たちあおい
タチアオイ Hollyhock (Althaea
rosea アオイ科タチアオイ属)
Hollyhock(タチアオイ)は、アオイ科の多年草。
日本には、古く薬用として渡来し、平安時代には唐葵(カラアオイ)と呼ばれ、立葵(タチアオイ)と呼び名が変化したのは江戸時代。今や田舎の夏の景色には欠かせない花。 花言葉は、平安、高貴、大きなこころざしなど。 |
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Mrs.
Rachel deposited her substantial person upon the stone bench by the
door, behind which grew a row of tall pink and yellow hollyhocks,
with a long breath of mingled weariness and relief. 『赤毛のアン』 第38章 The Bend in the road |
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アンが、マリラとグリーンゲイブルスを守るため、大学進学を諦めたと聞きつけたリンド夫人がやってきたシーンが原文にありますが、村岡訳には見当たりません。 |
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花の向きは一定ではないようです。 |
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リラはいまでもまだ舌よりも目で話すほうが上手だった。まったくの片言なのである。しかし、それもなおるに相違なかった。どんどん成長していくからである。去年、お父さんはばらの茂みでリラの背丈をはかった。今年は草夾竹桃であった。じきに蜀葵ではかるようになり、あたしは学校へ行くのだ。 『炉辺荘のアン』 第36章 リラとお菓子 (But she would grow out of that . . . she was growing fast. Last year Daddy had measured her by a rosebush; this year it was the phlox; soon it would be the hollyhocks and she would be going to school. ) |
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ばらも、草夾竹桃も、立葵も、木本と草本の違いこそあれ、夏の間日々生長し続ける植物です。
古代のイラクで、平安の日本で、十九世紀のアンの島で。このタチアオイが咲き揃っていたのかと想像すると、そのしなやかで風に揺れる花びらがひときわいとおしくなるのです。 |