スカンクキャベツ  ザゼンソウ    

  スカンク・キャベツ → ザゼンソウ(座禅草 ) サトイモ科ザゼンソウ属 

スカンク・キャベツは、北アメリカ東部、北東アジアに分布する多年草。
仏炎苞と呼ばれる一見花に見える姿が、僧侶が座禅を組む姿に似ることから、日本名を「ザゼンソウ・座禅草」、または達磨大師が座禅する様子に見立てて「ダルマソウ・達磨草」と呼びます。
特徴的なのは、
1)早春にいち早く花を開くため、肉穂花序で発熱が起こり約25℃まで上昇し、周囲の雪を融かす。
2)その時期にはまだ少ない受粉媒介者(訪花昆虫、ハエなど)をおびき寄せるために、悪臭を放つ。
ラフレシア(Rafflesia)を思い出しました。東南アジアとマレー半島に分布する、ブドウ科植物の根に完全寄生するラフレシア科ラフレシア属の寄生植物。
多肉質の世界最大の花、というよりも、その異形の花形と、受粉媒介者であるハエをおびき寄せるために、人間にはとても耐えられないほどの腐臭を発する植物です。

繁殖のために、本能にも似た行動を見せる植物の生き方を見ていると、自分の命を全うしようという強い意志を感じるのです。しかし、植物はいったいどこで考えているのでしょうか。

 「いつか本に、ばらはたとえほかのどんな名前でもおなじように匂うと書いてあったけれど、あたしどうしても信じられないの。もしばらが、あざみとかキャベツ(a thistle or a skunk cabbage.)なんていう名前だったら、あんなにすてきだとは思われないわ。・・・」 
             『赤毛のアン』 第5章 アンの身の上

( "I read in a book once that a rose by any other name would smell as sweet, but I've never been able to believe it. I don't believe a rose would be as nice if it was called a thistle or a skunk cabbage. )

アンを知る人ならば、この部分は「 Romeo and Juliet」の中の台詞からきていることはご存じでしょう。
 What’s in a name? That which we call a rose
y any other word would smell as sweet.
  名前がどうしたの言うの? ばらは他の名前で呼ぼうとも、甘く香ることには変わりはない。

アンは、『リア王』の末娘コーデリアや、この『ロメオやジュリエット』のようなヒロインになりたいのでした。しかしアンはジュリエットと違い、ロマンティックな名前の助けを必要としているのです。「e」の付かない「ann」。せめてこれに「e]を付けることによって、ロマンスの雰囲気に浸りたいと・・。

  アメリカ、マウントレーニア山の麓で
 

  ザゼンソウ (日本のスカンクキャベツ)

右写真は、栃木県大田原市金丸のザゼンソウ群生地にて。
一度は見てみたいとの思いから出かけましたが。あたり一面どう表現しようもない悪臭が漂い、写真撮影を終えたあと、一目散に帰途につきました。スカンクの○○の臭いてあんなのかしら。
 
参考までに写真は、日本の植物で最悪の名前を持つ「へくそかずら・屁糞蔓」。
こんなに可愛らしい花なのに。別名、さおとめばな・サオトメバナ・早乙女花。 これなら許せますね。「継子の尻拭い」の名前の花もありますよ。

        これがヘクソカズラの花