まんねんすぎ ( 這い松)
まんねんすぎ Ground
pine (Lycopodium obscurum) ヒカゲノカズラ科ヒカゲノカズラ属)
訳文の這い松の名前だけ見ると、日本の高山地帯に生える常緑のハイマツを思い出しますが、このGround
pineは羊歯・シダの一種。 |
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(クリスマス・ツリーの花輪にするため森へ出かけたアンとカザリンと双子は、這いえぞ松(creeping
spruce)や這い松((ground pine)を摘み取り、冬じゅう森のとある深い窪みに青々としてしげりつづける羊歯まで摘んでさまよい歩くうちに、太陽は白い山腹の上から夜のほうを振り返ってほほえんで見せた。 『アンの幸福』 2年目 6 ( They wandered about, gathering creeping spruce and ground pine for wreaths . . . even some ferns that kept green in a certain deep hollow of the woods all winter . . . until day smiled back at night over white-bosomed hills and they came back to Green Gables in triumph . . . .) |
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プリンスエドワード島のまんねんすぎ |
スイス、グリンデルワルト マンネンスギ 上 日本のヒカゲノカズラ 上 |
日本の同属植物にヒカゲノカズラ(日陰鬘、学名:Lycopodium clavatum)があります。
ヒカゲノカズラは日当たりのよい場所で地表を這うように群生します。 ○ 古事記 [天の岩戸の伝説] より 天照大神が岩戸に隠れてしまい世の中が暗闇になった。その天岩戸の前で、太陽(天照大神)の復活を祈って天宇受売命が踊った際に、この植物を素肌にまとったと言われます。別名カミダスキ ----- 天手力男の神戸の掖に隠り立ちて、天宇受売(あめのうずめ)の命、天の香山の天の日影を手次にかけて、天の真拆を鬘として、天の香山の小竹葉を手草に結ひて、天の石屋戸にうけ伏せ、ふみとどろこし神懸りして、胸乳をかき出で、裳紐をほとにおし垂れき。ここに高天原動とよみて、八百万の神共に咲ひき。
「日影を襷にかけ」とあるこの日影がヒカゲノカズラ。
三年前のことでした。 ○ 枕草子第66段 [草は]にも。 ----- しのぶ草、いとあはれなり。道芝、いとをかし。茅花もをかし。蓬、いみじうをかし。山菅。日かげ。山藍。浜木綿。葛。笹。青つづら。なづな。苗(稲の苗)。浅茅、いとをかし。---- |