「ああ、それで思いだしたんだけど」とジョシーが言った。「クィーンにも結局、エイヴリー奨学金が出ることになったんですって。・・・・・・ エイヴリー奨学金! アンは胸が高鳴り、野心の地平線がたちまちのうちにひろがるのを覚えた。・・・・・自分がエイヴリー奨学金を獲得して、レドモンド大学の芸術科にはいり ・・・
『赤毛のアン』第34章
(For
the Avery scholarship was in English, and Anne felt that here her
foot was on native heath.)
(エイヴリー奨学金は英文学を優秀な成績を修めた学生のためのもの。
英語学と英文学を得意とするアンは、生まれ故郷のヒースの丘に立っているような気持になった。
「心の底にひそんでいた、郷愁に裏付けられた自我が目覚め、自分を恃みとし、目標を立て、奨学金獲得に向けて奮い立った。」この決心を、「生まれ故郷のヒースの丘、on
native heath.」に立つと表現しています。
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「ヒース(heather)ですって?」と、アンは叫んだ。「ヒース(heather)はアメリカには生えないんじゃないの?」
「全アメリカ大陸のなかで、たった二ヵ所だけあるのよ」と、フィルが説明した。・・・・あの有名なスコットランド高原の「黒色部隊」が・・・・野営していて、春の季節に兵士たちがベッドの藁をふるったときに、ヒースの種がいく粒かこぼれて根をおろしたのよ」「まあ、なんて素敵なんでしょう!」アンは有頂天になった。
『アンの愛情』 第6
("Speaking of romance," said Priscilla, "we've been looking for
heather -- but, of course, we couldn't find any. It's too late in
the season, I suppose.""Heather!" exclaimed Anne. "Heather doesn't
grow in America, does it?"
"There are just two patches of it in the whole continent," said
Phil, "one right here in the park, and one somewhere else in Nova
Scotia, I forget where. The famous Highland Regiment, the Black
Watch, camped here one year, and, when the men shook out the straw
of their beds in the spring, some seeds of heather took root." "Oh,
how delightful!" said enchanted Anne.)
敷き藁として使われていたことが分かります。植物に興味がある兵士や、ヒースの便利な使い道を知る兵士が故郷イギリスからはるばる種を運んできて、新天地に蒔いたとも考えられますね。
現在は、カナダ東部やアメリカ合衆国の東部に分布しています。
なるほど。根を降ろし活着することを「take root」というのか・・・。と新しい発見。 |
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