ゆり
白ユリ → ユリ Lily → Madonna
lily (Lilium candium) ユリ科ユリ属 ニワシロユリ
ユリ科ユリ属の代表。マドンナ・リリーとはバルカン半島や西アジアを原産とする大輪で香りが高いユリ。 |
|
・・・ 庭の白ゆり(Madonna
lilies)の香りは目に見えない風に乗って、戸口という戸口、窓という窓から祝福の精のように広間や部屋にただよってきた。 『赤毛のアン』 第14章 アンの告白 (Wednesday morning dawned as bright and fair as if expressly made to order for the picnic. Birds sang around Green Gables; the Madonna lilies in the garden sent out whiffs of perfume that entered in on viewless winds at every door and window, and wandered through halls and rooms like spirits of benediction. )
「spirits of benediction
」・・・ここですでに、アンは許されピクニックへ参加できることを暗示しています。 (Tonight a spike of white lilies faintly perfumed the room like the dream of a fragrance. ) |
|
また、フランスのルイ王家の紋章として知られ、白百合をフランス百合と呼ぶこともあります。 しかしこの紋章は、もとはアイリスが使われていたのです。 |
|
・・白ゆりの花もなかったが、茎の長い、青いアイリスをアンの組み合わせた手の一つに持たせるとすてきな効果がでた。 (Jane rose to the occasion. Cloth of gold for coverlet there was none, but an old piano scarf of yellow Japanese crepe was an excellent substitute. A white lily was not obtainable just then, but the effect of a tall blue iris placed in one of Anne's folded hands was all that could be desired. )
当時、島ではテニソンの詩を学課に採りいれるように指導されていました。夢想癖のあるアンが、とりこにならないはずがありません。 |
|
庭のカサブランカ |
白いカラーを背景に 庭の鉄砲百合 |
ですからアンがエレーン姫を演じるときに、アイリスを準備したのは、知ってかどうか、意味のある選択でした。二重の花の意味を持たせたモンゴメリの「これって、アイリスをわざと選んだのよ、読者のみなさん、分かってね」。
幕末にシーボルトが日本のユリの球根をヨーロッパに持ち帰ったことを契機に、ユリの球根は近代日本において絹に次ぐ二番目の主要輸出品として外貨を獲得した歴史を持ちます。
「ソロモンの栄華もゆりに如かず」 ・・・ 神の創造物(自然)に人間の知恵は及ばない。
スズランはLily
of the Vally マイヅルソウを Wild
Lily of the Vally と呼ぶように。
○ こゑあげてよぶにまどひぬ星の世に小百合しら萩もつ神は一つ 山川登美子 『恋衣』 |