きりんそう     

  きりん草 アキノキリンソウ  Goldenrod 
                                                (Solidago キク科アキノキリンソウ属
)

キリンソウ(Goldenrod・金の杖)は高さ一メートル前後の多年草。花茎の先に房状の黄色い花房を付けます。
北アメリカ大陸を中心に、ヨーロッパ・北アフリカ・中近東・アジアなどに100種以上分布していて、日本での同属植物は、山野に見られる、アキノキリンソウがあります。
花期は6月から10月。カナダの夏から秋にかけて、日当たりの良い路傍や野原で大群落が見られ、雑草扱いされる、それでも遠目にも目立つ華やかな花。
キク科と聞くだに「増える」との印象を持ちますが、その通りです。
花茎の先が分岐する種類、日本に帰化したセイタカアワダチソウによく似ている弓状に咲き、大きな群落をつくる種類など、その種類は多岐にわたります。
 

 窪地を流れている小川は森をではずれて、きらっと輝いたかと思うと、また森にかくれた。いまや街道は秋のきりん草やくすんだ青色の菊が両側にリボンのように(ribbons of golden-rod and smoke-blue asters)咲いている間を、さんさんと日光を浴びながら走っていた。
                                         『アンの青春』 第6章  人さまざま

 (A September day on Prince Edward Island hills; a crisp wind blowing up over the sand dunes from the sea; a long red road, winding through fields and woods, now looping itself about a corner of thick set spruces, now threading a plantation of young maples with great feathery sheets of ferns beneath them, now dipping down into a hollow where a brook flashed out of the woods and into them again, now basking in open sunshine between ribbons of golden-rod and smoke-blue asters; air athrill with the pipings of myriads of crickets, those glad little pensioners of the summer hills; a plump brown pony ambling along the road; two girls behind him, full to the lips with the simple, priceless joy of youth and life.
 

カナダ・ロッキ山脈、グラントテートン公園にて。
周囲にデージー、アカツメクサ、ノコギリソウが咲く。
 

   日本の同属植物のアキノキリンソウ。

  道まではみ出してきたえぞ松の若木が街道沿いにつづき、ところどころ、それがとぎれているあたりは農場の裏畑の垣になっていたり、木の切株が散らばっていて、そのあいだにきりん草が燃え立つばかりだった(aflame with fireweed and goldenrod.)。
                                   『アンの青春』 第18章   トーリー街道の冒険

 (
Along most of its extent it was lined with thick-set young spruces crowding down to the roadway, with here and there a break where the back field of a Spencervale farm came out to the fence or an expanse of stumps was aflame with fireweed and goldenrod. )
 

 6週間というもの暑さが続いたある午後。アンとダイアナは馬車を走らせます。ようやく本道をはずれ、草が生い茂っている街道に出ました。
切り開かれた森林跡に黄色いキリンソウと、ヤナギランの紫ピンクの花が一緒に咲く・・・・これは目立つ存在でしょう。それこそ燃え立つばかりの秋の一日の描写です。
Firewee
d が訳出されていません。これは別紙でみて見ましょう
 
一時期、北米渡来のセイタカアワダチソウが花粉症の原因だと言われたことがありましたが、キリンソウの仲間の花粉は重いこと、昆虫類によって受粉されることなどから、花粉症の原因ではないと結論付けられました。
これで近づいても安心ですね。
セイタカアワダチソウは、種子と地下茎で殖え、さらに根から有害な物質を出して、周囲の植物を枯らすことで繁殖を容易にしました。
これをアレロパシー(Allelopathy)と呼び、ある植物が他の植物の生長を抑える物質(アレロケミカル)を放出することを言います。

繁殖作戦の一つでしょうが、うかつなことに自分自身もそのアレロパシー成分の影響を強く受けて繁殖が難しくなってきたという、セイタカアワダチソウに取っては悲しい結果となりました。