ワンダリング・ジューとは?
ワンダリング・ジュー ツユクサ科 Wandering
Jew
図鑑にはSpiderwortとあり、ツユクサの葉が、細長くて蜘蛛・クモの脚を思わせることから付きました。 |
ポーリーンは家事をとりしきり、母親にまめまめしく仕えております。小柄で、顔色がわるく、目は淡黄褐色で、金褐色の髪はつややかで今なお美しく見えます。生活はらくなので、母親のことさえなければ、ポーリーンはしごく愉快に楽しく過ごせるのでした。教会の仕事が大好きですから・・・・・まったく幸福に暮らしていられるはずなのです。けれど、ポーリーンは家からほとんど出ることができず、日曜日に教会にさえ行かれません。 『アンの幸福』 1年目 ( She keeps the house and waits on her mother hand and foot. She is a little pale, fawn-eyed thing with golden-brown hair that is still glossy and pretty. They are quite comfortably off and if it were not for her mother Pauline could have a very pleasant easy life. She just loves church work and would be perfectly happy attending Ladies' Aids and Missionary Societies, planning for church suppers and Welcome socials, not to speak of exulting proudly in being the possessor of the finest wandering-jew in town. But she can hardly ever get away from the house, even to go to church on Sundays. ) * 「町一番のWandering Jewを育てている」 この部分が訳されていません。 |
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母親の奴隷状態にある、かわいそうなポーリーンが、町一番の出来だと誇りにし、大事に育てている「wandering-jew 」なる植物とはなにか?どうして訳出されていないのか。
まずWandering
Jew(さまよえるユダヤ人)はどういう意味を持つかを調べてみましょう。
単にツユクサ科の植物が、四方八方に根を伸ばして繁殖するのを、Wandering
と名付けたのかもしれません。 このシーンを読むたびに、いくつか感じるところがあるのです。
初めに湧いた疑問はこうでした。
兄姉は皆、自分の母親を家に入れない程嫌っているのに、ポーリーンは唯々諾々と母親に従っている・・・・。
日本でもよく見られるムラサキツユクサも、このワンダリング・ジューと同じ仲間です。 ○ 月草のうつろひやすく思へかも我が思ふ人の言も告げ来ぬ 大伴坂上大嬢 巻4-583 (作者は大伴家持の従妹。大伴坂上郎女の長女、後に家持の妻になります。この歌は母・大伴坂上郎女の代作。いずれの世も歌作の得意でない人も存在したようですね。歌で築く交友関係が大切なこの時代でした。不調法な私には、母の才能を受け継がなかった長女の哀しさがよく理解できます。) ○ 月草に衣色どり摺らめどもうつろふ色と言ふが苦しさ 作者不詳 巻7-1339 (「草に寄す」という小題がついています。心変わりしやすい人だとのうわさを聞く女性の心の重さはいずれの時代も同じ) むらさきつゆくさ |