アツモリソウ
あつもりそう 敦盛草 Pink Lady’s Slipper (Stemless Lady’s Slipper)ラン科
プリンス・エドワードアイランド州の花。現在は絶滅を危惧されています。
寒冷地を好み、かつては野原や丘で見られましたが、乱獲や盗掘されることも多く、現在島で見られるのは、ほとんどが栽培されたもの。和名はスリッパ状の唇花を平敦盛の背負った母衣(ほろ)に見立てたから。なおこの命名方法は、熊谷直実の名を冠した、ラン科アツモリソウ属のクマガイソウに対応するもの。(写真下)
カナダの山に数回旅しましたが、西部、東部ともにこの花にまだ出会えていません。 |
ねじれた木の根っこが飛びでたかわいい小径を二人はぶらつきながら、幹のすべすべした橅を、一、二本見つけたり、女王様が踏んでもよいほどやわらかなあおあおとした苔の上を歩いたりした。あとしばらくしてからここを探すとジューンベルや、延齢草や、野生の蘭や敦盛草(lady's
slippers)などが見つかるし、もっと後になれば、後ろの林の空き地で苺が採れると母が教えてくれた。 『マリゴールドの魔法』 第3章-2 春の訪れ 田中とき子訳 篠崎書林刊より
(She and Mother had wandered along dear little
paths over gnarled roots. They had found a beautiful smooth-trunked
beech or two. They had walked on sheets of green moss velvety enough
for the feet of queens. Later on, Mother told her, there would be
June-bells and trilliums and wild orchids and lady's slippers there
for the seeking. Later still, strawberries out in the clearings at
the back.) ・・「モンタナ」に苺を摘みに行った。「モンタナ」は・・・・低木が繁った、切株だらけの広い荒地。私達は毎夏そこへ素敵な遠足をする。壺一杯に苺を摘んだ後、・・・・とても美しい小道を散歩した。その道はカエデの木でアーチ状に覆われていた。エゾマツの森の奥を大きく切り開いた「インディアナ」へ行き、そこでラズベリィを摘んだ。森は美しかった。道端にはシダやナデシコやアツモリソウが咲いていた。アツモリソウはこの世で一番香りが良い。その次はナデシコ。
『L.M. モンゴメリの日記T』 桂宥子訳 篠崎書林 1989年11月刊 より |
↑ 同属のクマガイソウ 友人宅 |
左は:Pink Lady’s Slipper Stemless Lady’s Slipper
↑ Pink Lady’s Slipper |