からす麦 と小麦 

   カラス麦  Oats   オーツ

カラスムギ(烏麦、学名:Avena fatua)はイネ科カラスムギ属の越年草 。あるいはカラスムギ属の総称。また、野生種のカラスムギを栽培化した穀物が、同属のエンバクであるといわれている。
植物の名称に「カラス」や「イヌ」と付けるのは、それが人間の食用には適さない植物であるという見方によることが多く、このカラスムギもそのひとつでした。
しかし実際は食用に適しており、欧州や中東では栽培化以前にも野生種が利用されていた事実がありました。。日本では小麦栽培が広まったため、飢饉の時に食される以外 、カラスムギまで利用する必要がなかったとされています 。

カラス麦の最も一般的な用途は、家畜の飼料。ついで細かく砕いてオートミールとして原作にあるお粥にされたり、焼き菓子やクッキーなどにも利用されています。

日本中の猫がオート麦を食べている?
オート麦それ自体は、じつは意外なところで買うことができるのです。
 猫草、と呼ばれる猫の食用草があ りますが、このタネの正体は、実はオート麦。猫はオート麦の芽生えを野菜として食べているのです。
   


   オーツ麦が熟してきた

  猫のための食用麦として栽培されている
 アヴォンリーでは平和な日々が流れていった。植樹が実行に移され改善員たちは植樹祭をもよおした。改善員一人につき、5本ずつ、装飾用の木を植えたが、会員もいまでは四十人になったので、合計二百本の若木が植わったことになった。赤土の畑にはからす麦が青々と育ち、家々のりんごばたけでは木々が枝もたわわに花をつけ、スノー・クイーンは花嫁のような装いだった。
    『アンの青春』 第4章 予言者エイブおじさん

(Life in Avonlea continued on the smooth and even tenor of its way. The "planting" was put in; the Improvers celebrated an Arbor Day. Each Improver set out, or caused to be set out, five ornamental trees. As the society now numbered forty members, this meant a total of two hundred young trees. Early oats greened over the red fields; apple orchards flung great blossoming arms about the farmhouses and the Snow Queen adorned itself as a bride for her husband.

そして次は 小麦

 



  小麦の穂 
  珍しいことにうどん用として栽培されている。
  地粉うどんの美味しさときたら!

  
  エジプトの遺跡の壁画には、
  小麦を栽培している様子や、脱穀している
  絵が描かれている

  

食事が済むと、マリゴールドは外に出て、----おかあさんと一緒に----いるのだったらいいのに。草をそよがす西の風----鳴き交わす駒鳥の声----金色の麦畑に落ちている長い木の影----ここには母がいないと思うと、何を見ても胸が締め付けられた。 

      『マリゴールドの魔法』 第4章 初めての訪問 篠崎書林 田中とき子訳 

After supper she went out and leaned forlornly against the gate, looking wistfully up the long red road of mystery that led back home. Oh, if she were only home--with Mother. The west wind stirring in the grasses--the robin-vesper calls--the long tree shadows across a field of wheaten gold--all hurt her now because Mother wasn't here.

 「向こうのドンキンさんの畑にあるの。果樹園を上がっていってから柵に沿って--
「どうして、真っ直ぐ近道をしないの?」バーバラはドンキンさんのクリームがかった青いからす麦のほうに手を振ってみせた」「あそこには道がないから。」「じゃ、道を作りましょう」と言うと、バーバラはまっすぐ麦畑のなかに道を作っていった。いけないことだと知りながらもマリゴールドも、どうかドンキンさんに見つかりませんようにと祈りながらその後に続いた。
          『マリゴールドの魔法』 第10章 逃げ出した王女 

 "Over there in Mr. Donkin's field. We must go up the orchard and along by the fence and--"
"Why not cut straight across?" asked Varvara, waving her hand at Mr. Donkin's creamy green oats."There's no path there," said Marigold."We'll make a path," said Varvara--and made it. Right through the oats. Marigold followed her, though she knew she shouldn't, praying that Mr. Donkin wouldn't see them.

 おそらく、マリゴールドはその日、学校で習ったことはみんな忘れてしまったかもしれないが、曲がりくねった道の面白さ、牧場に隅ににぎやかに咲いているアキノキリンソウたち、曲がり角に差し出ている樅の枝ぶり、長い波が渡るようなドンキンさんの小麦畑、池の上をいさましく漂っていく若い白雲などのことは一生忘れないだろう。道は赤い丘へと上がっていき、ゆうべの雨が道ばたに丸くかたまって映えている匂い羊歯のほこりをきれいに洗い流していた。
            『マリゴールドの魔法』  第6章 恐ろしい犬 
田中とき子訳  

 Marigold probably forgot everything she learned in school that day, but she never forgot the tricks of the winding road, the gay companies of goldenrod in the field corners, the way the fir-trees hung over the bend, the long waves going over Mr. Donkin's field of wheat, and the white young clouds sailing adventurously over the harbour. The road ran up the red hill, and the rain in the night had washed all the dust from the rounded clumps of spice fern along the edges. 

       小麦はWheat   大麦はBarley    ライ麦はRye   燕麦 はoat 

     小麦の生産分布