きんぽうげ   

 

  きんぽうげ 金鳳花(バターカップス) キンポウゲ科キンポウゲ属      

              別名:ウマノアシガタ  (特に八重のものを「きんぽうげ」と言う)


アンが初めて一人で教会へ行ったときに、帽子に飾った花、と言えばファンならお分かりでしょう。
多年草。春の陽を受けて揺れる黄色い花の群れが印象的な花。
かつては八重のものをキンポウゲ、一重の花をウマノアシガタと言いましたが、最近はキンポウゲで総称されるようになりました。金鳳花 ---その名の通り、丸みを帯びた花弁が光を反射し、きらきら輝くさまはとても美しく、アンでなくとも手に取って みたくなる花。
この光沢は、花弁の表皮に分泌されるデンプンがなせるわざです。花弁の表皮に分泌された、デンプンを主成分とするクチクラ層によるもの。
クチクラ( Cuticula) とは、「キューティクル」。  髪の毛が光るのと同じです。
 


 風にそよぐきんぽうげや、野ばらが咲き乱れていたので、さっそくアンは重たい花輪を作って、こてこてに帽子を飾りたてた。   『赤毛のアン』 第11章  アン日曜学校へ行く

    ( ・・・  
with a golden frenzy of wind-stirred buttercups and a glory of wild roses,、・・・ )

 ええ、あたしにはピンクと黄色が似合わないことは、分かっているの。
              『赤毛のアン』第12章  おごそかな誓い

  ( 
"Oh. I know pink and yellow aren't becoming to me," began Anne.  )

 先生、ぼくは夕日の中へ入ったのですよ。・・・ばらほどもあるきんぽうげが見わたすかぎり咲いているのです。
     (ポール・アーヴィングの手紙から)  『
アンの青春』 第11章 子供たちの手紙

 (
We sailed into a great harbor, all the color of gold, and I stepped right out of the boat on a big           meadow all covered with buttercups as big as roses. )
 

会津、上三依水生植物園の流れのそばで。
左に咲くのは、日本古来のオドリコソウ。
まだ残っているのです。珍しい・・・。

   スイス、グリンデルワルト。
 バッハ・アルプ・ゼーへの道沿いで。

 清冽な流れにも、アルプスの山にもよく似合う。
 左のすらりと伸びたピンクの花は、「イブキトラノオ」。                       
 
綺麗な花には毒がある --- この花姿で有毒植物です。
茎からでる白い分泌液に触れるとかぶれることもありますが、乾いてしまえば大丈夫。だからアンの指はかぶれなかった、と信じたいですね。
ただし、馬や牛が食用にすると中毒を起こします。
これが幸いして、野原に咲き乱れる花の群れを楽しむことができるのです。
華奢なたたずまいなのに、細い茎の上に咲く花は大きく、光を受けて光る・・・群生すると金色に波打ち、ため息をつくほどの美しさ。
同じキンポウゲ科のトリカブト、ニリンソウなどと同じような葉の形をしていて、さらに食用の芹(セリ)にも似ているので、摘み草を楽しむ時、注意しましょう。
鬼芹の別名があるように、このキンポウゲは植物毒をもつキンポウゲ科の代表なのですから。

オダマキ、オキナグサ、イチリンソウ、アネモネ、クレマチス、クリスマス・ロース、フクジュソウなど、すべてキンポウゲ科の植物。したがってこれらすべての植物に多かれ少なかれ、毒があるのです。
おそらく捕食者(馬や牛や羊)を寄せ付けないように、なのでしょう。
 

カナダ・ロッキー山脈の山の中で。
珍しく八重の花を見つけた。
これこそ「きんぽうげ}。

 



私の庭。
オダマキとバターカップスの補色の取り合わせ。
どちらもキンポウゲ科の植物


 
 Put a buttercup flower under your chin and it will shine.    ニュージーランドのきんぽうげ  

 
 バターが好きだと、あごに花の色が反射して黄色く輝くのだ。    

 

欧米のどの図鑑を見ても、子供のこの遊びが載っています。
花をあごの下に置いて肌が黄色く見えたら、その人はバターが好きなのだ、と。
バターが嫌いな人はほとんどいませんし、クチクラが鏡の役割をしてお日様を捉える楽しい春の遊びです。
 

    ○   いくたびもまがり角過ぎあゆみゆくはるけく遠しかの六月は  (Ka)