きんぎょそう   

  きんぎょそう   金魚草   コゴマノハグサ科 

地中海沿岸原産の一年草。
本来適地にあれば多年草ですが、日本の暑さでは夏越しが難しいので、一年草扱いします。
秋に種を蒔き、翌年初夏に金魚のおちょぼ口のような花を楽しみます。 
英語の snapdragonは、蜂が花に入り込んで蜜を吸っている様子を、ドラゴン(竜)が噛みついていると見立てたから。江戸時代に日本に渡来。
早春、南房総で金魚草が咲き乱れる光景で知られます
ところが、下のように、島で金魚草が群れ咲いているという記述が見られました。

これをどう考えるか?
 ・ 春、種を蒔き夏に花を咲かせる。
 ・ 夏の暑さはほどほどの島です。宿根したのかもしれません。

 「母さん」とウォルターが言った。「裏のポーチにまわりにぐるっと金魚草がいっぱい咲いているよ。それに駒鳥がひとつがい台所の窓の敷居のところに巣を作り始めているよ。いいね、母さん?窓を開けてびっくりさせたりしないね」
                        『炉辺荘のアン』第23章 老人の墓

("Mummy," said Walter, "the snapdragons are coming up thick all around the back porch. And a pair of robins are beginning to build a nest on the pantry window-sill. You'll let them, won't you, Mummy? You won't open the window and scare them away?")
 

 

   庭の金魚草 秋に種を蒔きました。
   後ろの青い花はデルフィニューム

 

 



    カナダ、ロッキーの山の中で。
    多年草化したと考えられます。


『炉辺荘のアン』には、庭の記述があり、アンが愛し家族て手入れする場面がいくつも見られます。

炉辺荘の庭には、こんな花が咲いています。
ジューンリリー、アイリス、ハニーサックル、芍薬、原種バラ、金魚草、タチアオイ、チューリップ、リボンソウ、フロックス、デルフィニューム、パンジー、ミント、ラッパスイセン、ハマナス、オダマキ、シモツケソウ、オレンジリリー、ライラック、オオハンゴンソウ、ケマンソウ、サボンソウ、シャーレーポピー、クロッカスなど。そして芝生の邪魔者のタンポポも。

昔風の庭の条件は、高い木が周囲にあり、海からの風を遮ること。
柳、ポプラ、カエデ、シラカバに囲まれていたことでしょう。葉ずれの音が聞こえてくるようです。