ホップ

   ホップ   アサ科  学名:Humulus lupulus

雌雄異株のつるで茂る多年草。寒冷地に適応する植物。日本では、1877年、北海道開拓使が苗を持ち込み、栽培したのがはじまり。
写真のように、雌花は穂のように固まって咲き、苞が肥大して松かさ状になります。(毬果)
原産地はヨーロッパや西アジア。島にはヨーロッパから渡来したものが帰化して繁茂しているようです。
和名はセイヨウカラハナソウ。
毬果は酵母作用を持ち、ビールの製造に欠かすことのできないもので、苦味と香りを付け、さらに雑菌が繁殖すること抑える効果があります。
生薬としては健胃、鎮静効果があるとされ、抽出物にはホップフラボノールが含まれ、花粉症の症状を抑える効果があることが突き止められました。
さらにアルツハイマー型認知症の予防効果もあるとの研究結果が発表されましたが、ビールの製造過程でその成分が取り除かれているので、いくらビールを飲んでも認知症予防効果はありません、残念。
 

    セイヨウカラハナソウ 
    ビール園の壁面に高く茂って。
 

   日本のカラハナソウ 苦味が少ない
   山野に自生。右の大きい葉は葛(クズ)

   台所は片すみの小さな建物で、夏でも大きな料理用の炉がおいてあった。そして、ニュー・ムーンのほかの建物と同じように、ホップの茂った蔓草でおおわれたいた。

                      『可愛いエミリー』 第7章 昨日の本
   (
Delicious smells were coming from the cook-house--a little, slant-roofed building at the corner where the big cooking-stove was placed in summer. It was thickly overgrown with hop vines, as most of the New Moon buildings were. )

 床は地面のままで、窓はきれいなエメラルド色の若いホップの蔓でさえぎられていた。
                      『可愛いエミリー』 第7章 昨日の本                      

And then you were in a clean, earthy-smelling, damp, cool place with an earthen floor and windows screened by the delicate emerald of young hop vines, )

エミリーはたまらなく家が恋しくなった。樺の木を照らすニュー・ムーンのローソクの光----露に濡れたホップの蔓の匂い-----ゴロゴロ喉をならしている猫たち--- 夢にみちたなつかしい自分の部屋---静かさのたちこめた、影の多い古い庭----風と、湾に寄せる大波のかなでる壮大な聖歌----海から離れた町にいると、昔ながらのあの朗々たる音楽を聴けないのは辛かった。ニュー・ムーンの死者の眠るあのちいさな墓地までもが懐かしかった。           『エミリーは登る』 第6章 シューズルベリーの生活  

 (She was horribly homesick. She wanted the New Moon candle-lights shining out on the birch-trees--the scent of hop-vines in the dew--her purring pussy cats--her own dear room, full of dreams--the silences and shadows of the old garden--the grand anthems of wind and billow in the gulf--that sonorous old music she missed so much in this inland silence. She missed even the little graveyard where slept the New Moon dead.)
 

原文の描写によると、ニュー・ムーン農場の建物は、このホップに覆われていたようですね。
しかし、大きな疑問が残りました。
島では建築用の石材が不足しています。ほとんどの家は木造です。ニュー・ムーン農場のその例に漏れません。
木部にこのようにつる性の植物を這わすことは、家自身の耐久性が劣ることに結びつきませんか。
おまけに、海からの潮風はよけいに家の劣化を呼び込みます。
緑のカーテンとして夏の日差しを遮ることを優先したのか、あるいは、毬果をパンを焼くのに利用したか。(『「赤毛のアン」の生活事典』による)

エメラルドグリーン色の若いホップの蔓・・・。
海に近いニュー・ムーン農場です。
このホップの葉の色は、海の色と緑の葉が混じりあったものかもしれませんね。