シリーズ全巻を訳した井伏鱒二が原文の "parsnip"をオランダぼうふうと訳しています。
村岡花子が、上記の『炉辺荘のアン』を訳出した時期(1958年)には、オランダぼうふうとして通用していたのか、あるいは、訳者が、外来種の意味を重ねるために、アメリカではなくて言葉の響きのよいオランダを冠したのか。
食欲旺盛。トリュフを掘りたてるのが得意な食いしん坊のブタ。 『ガブガブの本』 |
オランダぼうふう
オランダぼうふう アメリカぼうふう パースニップ Parsnip セリ科
ヨーロッパ原産のセリ科の二年草。 ニンジンに似た葉を持つ根菜。 |
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「かまいませんよ」 アンソニー夫人はさっそくまた椅子にすべりこんだ。「もうしばらくすわらせていただきましょう。とにかく、年をとると体が休まるのに手間取りますんでねえ。それに」とアンソニー夫人はその血色のいい顔にうっとりとこの上ない幸福そうな微笑をたたえながら「オランダぼうふうのフライの匂いがしやしませんでしたか?」 つぎの週、『毎日新報」が出たとき、アンはオランダぼうふうのフライを惜しむ気持ちにさえなった。・・・・ 『炉辺荘のアン』 第23章 老人の墓 ("I don't mind," said Mrs. Anthony, slipping willingly back into her chair. "I'll be glad to set a spell longer. Somehow it takes so long to get rested when you get old. And," she added, with a smile of dreamy beatitude on her pink face, "didn't I smell fried parsnips?" Anne almost grudged the fried parsnips when the Daily Enterprise came out the next week. There, in the obituary column, was "The Old Man's Grave" . . . with five verses instead of the original four! And the fifth verse was:)
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ではなぜ、村岡訳では「アメリカぼうふう」ではなくて、「オランダぼうふう」なのか?子どもたちが大好きな『ドリトル先生』シリーズの中に出てくるガブガブの好物がこのパースニップ。
シリーズ全巻を訳した井伏鱒二が原文の "parsnip"をオランダぼうふうと訳しています。 村岡花子が、上記の『炉辺荘のアン』を訳出した時期(1958年)には、オランダぼうふうとして通用していたのか、あるいは、訳者が、外来種の意味を重ねるために、アメリカではなくて言葉の響きのよいオランダを冠したのか。
では、日本名の「ぼうふう」とは何か? セリ科多年草で発汗、解熱などの効用がある漢方の材料。 ボウフウ (セリ科) では、まじめなお話を:
1990年、アメリカの国立癌研究所が打ち出した、プロジェクト。ガン発生を未然に防ぐために、予防効果の大きい植物性食品を選択し、その効果の高い順にピラミッド状に表したものです。 |