初夏の花 その 2
ウリカエデ  (カエデ科)

翼果は、プロペラそっくり。熟すと風に揺られて回転しながら落ちていく。
なるべく遠くへ種を飛ばすための戦略なのですね。
カキドオシ (シソ科)

一旦植えると、垣根を通り越して殖えていく。名前の通り、その繁殖力たるや、特筆すべき。
踏むと良い香りが立ち上り、まあ殖やすのを許してやろう、という気になるのです。

ミツバウツギ 
  (ミツバウツギ科)

ウツギではなくて、ゴンズイなどのミツバウツギ科。今の今まで知らなかった---。ウツギ様の花をウツギに先駆けて咲かせる。

ネジキ (ツツジ科)

幹が捻れるからネジキ。
スズランに似た白い花を鈴なりに付けます。この場所は上を向いて歩きます。スズランがいくつか落ちているとちょっと嬉しい。

ウワミズザクラ
   (バラ科)

10センチ近くの総状花序を伸ばし、散歩の足を弛ませる花。
林の中を風が抜けると、花穂も揺れて雄しべが光ります。


  カミツレを摘んで
   ハーブティーに。
キツリフネ 
  (ツリフネソウ科)

距が巻かない、葉が無毛で先が尖らない、つるつるした手触り。ツリフネソウ科で唯一の黄花。
金魚のように、風に身を任せて風に従います。
コアジサイ 
      〔ユキノシタ科)

別名シバアジサイ(柴)。枝先に直系5cmほどの散房花序が出る。
アジサイのような装飾花はなく、すべて両性花。とってもいい香り。薄紫色の花が香るなんて、天国そのもの。

チャイブ (ユリ科)

アサツキに似た香り。もう少し柔らかい香りでしょうか。刻んでサラダのトッピングに、オムレツに混ぜて、と使い道のあるハーブ。

 

ネジバナ (ラン科)

別名モジズリ。右巻きに、左巻きにと自在に螺旋をえがいていく。直立するため、あるいはバックリングを防ぐために捩れながらバランスをとっているのです。日当たりが好き。

ヤマグワ (クワ科)

散歩道にヤマグワが熟すと、上を見上げてため息をつくのです。「もう少し背が高かったらな」。しかし人間、道具を使うことを覚えました。口の周りに実の黒い色が付きます、注意!

ヤマシャクヤク  
   (ボタン科)

友人に、この花を見てから山野草栽培にのめりこんだ人あり。
株を充実させないと花をつけません。山野草の中でも栽培は難しいと言われます。花の命はほんの2日ほど。
コイワウチワ 
          (イワウメ科)

やや湿気のある場所が好きなのか、の日当たりの良い場所に植えたら、3年後には小さくなって絶えてしまった。山野草栽培道は奥が深い。
可哀相なことをしました。
 

ヤマツツジ (ツツジ科)

2010年はヤマツツジの当たり年。那須山中腹の八幡には、20万本ものヤマツツジの群落があるのです。遠く八溝の山並みが広がり、見上げると那須の山が指呼の距離に。
蝦夷蝉の声も聞こえます。
マンネングサ
  (ベンケイソウ科)

万年草。それもそうです。ベンケイソウの仲間なのですから。どんなに乾燥していても、たとえアスファルトの隙間からでも茎を伸ばし、黄金色の花を付けるのです。小さくて頑張る花。

ハナトラノオ (シソ科)

カクトラノオとも。シソ科の特徴は、香り、茎の断面が四角形、葉は対生。 花びらを抑えると、ペッちゃんこになって元のように戻りません。こうやって遊ぶと面白い。

スズラン (ユリ科)

別名君影草、谷間の姫百合。フランスでは、5月1日にこの花を愛する人に捧げる習慣があるとか。那須でも丁度その頃花を咲かせます。スズランの花束---届かない 。

キュウリグサ 
             (ムラサキ科)

麦と同時代に渡来した古代帰化植物(らしい)。揉むと胡瓜の匂いがします。背の高さ10センチほど。可憐な薄紫の花が順に咲き昇ります

クサノオウ (ケシ科)

瘡の王。瘡とは丹毒のこと。

毒草や
あたり八間
はびこりぬ
      一茶

ムシトリナデシコ 
    (ナデシコ科)

コマチソウという可愛らしい名前も持つ。茎から粘液を分泌して虫を取ることから虫取りと名づけられた。虫が捕まえられているのを見たことありません。

ハハコグサ (キク科)

春の七草のうちのオギョウ。若芽は食べられる。中春、白い綿毛をつけた茎をもたげ、先端に花を付ける。その昔、これで「ままごと」をして遊んだのを思い出します。

チチコグサ (キク科)

母があれば父がある。鳥類と違って父のほうはとても地味な花。
父は美しくなくてもいい、強ければいい。

ウノハナ (アジサイ科)

ウツギとも。茎が空洞なので乾燥する土地は苦手。
那須の山の中腹には比較的多く見かけ、この花を見に出かけると、時に猿の群れに出合うこともある。
ツルリンドウ 
         (リンドウ科)

野にハルリンドウが空色の星を瞬かせる頃、負けじと蔓を伸ばし始めます。秋の赤い実のほうが印象的。花期が長いので、花と実の両方を楽しむことも出来るのです。

ニッコウキスゲ 
    (ユリ科)

尾瀬まで車で3時間なのに、いまだ訪問を果たしていません。
標高の低い我が家(425m)の庭に植えたら、肉厚、元気そのものの花が咲いてイ「メージが狂ったのでした。
コマツナギ (マメ科)

馬を繋いでおけるほど、茎が丈夫だ。馬が大好きで立ち止まって食べるからという説。どちらもうなずけます。引っ張ってもみても、茎はなかなか折り取れません。しぶとく強い!
クサタチバナ 
 (ガガイモ科)

こんな顔をしていても、ガカイモの仲間。あの船形の滑稽とも思える果実を実らせ、ある日ふわふわと種を飛ばします。
林に白い花が浮き出て見える初夏の貴重な花。

ティアレア・スプリングシンフォニー
   (ユキノシタ科)

ツボサンゴの仲間。すらりとした花穂がとても魅力的。見かけによらず、日陰と寒さにめっぽう強い花。星型の花が花火のようです。

モミジイチゴ (バラ科)

白いいかにもバラ科の花を咲かせた後、ひっそり下向きにオレンジ色の実を付ける。野いちごの中で一番のあじ。ジャムにするとため息ものの美味しさ。

ツクバネソウ (ユリ科)

輪生する4枚の葉から伸びた茎に咲きに、まことに地味な花が咲き、その後羽つきの羽のような実が熟すことから、ツクバネソウ。秀逸なデザインですね。

 
  

  
   雑草と銭ゴケには
   いつも負けます。
    
キリ (ゴマノハグサ科(あるいはノウゼンカズラ科、または独立のキリ科)

円錐花序の薄紫の花をつけます。見上げるほど高い空に咲くので、紫色に酔いそう。

クルマムグラ 
  (アカネ科)

アカネの仲間ということで納得。目立たないが可憐な花を咲かせる。精一杯、という言葉に相応しい花姿。 

コムラサキ 
              (クマツヅラ科)

ムラサキシキブとして栽培されているのは、このコムラサキが多い。
秋、紫色の実が数珠なりに鳴る様子はとても美しい。山野のムラサキシキブの実は猿が食べるが、このコムラサキは?
キエビネ (ラン科)

こういう花も少なくなりました。盗掘する人が後を絶えません。林のあちこちで見られたリスの姿を見かけなくなって数年。林は開発されるままです。

レンゲツツジ 
   (ツツジ科)

那須を巡る山々の、標高1000mくらいの高さには、このレンゲツツジの群落があるのです。5月、高原はオレンジ色に輝きます。

キツネノマゴ 
  (キツネノマゴ科)

子狐の顔に似ているから?古くは、乾燥させて似出し、目薬として使ったようです。
暖地には「狐のひ孫」なる植物もあるとか。

イワナシ (ツツジ科)

世界にイワナシ属の植物は、北アメリカと日本に自生する2種類のみ。この花は『赤毛のアン』で「さんざし」と訳された花。アンの赤い髪には、このピンクは似合わないような気がする。

アジサイ (アジサイ科)

剪定は花の後。花木の剪定はこれが基本。
アジサイが庭に満ちる時、那須はようやく夏を迎えます。

 
ヤマブキソウ (ケシ科)

ヤマブキの名が冠せられているけれど、近縁ではありません。
(ヤマブキの花弁は5枚。)うっすら小暗くなってきた林の中に咲く周りを明るくする努力を惜しまない花。

ペンステモン
     (ゴマノハグサ科)

ツリガネヤナギの和名の方がこの花の印象にぴったり。後ろはギボウシ(ホスタ)。緑に赤の配色は、まるっきり補色ですね。

カタバミ (カタバミ科)

花言葉は「輝く心」。うむその通りですね。クローバーに似た葉の間から黄色い花が覗いて、雑草なのか花なのか、悩むところです。気分によって抜いたりそのままにしておいたり。

ルピナス (マメ科)

学名の Lupinus 、ラテン語の 「lupus(オオカミ)」が語源。どんな土地でも育つ逞しさから名づけられました。酸性土の那須では、酸度調整しないといけません。

タデアイ (タデ科)

これが藍染めの原料のタデアイの花。奈良時代から続く歴史がある。今年は種を播いたので、、生葉染めに挑戦してみよう。

トウダイグサ 
   (トウダイグサ科)

特殊な杯状花序をつける。小型のカップ状の総包の内側に雄しべが輪を作り、中央に雌しべが一つあって、全体で一つの花になる。自然のデザインのこの素晴らしさ!

カワラケツメイ 
 (ジャケツイバラ科)

ハブ茶で有名なカワラケツメイ。
河原決明、書くといかにも効能があるように思える。
マメ科の花になり損ねたような花姿には、笑える。

カシワ (ブナ科)

ご存じ、柏餅の葉。秋に枯れた葉が、新芽が出るまで落葉しないことから、確実な代替わりを象徴するめでたい植物とされている。
 

キンシバイ 
      (オトギロソウ科)

なるほど、うんうん。とうなずくのでした、オトギリソウ科なのですね。花姿の印象が良く似ています。
金糸梅。元気を分けてもらえそうな花。

シロウメモドキ 
               (モチノキ科)

「庭に野鳥を呼ぼう」をテーマに入居と同時に植えた木。残念ながら、お客様はヒヨドリがメインでがっかり。
♪白い鳥 小鳥なぜなぜ白い 白い実を食べた♪ 北原白秋

ラベンダー (シソ科)

写真はイングリッシュ・ラベンダー。香りを届けられるパソコンがいつできるでしょうか。
初夏の紫色にぞっこん惚れています。

  

   薔薇薔薇薔薇
   
   

ササバギンラン (ラン科)

背の高さ30センチ。真っ直ぐ立って咲くので、うっかりすると踏みそうになる。純白の花は開ききることは無く、ひっそりと慎ましく咲く花。この花も最近は少なくなってきた。

クリ  (ブナ科)

6月のある日、どこからとも無く漂ってくる臭いが。クリの花が満開です。花穂が落ちてくると、そのあとの掃除が大変。物事には裏と表があるものです。美味しい---掃除の大変さ。

オカトラノオ
   (サクラソウ科)

すんなり伸びた尾(実は花穂)が草原の中でひと際目立つ花。
良く似たヌマトラノオは直立する。
 

ベニバナニシキウツギ 
   (スイカズラ科)

ニシキウツギは花色が白から紅に変化するが、この種は初めから真っ赤。栃木以北にはこの花が多いらしい。川原に咲くのを見つけると、無性に嬉しい。

シモツケソウ 
   (バラ科)

下野の国に住むからには、シモツケソウを植えなければ。
木本でなく、草本なので別名クサシモツケ。梅雨の初めに赤い花。適期適花の最たるもの。

キョウガノコ (バラ科)

シモツケソウに似ているが、これは木本。つまり「木」です。
ボタンは「木」でシャクヤクは「草」と同じ考え方からです。
 

ノリウツギ (アジサイ科)

樹液が和紙を漉く時の糊として利用されたためノリウツギ(糊空木)。華奢な枝ぶりの先に、白い花を付ける。風に吹かれて大きく揺れる道を歩くのは初夏の楽しみ。

ウワバミソウ 
              (イラクサ科)

関東以北ではミズナと呼び、夏の代表的な山菜。ウワバミ(蟒蛇)が消化を良くするために食べる、ウワバミが居そうな所に生える、などと各説あり。大酒呑みをウワバミと言いますね。 

シャーレー・ポピー
  (ケシ科)

『赤毛のアン』のアンの名前はこの花から。那須の初夏を真っ赤に彩ります。

ツリフネソウ 
        (ツリフネソウ科)

黄色のツリフネソウが咲いた後、追いかけるように林のなかでぶらぶらぶら下り始めるツリフネソウ。インパチィエンスの仲間なので、種を触るとはじけ飛びます。
カブトムシの幼虫

コウチュウ目(鞘翅目)・コガネムシ科・カブトムシ亜科・真性カブトムシ族に分類される昆虫の種の標準和名。おおそれであんな鎧を着ているのだな。
堆肥倉にどっさり!  

テッポウユリ (ユリ科)

真っ白な花を横向きに咲かせる。スカシユリのあの空を向いて咲く無頓着さとは縁がありません。欧米では聖母マリアのユリ(マドンナ・一リー)として崇められています。

ヤハズソウ (マメ科)

矢筈とは矢の弦にかける部分(矢羽)。葉の先端を摘んで引っ張ると、矢羽のようになることからヤハズソウ。子供の頃幾つも矢筈を作って遊んだものでした。
ヒメサユリ (ユリ科)

日本一のヒメサユリ群生地:高清水自然公園@福島県南会津郡南会津町。
行くべし。

ノハナショウブ 
            (アヤメ科)

沼原湿原の夏は、ノハナショウブとニッコウキスゲに彩られる。
アケボノソウが咲くのもすぐ。
  

七夕祭り

季節の行事を楽しまないと、なにか悪いことが起きそう。
心に余裕が無い証拠だから。

  

ツルリンドウの赤い実 
  (リンドウ科)

花期が長いので、花も実も同時に見られます。この赤の色をどう表したらしいのか。

                                      

夏の花へ