に大峠が見える(会津へ)

 地下鉄サリン事件から30年   3月20日

なぜ高学歴の理系男がカルト宗教に心を奪われたか。
メル友が以下のように解説してくれた。
(男性85歳、元官僚、相棒が地元のシルバー大学で学んでいたころのの友人。だがなぜか私との交信が50回/年 もある。これまでに400通近くのメールが行ったり来たりしている。あきれたことだ。)

>物理学は、138億年前に生まれた宇宙からこれからの宇宙、宇宙の消滅まで研究する幅広い学問、人間が存在しているかどうかは関係ない。それを究明し真実を知ろうとしても人間の合理的思考・「脳力(脳の力)」には当然限界がある。人間の限界の外を見る方法があるといって、神秘的な人が近づいてくるとそれにはまってしまう危険が生じる。「合理と神秘」とを区別する事が重要であるにもかかわらず。

すこし分かった気がする。目の前の問題を飛び越えて、真理が遠くに輝いていると感じたら、その真理に向けて一直線に思考が働く。これは「坂の上に一朶のの雲が見えたらそれに向けてまっしぐら」の『坂の上の雲』の、あの三人組に似ていない?

30年前の今日、当時院生だった息子がいつもの日なら乗る地下鉄線の同じ時間、車両 、同じ場所にサリンが撒かれた。
たまたま朝一番の授業が休講になったので、アパートにいた、そうするとあのニュースが流れてきた。親子ともに大きなショックを受けた。
人生の転換期があるとしたら、それはすぐそこに、足元にあるのだろう。
      

            里山の暮らし 862 2025.3.20
                                           

 

     彼岸の入りに寒いのは

  3月19日 名残りのゆき

   
朝、ほんの一センチほどの雪だったのに、牡丹雪が降りてきてあっというまに雪の景色に変わってしまった。
水仙が雪に埋もれている。うなずきながら地霊と交信しているのかもしれない。
  ・なごり雪その軽さ踏み山の風
 

    3月18日 晴れ  水仙の黄色とお日さまがコラボしている。
午前中は買い物。午後は草取りと勝手生えのビオラを集めて移植する。「ここが一か月先にどう変わるかな」と想像しながら植えこんでいくのは楽しい作業だ。
夕方読書、夕食は「カレイの煮つけ、カキナと油揚げ、シイタケの炊き合わせ、大根の浅づけ、煮豆、おつゆなど。キィウイがそろそろ終わりになるので買いこんでおいた。食べることになぜこんなにも時間が掛かるのかなぁ。
『気持ちを表す和の言葉』『沖縄の海風』『池上彰の世界の見かた』『聖書がわかれば世界がわかる』『鳥獣戯画の本』など。沖縄でゆっくりしてみたいな。

  3月17日 セントパトリック スデー
聖パトリックスの祝日( St. Patrick's Day、セイントパトリックス・デー)アイルランド共和国の祝祭日。
アイルランド在住で、アイルランド公認ナショナルガイドの資格を持つ山下直子さんが、新しい本を出された。
『季節で綴るアイルランド 211 ケルトが彩る緑の島の心豊かな日々 』2200円(税込み) イカロス出版社刊

ローマ帝国の侵攻によって、北辺に追いやられたケルト民族が打ち立てたアイルランド。 長く800年間もイギリスの植民地だった。外資を呼び込み、最近はケルティックタイガーと言われるように、経済発展が著しい。
この本で、ケルト歴に従って一年を四つに分け、その季節ごとの自然の移ろいと人びとの暮らしを211の細目に立て、直子さんの目を通して表現されている。
体力、知力、友人力、判断力などに優れた彼女の面目躍如といった本。自然、動植物、信仰や風習、特に妖精の生態?にも詳しく、春の一日のお供に最適。
友人にしては若い、知人以上の存在。しかし友人と呼びたい、何しろ直子さんが高校生の時から知っているので。
 

  3月15日 エシャロットと蕗のとう


 
ふきのとうは、天ぷら?蕗みそに?と悩んで、結局面倒のない蕗みそに仕上げた。みじんに細かく切ってねっとり仕上げていないから、ゴロゴロと蕗の塊りが出てくる。それはそれで面白いよね。
エシャロットはそのままかじる。蕗みそとは相性が悪い。互いに主張しあうから。

       里山の暮らし 861 2025.3.19
                                           

 

     春まぢか 庭の掃除に忙しい。

  3月14日 
水仙(ラインベルト・アーリーセンセーション)が咲き始めた。
早咲きのこの水仙が咲くと、庭の春の始まり。このあとは、ゆっくり春よ進んでおくれ。

  東を向いて咲いている。 

  3月13日 屋根と壁の塗装工事が始まる。
今朝は8時前に工事人が到着し、きっかり8時には作業が始まった。みな20代の若者たち。4人のうち3人はベトナムからの技能実習生だった。 近所の酪農農家ではマレーシアからの、やはり技能実習生を何人か雇っていて、さまざまな現場で人出不足が現実になっている。
工程をきちんと理解しているのだろう、4人は阿吽の呼吸で動き、効率良く真面目に作業してくれるのを感心して見ていた。

「ベトナム語でこんにちはってどう言うの?」、「〇×**〇----」、「え〜、よー分からん」「去年の今頃ベトナムに行ったのよ。ハロン湾って綺麗なところね」 。などなど、若者の「気」を吸収する。
タイ語にくらべ難しくて聞き取れない。それもそうだ。ベトナム語には17個の単音の子音と11個の子音の組み合わせがあるらしい。おおぉ!すご! 一つの音に尻尾がチョロっとついている感じ、と言えばいいか。

円の安い今時は、韓国や台湾で働く方が時給がいいのに。この仕事を覚えようとする気概が伝わってくる。
10時と3時のおやつを大奮発して「全部食べてね」と念を押す。言葉とおり完食してくれて嬉しい。
国に両親兄弟を残し、エージェントに高額の契約金を払い、風俗習慣の違う国で働く苦労は想像できる。
  がんばれ、若者たち。
  亜鉛メッキ鋼管を足場に使う。

  3月12日 桜の開花日の予測600度の法則について。
「開花予想基準日を2月1日に設定し、日最高気温の累計が600度になった日に、桜(この場合はソメイヨシノ。クローン木)が開花すると予測されている」

3月12日までの累計温度は 375+15.9=390.9 あと209.1 度だ。
4月1日に開花しないかぁ。となると 日最高気温の平均が 11.6度ででないといけない。
  ----楽勝じゃないかな。

  驚 いたことに
毎朝やってきては甘えたり、餌をねだったりする地域猫?よその子?の写真を、ニャンズの主人(3匹の家ねこ飼育中)に送ったら、「アメリカンショートヘアーのシルバーダビーホワイト」だよ!!!!!とエクスクラメーションマークをどっさり付けた返事が来た。
 知らんかった。

 
高いらしい。ゼロがいくつも付くらしい。可愛いミーコちゃんだけどね。
この模様でデッキの上でのたくると、まるで大きな蛇が遊んでいるようで、はじめは怖かった。
命に値段を付けるのは好きではないが、これを聞いてからはみーこちゃんを見る目が少し変わった。「ブランド猫なんだね。なぜ野良っぽい自由生活を送っている?」おやおや俗事にまみれてはいけないな。

   3月12日
昨日今日と簡易温室で育てていた「アイスランドポピー」の苗60本と、クリサンセマム・ノースポールの苗20本を花壇に移植した。相棒は花粉症と戦いながら。大きな、どうやったらあんなに大きくしゃみが出るのか分からない、そのくらい「やかましいくしゃみ」を林にとどろかせている。笑うのも気の毒だし、「ほらほら、鼻水が垂れてるよ」とわざと可哀相が ってあげる。
花壇に勝手に芽生えてきたビオラが急に大きくなってきた。そのままだと芍薬の陰になってしまうので、小さいスコップで掘り上げ、別な場所に植え替えてやった。よしよし。今日は60本、明日もやっぱり60本。

                  里山の暮らし 860 2025.3.15
                                           

 

    健康のためなら死んでもいい?

上は「那須の春香うど」、その下のゴロゴロしているのは「菊芋」。ウド・独活は酢の物ときんぴらに。
菊芋には色々な食べ方がある 。まずそのままサラダに、乾燥させて粉にする、味噌に漬ける、一番食べやすいのはキンピラで、ゴマ、かつお節、海苔なんかを混ぜて味変すると飽きずに食べられる。
主に含まれるのは炭水化物。こう聞くとあれ?と思うがその大部分は難消化性多糖類イヌリンで、消化されると菊芋オリゴ糖に変化する。おなかの調子を整え消化吸収を良くし、血糖値の上昇を押さえてくれる。

なので、午後はせっせとキンピラづくりに精を出し小分けにして「菊芋キンピラ団子」を作り冷凍しておいた。


 ウド4本で250円。菊芋は両手いっぱいで200円。申し訳ないと思うほど安い。
 菊芋はキク科ヒマワリ属の植物。ひまわり属というのが面白い。その通りの黄色い花が咲く。

 冬中簡易温室で育てていたアイスランドポピーの苗60本を定植した。タイミングよくそこへ雨。水遣りが助かる。

  また3月11日が巡ってきた。 折からの雨が鎮魂の涙のようだ。忘れないでおこう。

                 里山の暮らし 859 2025.3.11
                                           

 

 

     ♪ もしもし杉の子起きなさい ♪ 起きなくてもいいけど。
                                                
作詞:吉田テツ子 補作詞:サトウハチロー 作曲:佐々木すぐる

杉の花は風媒花。花粉を放出する雄花は夏に作られはじめ秋には成熟する。その後冬に向けて休眠状態に入り、ある時間寒さを経験すると目を覚まし、ゆるゆると花粉を飛ばす準備に入る。
「日射量が多く、雨が少なかった夏を過ごすことで大量の花粉を生産する」ということらしい。
となると、2024年の夏は当たり年。2025年は杉花粉が盛大に飛び散る春。
上の写真は、旧青木家那須別邸の導入路に並ぶ杉並木の「ある一本」の雄花。これが何本も並んでいるのだから、飛散時期には、風が吹くたび空気が黄色く染まり 、そばに寄れないほどの花粉が飛ぶ。

   雄花の集まり
    ひたすら花粉を守るうろこ状のもの。時期が来て濡れると剥がれ落ち、花粉の飛散を促す。
    でも姿かたちが、きりっとしていない?

なぜこんなに花粉が飛ぶの?
戦中戦後の物資不足から伐採され、資材や燃料として利用され尽くした森は疲弊してしまい、はげ山が全国に広がってしまった。このため、政策として天然林を人工林に転換することが求められた。
そこで目を付けられたのは「杉」。日本固有種で栽培しやすく加工しやすい杉を植林する動きが加速した。現在は森林の約4割が人工林で、人工林の約4割がスギ人工林という結果に結びついている。
   だから今年も花粉が飛ぶ、飛ぶ、飛ぶ。

   
      去年の秋に剪定したゼラニュームの枝を挿し木したら、冬を越してこんなに元気に育った。上出来。

           里山の暮らし 858 2025.3.7
                                           

 

 

   桜はまだかなぁ。

ひな祭りを祝った午後、牡丹雪が降りしきる。少し標高の低い場所に降りると紅梅が咲いているのに、わが家の周囲に見えるのは雪を被った裸木ばかり。
桜だ。さくらはまだかなぁ。

桜の開花の目安がわかる「600℃の法則」を、雪の午後に算出してみた。
 (ソメイヨシノ。全国共通のDNAを持つクローン木の集合)

  まず、桜の開花の機序は:
花芽はいつできているか。前年の夏だ。秋から冬にかけてつぼみが生長しないように休眠状態に入り、時間をかけて低温刺激を受けた後、気温が次第に上がってくると休眠から目覚めて、開花の準備をする。
これを「休眠打破(きゅうみんだは)」と呼ぶ。
     (横に逸れて:たとえば、ビオラの種を購入したら、すぐに冷蔵庫にしまって保存し、
       秋彼岸の頃取り出して播種する---これと同じ考えかた。こうやると発芽率は95%にもなる。) 

  休眠打破の日を設定する。
現在は2月1日になっている地域が多いようだ。この日を起算日として、日最高気温を積算し開花日が予想できるようだ。

 21日以降の日最高気温の合計が600℃に達すると開花とする。
つまり、21日を「休眠打破の日」と仮定して開花予想の起算点に設定し、そこから毎日の最高気温を足し算していくだけで桜の開花予想ができるということらしい。 

 気象庁のページによると、2010年〜2022年までの13年間について、気象庁のデータから東京都における「600℃の法則」の精度を調べてたら、実際の開花の日と、開花が予測された日との誤差は最大でも「三日」だったということ。これはなかなかの出来だ。 

  では、家から一番近いアメダス地点での、2月1日からの日最高気温を積算してみると。
      (最も近いアメダス地点は、黒磯アメダス(北緯36度9分、東経140度01分、標高343m)

2月1日から3月2日までの30日間で「299.8℃」。ああ、まだまだだなぁ。日最高気温がマイナスの日は一日も無かったのに、この低い数字はどうしたものか。いやいや単に寒かったということだよね。 

ではあと何日あればいいのかな。600引く299.8300.2.やれやれ沢山残っている。
  
3月25日に開花を希望する----日最高気温が平均13
  4
1日に咲いて欲しいな----日最高気温11.1
  4
3日に咲くかな?---------日最高気温が平均9.67度こんな数字が出た。
平均日最高気温の違いが上下に3℃あるだけで、開花予想日が9日もずれるという結果になった。
三寒四温というけれど、三寒は要らない。四温だけにして。だって山間に住んでいるのだから----?


  なかがわ水遊園の温室でみた「カピバラ」。ぬ〜くぬく。

   

   里山の暮らし 857 2025.3.2
                                           


 

     二月が終わる

 春の前のどたばた  栃木県なかがわ水遊園へ。
朝からあまり天気がいいので、思いついて水族館へ出かけてきた。
栃木県なかがわ水遊園 https://www.pref.tochigi.lg.jp/g02/shisetsu/leisure/004.html
栃木県には水族館が一つしかない。それも珍しく淡水魚がメインの水族館。
水槽は厚さ10cmのアクリル板?ガラス?で仕切られているので、上手く写真が撮れない。
  ここと思えばまたあちら
    これは海のさかなたち。

昼時なので、珍しく外食。https://bato-ham.com/restaurant.html 
いつもはあんまり外で食べることが無いのです。
外で食べよう。こういう時は東屋で食べる、ピクニックに行くという意味なので。 
家で食べるの大好きな相棒が「食べよう」と。

    ロース200g 大きくて厚い。
上は相棒の昼食。私はセットでなくてとんかつだけ。京都弁でのつこつするくらい大きかった。
でもキャベツがたっぷり。

何ともどうも
相棒が「おととい、僕が読んでいた本の題を知ってる?きのう返してしまったよ----」と。
   私は読んでいないのに。大阪弁で(知らんがな)。
「図書館でもらえるレシートみたいなのがあるでしょ。あれを見れば」。
「ながい題で、一部分しかプリントされていないんだ」。
「なら図書館の検索窓に入れてみれば。前方検索してくれるはずよ」。
「そう思って入れてみたけど、出てこないよ----」。
   ああそうでした。図書館の検索機能はあまり働き者で無かった。
「なら。楽天やアマゾンへ行って、キーワードを入れると出てくると思うよ」
    ----「出てきた」。

ラジオで昔聞いた、ある園芸相談の質問に、
「電車の窓から見える綺麗なバラがあるのですが、名前を教えてください。」「?」
この質問を思い出してしまった。自分が読んだ本の題名を他人に聞くかなぁ、オカシイ。相棒、大丈夫?

 日脚しが伸びて、お日さまが高くなってきた。
いままで居間に置いておくと、日中日が降り注いでいたのに、今は窓際に寄せないと日光浴ができなくなったゼラニューム。少なくなった日光を求めて、葉っぱを大きくし始めた。挿し芽した苗がどんどん大きくなってきたのにまだ植え付けができない。せめて気温がプラスにならないと外に出せないから。

 筋金入り
今まで「筋金入り」とは身体強固で思想面でも鍛えられていること。こう理解していたが、どうやらほかからの転用のようだ。
『壬生義士伝』(浅田次郎著)を読んでいてはじめて知った。武士が戦う時は、金属の棒のような物を縫い込んだ手ぬぐいを眉間に巻き敵の攻撃を躱すらしい。脳天から直撃される剣先を、細い棒で受け止めることができるだろうか。
夕食時、相棒とこんな話をした。
「鉛ではだめだな」。「効き目があるかな」。
「ぱっか〜ん、と割られないで、ぱ、くらいで終わるんじゃない?」
「日本刀は鉄でなくて鋼だから。それも玉鋼(たまはがね)だものね」。
  こんな会話を交わしながら、相棒はウィスキーの水割りをちびちび飲んでいる。
  
        里山の暮らし 856 2025.2.26
                                           

 

  光の春か、まだまだ冬か

  2月21日 冬木が朝日に映える

 居間の窓から裸木が見える。朝日を受けて揺れるさまを観ているのが大好き。高さは15m以上ある。

2月20日 寒いと言ってばかりはおられない。今年の春のさくら探索の予定を立てよう。富士山を見たい、さくらも見たい、鉄道に乗りたい、おいしいものを食べたいなどなど。希望はぞろぞろ湧いてくる。
こんなことを考えられるのは、今が幸せなのだろう。そう思うことにしよう。

     
     野原に石絵が落ちていた。ヒレの水色のセンスがいい。 拾ってくれば良かった。

2月18日 朝の気温がマイナス6℃。そのまま上がらず一日中マイナスのまま。こういう日を「真冬日」というらしい。寒い那須でも「真冬日」になるのはけっこう珍しいことだ。
家に籠って、いつもできないこと----タンスの整理、本箱の整理などをこなす。手紙箱から亡くなって30年も経つ友人からの葉書が、それも病院からの葉書が出てきた。 泣いた。
ああ、たとえ葉書一枚であっても、もっとベッドにお見舞いを届ければよかった。

 2月15日 
屋根塗装の見積もりが次々に出てくる。4社に相見積もりをお願いしたので見積もり書を開ける時は緊張する。一番高い数字と安い数字は、およそ倍の開きがある。GoogleMapでその会社の社屋を調べてみたりもする。信用できる会社かどうか、外から見ただけでは分からないが、それでもね。なにか感じるところがあるかもしれないから。

    里山の暮らし 856 2025.2.21
                                           

 

  ゆきを乗り越える

 2月14日 バレンタインデー
準備はしてあったが、チョコは食べ過ぎるといけないので、ちょっとずつ出すことにしている。「頭で食べるのよ」、「糖質は自分でコントロール してね」と知った口を利くわたし。
父親も兄も「高血圧+血糖値が高い」体質なので、つい口出しをしてしまう。
いまのところ、母親に似たのか安全地帯にいるけれど。
しかし、残りの人生は好きにさせるという方法もあるよね。そのほうが幸せかもしれない。
   ハナエ・モリのマスク入れ

友人が「ハナエ・モリ」のローン生地を使ったマスク入れをプレゼントしてくれた。自分が着る服はすべて手作りし、和服のリフォームもお手の物。農家に嫁ぎ重労働に耐えた身体・精神は強健で、愚痴はこぼさずすべてを受け入れる懐の広い人。御年88歳で、お手本にしている友人だ。 この友人に出逢えて本当に感謝しかない。

 2月13日 
3月に入ると屋根の塗装をお願いしないといけない。前回は10年前だったのでそろそろ。あと5.6年でわが家を売りに出す予定なので、ここら辺で外観を調えておく必要がある。
4社の相見積もり。現地調査に来られるが、雪が降っていて屋根のかけらも見えないから、「また雪が融けた頃来ます」という返事ばかり。
さくらの花の前に、面倒な仕事は済ませておきたい。

    屋根の上を調査のドローンが飛ぶ。こんなに面白いことはなかった。

2月11日 
朝6時の気温がマイナス9℃。寒い。本三昧で一歩も外に出ない日だった。これではいけないな。

  里山の暮らし 855 2025.2.15
                                               

 

   雪をあじわう

 ぼんぼり 雪洞

灯りをともし、このまま夕食まで。いつものご飯がみやびやかに思えたのはみかん色のあかりのせい?
夕食:
八宝菜(イカ、エビ、豚肉、椎茸、人参、長葱、もやしなど)
レンコンの甘酢漬け、サツマイモのきんとん、ほか。ちっとも雅やかではないな。

 2月7日 準絶滅危惧種 ---- クロジがやってきた スズメ目ホオジロホオジロ属

      クロジ
姿はまことに地味。だけど鳴き声は逸品。ひまわりの種を食べるのが下手で、口のなかでもてあましているようだ。
この鳥がわが家にやってきたのは初めて。
ことしの冬は野鳥が少ないと言われているが、こうやって新顔が加わると気分が新しくなる。

餌場に来るのは、シジュウカラ、ヤマガラ、ヒヨドリ、すずめたち。
気の早いシジュウカラが囀り始めた。縄張りを宣言しているようだ。

   里山の暮らし 854 2025.2.9
                                               

 

 

   寒波に備えて

灯油タンクは満タンに。食糧調達に出かけ、図書館でリクエストした本を受け取ってきた。
寒波に備えて準備万端怠りなく。
なのに、外は冷たい風が吹くだけで、雪のかけらも飛んでこない。

  春告げ花が咲いてきた。

 

受け取った本:
『お静かにの文化』『無礼語辞典』『はずれものが進化をつくる』『生き物の死にざま』『植物の不思議な生き方』
『遺伝子はなぜ不公平なのか』『生き物が老いるということ』『トマトはどうして赤いのか』『校正・校閲11の現場』
『フライパン料理』『医者によぼよぼにされない47の心得』『俺たちの箱根駅伝』など。
うふうふする。これで雪が降っても安泰だけど、雪が降らない。

       里山の暮らし 853 2025.2.5
                                               

 

 

    冬にしかできない仕事

原木から採れる冬のシイタケ。冬魔フように笠が巻いていないので、 かえって使いやすい。産直の店で手に入ったので、乾燥中。市販のものは熱風を当てて完全に乾かしてあるが、家で作るのはそうもいかない。だからできあがったら冷凍して保存する。
原木と菌床と。この味の差はとても大きい。

 スポット君ロスからすこしずつ立ち直りつつある。あんなに性格がいい猫はいなかった。
ところが、新しい地域猫が現われてきた。餌をねだり、甘えてくる----でもスポット君ほど可愛いく思えない。「死にあとに嫁くな」とはまったくその通り。いなくなった猫を思って、必要もないのに反発してみたりする。 可愛がるとスポット君に申し訳なく思うから。
        新入りの「みーこ」ちゃん。

相棒が何を思ってか「花の咲く木を植えよう」と言い出した。「 ニ、三年もすると花が咲くよね、それは励みになると思うよ。」とのこと。
朝一番に近くのホームセンターに出かけ、入荷したばかりの苗木を買ってきた。どこに植えるのかはこれから考えるらしい。花桃2本(源平枝垂れ桃、矢口)と花水木(白)の計3本。
先に楽しみがあるのは幸せなことだ。

    里山の暮らし 852 2025.1.30
                                               

 

      始まりは木登りだった  ---- スポット君斃れる
 

  3年前の4月のこと。和室で仕事をしていたら、掃き出し窓の下で、いつも来る野良猫(地域猫?)が部屋の中を見上げているのに気付いた。
「よしよし、どこから来た?」「口の右側の黒い点が可愛いね」「明日も来てね」。
----こう話しかけてから仕事に戻った。

だれかに見つめられている気がする。
先ほどの白黒ねこさんが木登りをして部屋を覗き込んでいるではない! 驚いた。
「何をしているのか見てるの?」「そうだよ」。

好奇心の旺盛な猫だ。
じっと見つめられて気恥ずかしい。

ようやく納得したのか、ずるずる後ろ向きに滑り降りて、尻尾を振り振り実家へ帰って行ったのでした。

 
それからというもの、朝、雨戸を開ける音を聞きつけてやってくるようになった。

まず朝ごはん。背伸びして横たわる。寝る。
午後まで昼寝して、やっこらさと帰っていく。
こういう日常が続いた。
ずっと続くと思っていた。
猫がいる暮らし。
それも責任のない他所の猫が来て甘えてくれる。こんなに嬉しく気楽なことはない。


あれから3年。座布団猫。
黒にチェックの模様がよく似合う。

しかし秋からなんだか生気が無くなってきたようだ。食欲も以前の半分になってしまった。
三日ほどやって来なくなったと思ったら、ぷくぷくと太って現われた。
「実家で美味しいものを食べたのね。良かったこと」----とんでもない誤解をしていたようだ。
以後、わが家での食事は一切口にしなくなった。おかしい。好きなものでも目もくれない。
 

むくみだったようだ、あの太り方は。とうとう腎臓に来たようだ。
正月明け、太っていた姿を思い浮かべられないほど痩せてきて、全身を触ると骨と皮で、鎖骨の数が分かるくらいになった。
ある日、午後2時に現われたスポット君は、いつもは嫌がるのに進んで家の中に入り、今までとは違った声で甘えるようになった。まるで何かを訴えているかのようだ。15分間、15分間だけデッキで寝そべり、撫でてもらうのを待ち、ごろごろ甘える。満足したのか、 ふと立ち上がってどこへともなく歩いていってしまう。
その15分が続くこと5日間、1週間前の午後、訴えるような目を潤ませて立ち上がり、後ろ脚を引きずりながらのろのろ立ち去って行ってしまった。 猫は自分の最期を見せない----。
      「これは明日はもうやってこない。今日が最後だったのかもしれない。」後姿が語っている。

二人で話した。我われもいずれああなる。ゆくりなく出会ったスポット君が身を持って教えてくれたじゃないか。
ありがたいことだ。悲しいことだ。悲しいことだ。ありがたいことだ。
人も動物もおなじ。生命が枯れていく姿を教えてくれたスポット君。
あの子に感謝しよう。そして我われもしっかり生きよう。生きていこう。二人の思いは一致する。

   https://youtu.be/RH9plm6E_bQ?t=2 ねこにまたまび

        里山の暮らし 851 2025.1.24
                                               

 

 

    運転免許証の更新ができた

前日の夜まで読書に浸っていたので、警察での視力検査が通るかどうか不安だった。
ところが、前回の更新時よりも視力が「良くなっていた」ので、らくらく通過できた。不思議だ。

この20年間というもの、毎朝ブルーベリーと夕食後の韃靼そば茶を続けていたのが効果あったのかもしれない。

 
ブルーベリーにはアントシアニンが、韃靼そば茶には
ルチンが通常の蕎麦の100倍以上含まれていると言われているので、食べるとなんとなく効果があるような気がしていた。
ブルーベリーはソース状にしてヨーグルトにかけている。そば茶はそのままふりかけのように食べてもいい。
ルチンには毛細血管を広げ、血流を良くする働きがあるとされている。ポリフェノールの一種で、抗酸化作用があり、ビタミンCの吸収を助けるらしい。

正月明けから、朝6時の気温がマイナスの日が続き、今朝などマイナス5℃。庭には霜柱がざくざく立ち、どこもかしこも凍り付いている。水道管は水抜きしてあるので大丈夫だ。この土地は不凍深度が20cmと浅いけれど、万一の事故を考えて、冬の来る前に水抜きをしておく。
山は白い。でも林は裸木が並んでいるだけ。目で緑の物を探す朝。

食べること
図書館で借りてきた献立の本
『おおざっぱ和食』、『衝撃的においしいひき肉レシピ』、『今日、作りたくなるとっておきご飯』
こうやって並べるといかにいい加減なのか分かってしまう。いいのです。

           里山の暮らし 850 2025.1.19
                                               

 

 

      あれから30年

30年経ったというのに、30年経ったからこそ、毎年1月にな ると記憶の底から湧き上がってくる辛い思い出がある。
1995年1月17日午前5時46分。黎明の時。
地面が揺れるほど恐ろしいことはない。東北大震災の方がはるかに被害は大きかったとはいえ、この神戸の地震ほど自分の精神に傷跡を残した事件は無かった。
それはなぜか。守るべき対象が目の前にいたからだ。
受験生を抱え、センター試験の前後という大事な時期、それに家族の病気が重なっていた。余震はしきりで、揺れる数秒前には山が鳴り、雉が何羽も鳴き喚いて暗い夜をますます不安に陥れていた。

  友人、知人の何人かが犠牲になった。
  亡き兄の奮闘を讃え、犠牲者を鎮魂するために、過去に書いた日記を再掲する。

阪神淡路大震災勃発 1995117日 午前54652秒 犠牲者は6,434 

今朝、あの時間に目を開けて思い出していた。寒中でいまだ暗く、早暁とも言えない5時46分。突然突き上げるような地震が起きた。その後の右往左往ぶりは、いまさらことあげたくもない。受験生を抱え、夫の仕事も多忙を極める1月が、どのような状態にあるかは想像していただくしかない。そこへ大地震が起きた。 
忘れようとするほど思いだす。悲しみも苦しみも、これは人生の醍醐味。甘受することの難しさはあるが、その思い出を胸に抱いて生きるほうが楽になる かもしれない。地震について伝えるべきことは多いけれど、これを機に26年間封印していたことを書いておこうと考えた。さもないとあの時の兄夫婦の働きは誰の記憶にも残らないだろうから。 

中国山地の山峡に私の生まれた村がある。年老いたと言え父方の親戚が何人も住んでいる。
そのなかの従兄の話をしたい。従兄には子供が4人いた。3番目の息子(従甥・いとこおい)が大阪の大学に通い、兵庫の海沿いに下宿していた。その下宿は、戦後すぐに建てられた昔ながらの木造平屋家屋で、あの地震にはひとたまりもなく崩れ落ちたという。そして迎えた若すぎる死。無念の死---不条理だ。一週間後には引っ越す予定だったのに。

あの混乱の中で死者を丁重に弔うことはとてもできない。
実兄が和歌山に住んでいた。移動制限があって動きが取れない従兄から連絡を受けて、兄夫婦は和歌山から一日がかりで兵庫の現場へ行き、がれきの中から、従甥を探し出した。兄夫婦は人目に立たぬよう、毛布に包んだ甥を後部座席に横たえ、寒中なのに冷房をかけながら走った。山陽道は検問があるので兵庫からまっすぐ北を目指し、山陰の裏道を探しながら丸一日かけて、従兄の待つ家へ息子を届けることができた。母親は息子の帰りを待ちわび、一週間で頭髪が真っ白になったと聞いている。 

がれきのなかのご遺体を、どのように引き取ってきたのか。死亡診断書はどうしたのか。遺族が遺体を車で運ぶこと自体は、法律に抵触しないというものの、損傷する危険もある。ただ一心に、子供をその親に返したいという思いで、ひたすらめざした。
疾く早く、山を越えようと。あの阿鼻叫喚の中、駆け抜けるように過ぎた3日間。兄夫婦はその時何が起きたかを、これ以上口を閉ざして語らなかった。

その兄も、今はもうこの世のものではない。息子を失ったその父も、先年亡くなった。

    里山の暮らし 849 2025.1.16
                                               

 

 

      御年97歳が手がけた林檎      
     硬くてぱりぱり。酸味が強くてこんなリンゴが大好き。

年の暮れに大量に準備した食糧が底をついてきた。今日はは出かけないと食卓が貧しくなる。近くの道の駅に新鮮な野菜が出ているはずだから。

うれしい。道の駅に林檎があった。10個で400円。けど小ぶりで成りが悪い。
レジのいつもの人に「ことしのリンゴは不作なのね」と話しかけると、
「山の上の果樹園は、林檎の木が古木になってしまってことしは虫が付いたらしいの。だから来年はもう作るのを止めるんですって」
「それは惜しいですね。見かけは悪いけど林檎らしい林檎なのに」
「そうねぇ、その方もう97歳におなりなの!」。
驚愕!97歳なのに果樹園で働き、高齢者講習にもパスして軽トラックで納品に来られる。お酒も召し上がらず煙草にも無縁、悪い遊びもせず-----ひたすら読書が人生の楽しみ とおっしゃているらしい 。
「いろいろ、人生の先輩として教えられることが多いですね」と話して帰ってきた。大切に食べよう。


  マイナス5℃の朝から3時間経ってもまだマイナスの気温のまま。そんな朝なので、身体をぐるぐる巻いて出かけてきた。身体を冷やさないように、タイツと〇〇〇の間に「貼るカイロ」を貼って出かけたので途中はぬくぬく。
ところが家に帰って見ると、間に貼ったカイロが見当たらない。どこにも寄り道していないかのに、はてはて不思議なことが起きるものだ。どこに落としてきたのだろう。
  そのうち出てくるかもしれない? 
     「まてばかいろのひよりあり」って言うよね。
洗濯機の中で見つけた、こんなことになりませんように。

午後2時、こうやって机に向かっていても、外はようやく0℃の寒さ。

         里山の暮らし 848 2025.1.6
                                                          

 

 

    明けましておめでとうございます。

  

中央のやや膨らんでいるのが「那須茶臼岳」(1915m)。9合目までロープウェイが通じているので、体調が整えば比較的たやすく頂上に立てる山。
まだロープウェイなど通じていなかった時代に、小学生の田部井順子さんは頂上に立って周囲の景色に感激した。そのことがのちに登山家を目指すきっかけとなったと講演会で話され ていた。もう10年以上前のことだ。
1970年、アンナプルナV、1975年女性初のエベレスト登頂成功。その後女性初の世界初七大陸最高峰登頂成功と実績を積み重ねて来られた 田部井さん。エベレスト登頂後は、登山に一切スポンサーを付けていない。

昨年12月。ネパールへ旅して田部井さんが登られたエベレストやアンナプルナVを、この目で実際に見たこと。これが昨年一番の思い出になった。
今年も良い思い出を積み重ねられるように、自分の力にあった速度で時を過ごそう。
他人のために、自分のために。

・ ひと粒の竜の玉めくいのちかな

     

   ・いつになくこころしづかに明けの空

 ・はだか木を裸木として栗鼠きたる

   本土リス
   本土リス。
   冬の間に、野鳥に食べさせようと集めてきたクルミをかすめ取って山桜の木の上に逃げて行った。
   ゆっくりお食事中。
   冬毛なので、耳の毛が長い。

               里山の暮らし 847 2025.1.1
                                                        
                                            里山の暮らし 2024年1月〜2024年12月まで (letters16)