ではなぜ、村岡訳では「アメリカぼうふう」ではなくて、「オランダぼうふう」なのか?子どもたちが大好きな『ドリトル先生』シリーズの中に出てくるガブガブの好物がこのパースニップ。
シリーズ全巻を訳した井伏鱒二が原文の "parsnip"をオランダぼうふうと訳しています。
村岡花子が、上記の『炉辺荘のアン』を訳出した時期(1958年)には、オランダぼうふうとして通用していたのか、あるいは、訳者が、外来種の意味を重ねるために、アメリカではなくて言葉の響きのよいオランダを冠したのか。
 
ガブガブ  (Gub-Gub, the pig)

食欲旺盛。トリュフを掘りたてるのが得意な食いしん坊のブタ。

 『ガブガブの本』

 『ドリトル先生』番外篇(
   国書刊行会)訳:南條竹則