レンガ積みのコツのコツ     (2003年6月記)
 

    レンガ積み入門へ 

   何が難しいか

(1)レンガは、その色の持つ華やかさと併せ持つ素朴さ、堅実さがイメージとしてあり、門柱用素材として人気が高い。しかし門柱を外注すると、左右2本の対で約20万円(材料+工賃)はする。

素材であるレンガ自体は2万円程度しかしないのに、これだけ高くなるのは「レンガ積み」という特殊技能が必要なことと、レンガとレンガの間に接着剤として挿入する「目地モルタル」が固まるのに時間がかかるため、一日に積めるのは3〜4段までと施工日数が増え、職人の手間賃がかさむからだと考える。

(2)敷きレンガはレンガの筋と平面が揃っていれば綺麗に見え、さらにはレンガの隙間に砂をいれることが多いことから、二次元の注意力を必要とされる。

それに比べ「積みレンガ」の技術的困難さは、寸法が厳密にそろっていないレンガを、縦+横同一サイズに組み合わせ、四隅の直角を出すこと・・・段積みを重ね高さを上げていく時にも、四隅が上から下まで決して動かぬこと、つまり四隅についても垂直であること・・・いわば三次元で仕上がりをチェックされることにある。
時間が経つにつれ固まっていくモルタルを、接着剤として積んでいくのも難しい。

  発想を変える

(1)各段ごとに縦、横の寸法を同じにするには。
メジャーをあててレンガの隙間を加減するのではなく、あらかじめ木の壁で囲まれたマスを作り、このマスの中にレンガを収め、レンガ同士の隙間(目地)は適当で良い、と考えることにする。

(2)縦、横の直角を出すためには。
上記(1)のマスをあらかじめ木で作り、四隅を直角に作っておけばいい。

(3)四隅を上から下まで揃えるために。
門柱の高さ分の型枠を作り、これにレンガをはめ込んでいくと、おのずから揃うはずだ。

(4)垂直をだすために。
型枠は基礎コンクリートに取り付けたボルトとナットで固定し、支え棒で微調整を行い、垂直を出していく。

(5)型枠は分解したり取り付けたりできるように。
レンガ積みは、目地の仕上げが必要なので一日で完了しない。
仕上げするときに型枠があっては不可・・・平たく言えば邪魔だ。

型枠は外せて、次の作業時にはまた同じ位置に正しく取り付けができなければならない。
そのために、型枠の足元にあらかじめ「取り付け用合マーク」を用意した。

基礎コンクリートには「基礎ボルト+ナット」を取り付ける。これを利用して型枠を取り付ける。こうすれば必要な時はいつでも取り外しができる。

  目地の考え方。

(1)目地モルタルは接着剤であるとともに、レンガの寸法不ぞろいを吸収するクッション材でもある。
ところが、クッション材として使いこなすには、相当な技術が要求される。つまりプロの仕事だ。
われわれ素人は、隙間を一定にしていくのが精一杯だろう。

そこで高価な「楽目地」の代わりに、安価な隙間維持材(スペーサー)として、「発泡スチロール板」を提案する。

(2)積んだレンガの上に、レンガより小さい発泡スチロール板をスペーサーとしてかぶせる。レンガの表面の残った部分をモルタルで充填すれば、強度的に問題はないはずだ。

(3)今回の作業では10mmの厚さの発泡スチロール板を使った。
この発泡スチロール板はレンガ重を支えてくれる。
したがって目地モルタルが固まるのを待つために、一日3〜4段しか積めなかったレンガも、この方法を採用するとそれ以上の段数を積むことができるだろう。
(ただし腰痛の無い人にかぎるが)
  
   
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